作業環境測定士試験 (デザイン・サンプリング)

(平成16年2月 実施分)

問1  次の測定のうち、法令に基づく「作業環境測定」でないものはどれか。

1 原子炉使用済燃料の再処理工程で発生する放射性物質濃度の測定
2 粒径 7.07 μm 以下の鉱物性粉じん濃度の測定
3 溶接ヒューム用局所排気装置のフードの取り込み効果を判断するための風
 速の測定
4 製缶工場における等価騒音レベルの測定
5 炉前作業における輻射(放射)熱の測定


問2  次の項目のうち、作業環境測定のデザインの際に、考慮する必要のないもの
はどれか。

1 作業場の平面的および立体的な広がり
2 作業場で働く労働者の労働時間
3 作業場で働く労働者の行動範囲
4 測定対象物質のサンプリング時間
5 測定対象物質の物性


問3  作業環境測定等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 トルエンとキシレンを含む混合有機溶剤を取り扱っている単位作業場所の
 トルエン濃度は、トルエン用検知管で測定すると、高く評価される。
2 鋳物工場の型ばらし作業が行われている単位作業場所で採取した粉じん中
 の遊離けい酸含有率は、X線回折法で求めることができる。
3 溶接ヒュームの濃度は、光散乱式の相対濃度計で測定することができる。
4 ハンダ付け作業が行われている単位作業場所で採取した粉じん中の鉛の含
 有量は、原子吸光分析法で求めることができる。
5 特定化学物質の中には、気中濃度を光散乱式の相対濃度計で測定すること
 ができるものがある。


問4  次の記述のうち、単位作業場所の設定が不適切なものはどれか。

1 1階と中2階とで同様なタルクの袋詰めが行われている作業場で、1階と
 中2階を一緒にして単位作業場所を設定した。
2 手持ちグラインダーと固定グラインダーとによる研磨作業が行われている
 作業場で、固定グラインダー作業を対象にして単位作業場所を設定した。
3 クロム酸鉛の粉末を取り扱っている作業場において、同一の区域をクロム
 酸と鉛の単位作業場所として設定した。
4 シアン化ナトリウム溶液のミストが発生する金メッキ作業と硝酸ニッケル
 溶液のミストが発生するニッケルメッキ作業が混在している作業場で、シア
 ンとニッケルとを分けて単位作業場所を設定した。
5 トルエン等を含むラッカー塗装が行われている作業場で、隣接する乾燥工
 程を含めて一つの単位作業場所を設定した。


問5  A測定の測定点の位置または数の決め方に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれか。

1 測定点は、前回行われた測定における測定点と必ずしも同じでなくてもよ
 い。
2 測定点と測定点の間隔は、 6 m を超えない一定の間隔であれば、縦方
 向と横方向とで異なっていてもよい。
3 A測定点のうちの 1 点とB測定点とは重なることがあってもよい。
4 単位作業場所の中の濃度がほぼ均一であるときは、測定点の数を 5 以上
 としなくてもよい。
5 1日のうち、有害物質を発散する作業の時間とは無関係に、測定点の数は
 原則として単位作業場所ごとに 5 以上としなければならない。

問6  B測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 B測定は、必ずしもすべての単位作業場所で行う必要はない。
2 サンプリングには、A測定と同じ方法を用いなくてもよい。
3 相対濃度計を用いる場合でも、 10 分間の平均濃度を求めるようにする。
4 検知管5本を用いる場合、 10 分の間に均等な間隔で測定する。
5 検知管5本を用いる場合、測定の開始から 10 分経過したときに使用して
 いる検知管の測定値までを、用いて平均濃度を求める。


問7  次の測定対象物質のうち、異性体のあるものはどれか。

1 イソプロピルアルコール
2 テトラクロロエチレン
3 メチルイソブチルケトン
4 トルエン
5 キシレン


問8  有害物質の物性等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 メタノールとホルムアルデヒドは、いずれも極性物質である。
2 銅・亜鉛合金の製造時には、銅の含有率の高い金属ヒュームが発生する。
3 石英およびシリカゲルは、その化学式がいずれも SiO2 で表わされる。
4 トルエンの蒸気は、その密度が空気より大きいため、室内では床上に停滞
 しやすい。
5 6価クロムの酸化物は水によく溶ける。


問9  有害物質Aと、その環境空気中の濃度の測定に用いられる捕集器具Bとの次
の組合せのうち、不適当なものはどれか。

     A          B
1 アセトン       ガラス製注射筒
2 トリクロロエチレン  活性炭管
3 メタノール      シリカゲル管
4 塩素         バブラー
5 硫化水素       小型ガス吸収管


問10  粒子状物質Aと、その環境空気中の濃度の測定に用いられるろ過材Bとの次
の組合せのうち、不適当なものはどれか。

     A          B
1 コールタール   ガラス繊維フィルター
2 石綿       セルロースエステル
           メンブランフィルター
3 鉛ヒューム    セルロース繊維フィルター
4 五酸化バナジウム セルロースエステル
           メンブランフィルター
5 三酸化ヒ素    ガラス繊維フィルター



問11  捕集方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 液体捕集の原理は、試料の捕集液への接触による溶解・反応である。
2 インピンジャーの捕集原理は、粒子状物質の円筒底面への衝突である。
3 ろ過捕集の原理は、ろ紙面への粒子状物質の拡散である。
4 活性炭の捕集原理は、主として気体状物質の吸着である。
5 シリカゲルは、極性のある物質の捕集に適している。


