作業環境測定士試験 (労働衛生一般)

(平成16年2月 実施分)

問1  化学物質による健康障害等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 化学物質による健康障害の発現は、作用部位での化学物質の量による。
2 50% 致死濃度(LC50)とは、半数の動物が死亡する濃度である。
3 生物学的モニタリングとは、動物を用いて化学物質の影響を調べることを
 いう。
4 変異原性とは、化学物質などが遺伝子 DNA の異常や損傷を起こす性質を
 いう。
5 化学物質の変異原性試験は、発がん性のスクリーニング試験として用いら
 れる。


問2  作業環境における化学物質による中毒に関する次の記述のうち、誤っている
のはどれか。

1 アクリルアミドは、経皮吸収により中毒を起こす。
2 アニリンは、経皮吸収により中毒を起こす。
3 ニッケルカルボニルは、経皮吸収により中毒を起こす。
4 臭化メチルは、経皮吸収により中毒を起こす。
5 N,N‐ジメチルホルムアミドは、経皮吸収により中毒を起こす。


問3  次の有害物質のうち、血液障害を起こすものはどれか。

1 イソプロピルアルコール
2 スチレン
3 砒化水素(アルシン)
4 四塩化炭素
5 クロロベンゼン


問4  有害物質の健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 鉛の生体影響として、赤血球のδ‐アミノレブリン酸脱水酵素活性値の低
 下が、尿中δ‐アミノレブリン酸の増加より早期に出現する。
2 トリレンジイソシアネート(TDI)による気管支喘息は、高濃度の曝露で
 ないと発症しない。
3 一酸化炭素は、酸素よりもヘモグロビンとの親和性がはるかに高い。
4 シアン化水素は、細胞内の呼吸酵素、とくにチトクロームオキシダーゼの
 作用を抑制する。
5 カドミウム粉じんの曝露が続くと、初期所見として、腎尿細管障害のため
 に低分子蛋白尿がみられる。


問5  鉱物性粉じんに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 じん肺を起こしやすいのは、粒径がおよそ 7 μm以下の粉じんである。
2 炭酸カルシウムの粉じんは、タルク粉じんよりも有害性が低い。
3 ろ過材の粉じん捕集効率は、粒径によって異なる。
4 鉱物性粉じんの空気力学相当径は、光学顕微鏡による粒径測定によって求
 めることができる。
5 遊離けい酸を含まない鉱物性粉じんの管理濃度は、2.9 mg/m3である。

問6  がん原性物質Aとそれによって起こる職業がんBとの次の組合せのうち、誤
っているものはどれか。

      A        B
1 クロム化合物(Y)   肺がん
2 4‐アミノジフェニル   膀胱がん
3 塩化ビニル       上気道のがん
4 石綿          中皮腫
5 ベンゼン        白血病


問7  次の酸素欠乏危険場所のうち、硫化水素の発生があるところはどれか。

1 鉄(U)塩類やマンガン(U)塩類を含有している地層に通じている潜函
 の内部
2 パルプ工場におけるパルプ液貯蔵槽の内部
3 相当期間密封されていた鋼製のボイラーの内部
4 牧草を貯蔵しているサイロの内部
5 バナナを熟成させている室の内部


問8  金属またはその化合物Aとそれによって起こる健康障害Bとの次の組合せの
うち、誤っているものはどれか。

      A        B
1 酸化マンガン(W)  貧血
2 五酸化バナジウム   気管支炎
3 水銀         腎障害
4 亜鉛          金属熱
5 クロム酸        皮膚潰瘍


問9  次の有機溶剤Aとその尿中代謝物質Bとの次の組合せのうち、誤っているも
のはどれか。

     A            B
1 キシレン        メチル馬尿酸
2 テトラクロロエチレン  トリクロロ酢酸
3 ノルマルヘキサン    2,5‐ヘキサンジオン
4 トルエン        フェノール
5 スチレン        マンデル酸


問10  作業環境の温熱条件に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 アスマン乾湿温度計の湿球温度は、通気流の速度を 4 m/sec とし最低5
 分通風して測定する。
2 WBGT による熱ストレスの評価式は、直射日光の曝露の有無によって黒球
 温度と乾球温度の係数が異なっている。
3 絶対湿度とは、空気の単位体積中にある水蒸気の質量である。
4 高温環境下での労働による体温上昇は、体のふるえによって調節される。
5 等価冷却温度とは、ある気温と風速の状態が、無風条件下で等感覚になる
 温度をいう。

問11  騒音測定と聴力検査に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 等価騒音レベルとは、変動している騒音の平均エネルギーと等しいエネル
 ギーの連続定常音の騒音レベルである。
2 測定は、騒音計のマイクロフォンを床上 1.2 〜 1.5 m で設置し測定する。
3 騒音計のA特性は、ヒトの聴覚の周波数特性で重みづけされたものである。
4 騒音性難聴は、一過性聴力閾値上昇を生じないレベルの騒音に長時間曝露
 されていても発生しない。
5 三分法平均聴力レベルは、 500 Hz、1000 Hz、8000 Hz の聴力の平均値
 である。


