2  力のモーメントおよびつりあい

●力のモーメント
力が物体を回転させようとするはたらきを、力のモーメントといいます。
図のように、ナットをスパナでしめつけるとき、スパナの柄の中ほどをもってしめるより柄の端をもってしめるほうが小さな力ですみます。

つまり、図のようにナットの中心からとおいところ(B)をもってまわせばしめやすく、ぎゃくにナットにちかいほう(A)をもてば(B)のときより大きな力が必要になります。
たとえばナットの中心から20cm(A点)のところをもって5Nの力でしめつけるのと、40cm(B点)のところをもって2.5Nの力でしめつけるのとでは、ナットをしめつけるモーメントはおなじ(1.0N・m)です。

●モーメントのつりあい
支点を中心にして左側のモーメントと右側のモーメントがひとしいときはつりあっています。

●モーメントのちがいと安定
モーメントは、はたらく力の大きさによってもちがいますが、また力のはたらく点と支点との距離でもちがってきます。
図のように、3 t の荷をつって支点から4 m の位置にある(ジブがAの状態にある)場合と、6 m の位置にある(ジブがBの状態にある)場合とでは、つぎのようにちがってきます。


3tのものにはたらく重力をほぼ3万Nとし、5 t のものにはたらく重力をほぼ5万Nとして、安定モーメント(クレーンを安定させようとするモーメント)と転倒モーメント(クレーンを転倒させようとするモーメント)を計算すると、
安定モーメント=5万N×3m=15N・m
転倒モーメント=3万N×4m=12N・m(Aの場合)
        3万N×6m=18N・m(Bの場合)
となり、ジブがAの状態の場合には転倒しないのに、Bの状態の場合には転倒モーメントのほうが大きくなって転倒しやすくなります。


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