問12  光散乱方式の相対濃度計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 入気口に設けられている遮光用の迷路は、粗大な粉じんの進入を防止する
 のに役立っている。
2 相対濃度計の標準粒子に対する感度は、1 cpm あたり 0.01 mg/m3 ある
 いは 0.001 mg/m3 に設定されている。
3 相対濃度を質量濃度に変換するK値(質量濃度変換係数)は、粉じんの粒
 径には無関係である。
4 粒子の組成と粒径が一定であれば、相対濃度の値は質量濃度に比例する。
5 相対濃度計の指示値は、気温や相対湿度の影響はほとんど受けない。


問13  検知管に関する次の(イ)から(ニ)までの記述のうち、誤っているものの
みの組合せは下のうちどれか。

(イ)検知試薬には、測定対象物質のみに反応するものが用いられる。
(ロ)試料空気は、一定時間内に一定量を吸引する必要がある。
(ハ)変色層の長さは、熱や光の影響をうけない。
(ニ)共存ガスは、測定結果に影響を及ぼす場合がある。
1 (イ)(ハ)
2 (イ)(ニ)
3 (ロ)(ハ)
4 (ロ)(ニ)
5 (ハ)(ニ)


問14  次の記述のイ、ロの(  )に入る用語の組合せとして、正しいものは下の
うちどれか。
 「環境空気中の放射性物質の濃度を測定するために用いられる試料の捕集方
法として、放射性水銀に対して(イ)、放射性クリプトンに対して(ロ)が用
いられる。」

    イ      ロ
1 ろ過捕集法  液体捕集法
2 直接捕集法  冷却凝縮捕集法
3 固体捕集法  ろ過捕集法
4 固体捕集法  直接捕集法
5 液体捕集法  ろ過捕集法


問15  放射性沃素を取り扱っている作業場において、作業環境の空気を固体捕集法
によりサンプリングし、その試料を測定した結果、空気中の放射性物質の濃度
は、  1.0 × 10−4 Bq/cm3 であった。そのときの試料の放射能として、正
しいものは次のうちどれか。
 ただし、試料空気の吸引流量は毎分 50 リットル、試料採取時間は 2 時間、
捕集材の捕集率は 80 %である。

1   0.75 Bq
2   48 Bq
3   75 Bq
4  480 Bq
5  750 Bq


問16  正規分布と対数正規分布に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 横軸に変数の対数をとったときの対数正規分布の曲線の形は、幾何平均を
 中心として左右対称になる。
2 正規分布も対数正規分布も、変数の母平均と母分散とは相互に独立に分布
 する。
3 正規分布も対数正規分布も、連続型の分布である。
4 対数正規分布における幾何標準偏差の値は、必ず 1 以上である。
5 正規分布の算術平均と標準偏差をそれぞれ、、σとすると、変数のおよ
 そ 68 %が±σの範囲に入る。


問17  環境空気中のトルエン濃度を測定するため、活性炭管に 0.30 リットル/min
の流量で、10 分間試料空気を通したのち、二硫化炭素 1.0 ミリリットルで脱
着し、試料液とした。その一定量をガスクロマトグラフに導入して測定した結
果、トルエン濃度が 0.18 mg/ミリリットルであった。環境空気中のトルエン
濃度(体積分率)の値に最も近いものは、次のうちどれか。
 ただし、トルエンの分子量は 92 とし、脱着率は 100 %とする。

1  8 ppm
2  16 ppm
3  32 ppm
4  48 ppm
5  64 ppm


問18  次の記述の(  )に入る数値として適当なものは、下のうちどれか。
「相対濃度計(デジタル粉じん計)により、 10 分間のB測定を行った。ダー
クカウントは 4 cpm であり、この測定器による 1 cpm に対する質量濃度は、
0.007 mg/m3 である。管理濃度を 1.24 mg/m3 とした場合、B測定値がこの
濃度を超えないようにするためには、デジタル粉じん計の計数値は(  )
カウント以下でなければならない。」

1  173
2  577
3 1075
4 1811
5 2021


問19  環境空気中の有害物質の測定の精度に関する次の記述のうち、誤っているも
のはどれか。

1 多段型分粒装置を用いて鉱物性粉じんの濃度を測定する場合、吸引流量が
 所定の値より大きいと測定値は高くなる。
2 圧力損失の高い捕集装置によるサンプリングに用いる流量計の校正は、当
 該捕集装置を取り付けた状態で行うべきである。
3 直示天秤の精度は、測定する質量に関係なく、一定である。
4 バブラーを用いて酸性ガスを捕集する場合、気泡が大きいほど捕集率のば
 らつきは大きくなる。
5 ミゼットインピンジャーによりガス状物質を捕集する場合、ノズルを通過
 する流速が速いほど、捕集率は高くなる。


問20  作業環境測定の結果の評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 定量下限が 1 ppm である測定方法による測定で、定量下限に満たない濃
 度の測定点があった場合、その測定点における測定値は 1 ppm とする。
2 管理濃度が 10 ppm の測定対象物質の濃度を測定して 0.1 ppm を得た場合、
 評価値の計算には 1 ppm(管理濃度の1/10の値)を用いてもよい。
3 単位作業場所の3か所においてB測定を実施し、 60 ppm、100 ppm、 200
 ppm を得た場合、B測定値は 120 ppm とする。
4 鉱物性粉じんの管理濃度は、当該粉じんの遊離けい酸含有率によってきま
 る。
5 同一単位作業場所でベンゼンとキシレンとを検出した場合、混合評価の方
 法ではなく別々に評価する。



(終わり)


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