問12  手持ち振動工具による健康影響に関する次の記述のうち、誤っているものは
どれか。

1 振動の周波数によって、影響を受ける身体部位が異なる。
2 加速度が大きいものほど、影響が大きい。
3 レイノー現象の出現は、環境温度と関係がある。
4 喫煙は、レイノー現象の増悪因子である。
5 中枢神経障害が生じ、左右いずれか半身にしびれや麻痺が起こることが多
 い。


問13  電磁波または音波Aとその曝露によって起こる障害Bとの次の組合せのうち、
誤っているものはどれか。

     A        B
1 紫外線        角膜炎
2 超音波        角膜炎
3 可視域レーザー光線  網膜損傷
4 マイクロ波      白内障
5 赤外線        白内障


問14  放射線被ばくの人体への影響は、確率的影響と確定的影響に大別される。
 次の(イ)から(ニ)までの放射線障害のうち、確定的影響であるもののみ
の組合せは、下のうちどれか。

(イ)白内障
(ロ)白血病
(ハ)放射線皮膚炎
(ニ)突然変異
1 (イ)(ロ)
2 (イ)(ハ)
3 (ロ)(ハ)
4 (ロ)(ニ)
5 (ハ)(ニ)


問15  環境空気中の有害物質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 有害物質濃度の分布は、時間的にも空間的にも対数正規型とみなされる。
2 気体の液体への溶解度は、一般的に液体の温度が高いほど大きい。
3 気体の固体(吸着剤)への物理吸着では、気体濃度が高いほど、また、気
 温が低いほど吸着量は増加する。
4 酸の希薄溶液から発生したミストは、一般に元の液より濃度が高くなる。
5 ブラウン運動における粒子の拡散係数は、空気の絶対温度に比例する。


問16  局所排気装置等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 局所排気装置のフードで、最も広く利用されているのは外付け式フードで
 ある。
2 外付け式フードで吸引される気流の速度は、フード開口面からの距離が大
 きくなると急激に低下する。
3 外付け式フードの制御風速とは、フード開口面から最も離れた作業位置に
 おいて必要な風速である。
4 ブース型の囲い式フードの排風量は、開口面の平均風速と開口面積との積
 で表わされる。
5 ダクトの断面積を大きくすると圧力損失が大きくなり、粉じんがダクトに
 沈着しにくくなる。


問17  防じんマスクに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 防じんマスクは、粒径 0.5 μm の食塩粒子を 98 % 以上捕集する能力を
 有するものと規定されている。
2 使い捨て式防じんマスクは、使用限度期間内であっても、型くずれしてい
 たら、廃棄しなければならない。
3 全面形で隔離式の取替え式防じんマスクであっても、酸素濃度が 18 % 未
 満の場所では使用してはいけない。
4 使い捨て式防じんマスクは、面体とろ過材とが一体となっている。
5 取替え式防じんマスクは、使用の前に、ろ過材等の点検とともに、フィッ
 トテストを行うことが必要である。


問18  呼吸用保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 防毒マスクの吸収缶の破過時間は、ガスの濃度が高いほど長くなる。
2 隔離式防毒マスクは、直結式防毒マスクより使用できる環境空気中の対象
 ガス濃度の上限が高い。
3 直結式小型防毒マスクの使用範囲は、環境空気中の対象ガス濃度が 0.1 %
 以下である。
4 有害ガスの種類と濃度が不明の場合は、給気式呼吸用保護具を使用すべき
 である。
5 送気マスクは、自給式呼吸器と比べて作業者の行動範囲が狭い。


問19  管理濃度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 管理濃度は、有害環境下での労働者の労働時間を考慮せずに設定された指
 標である。
2 管理濃度は、許容濃度の値や作業環境管理技術を考慮して定められた指標
 である。
3 管理濃度は、単位作業場所の作業環境管理が適切であるか否かを評価する
 ために用いられる指標である。
4 管理濃度は、作業環境測定で得られた個々の測定値を統計的に処理したも
 のと対比するための指標である。
5 管理濃度は、特定の物質については天井値として用いるための値も定めら
 れている。


問20  日本産業衛生学会からの許容濃度等の勧告に関する次の記述のうち、誤って
いるものはどれか。

1 曝露濃度とは、呼吸用保護具を装着しない状態で、労働者が作業中に吸入
 するであろう空気中の当該物質の濃度である。
2 最大許容濃度とは、作業時間中のどの時間をとっても曝露濃度がこの数値
 以下であれば、ほとんどの労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断さ
 れる濃度である。
3 許容濃度の基になる数値は、個々の労働者についての曝露濃度測定値の幾
 何平均値である。
4 許容濃度の数値を用いて、種類の異なる物質についての有害性の程度を比
 較することはできない。
5 許容濃度表中で、「皮」の表示のある物質は経皮的に吸収されやすいこと
 を示している。



(終わり)


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