作業環境測定士試験 (分析に関する概論)

(平成16年2月 実施分)

問1  次の計算で求めた分析値の有効数字の表し方として、正しいものは下のうち
どれか。
 ただし、計算する各数値は全て有効数字であるものとする。

  0.037     2.163 × 106
 ──── × ────────  = 82.06204
  39.01       25.0

1 82.0620
2 82.062
3 82.06
4 82.1
5 82


問2  次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 1 bar は 105 Pa である。
2 1 kg 中の 0.1 mg は 102 ppb である。
3 1 リットル は 1 dm3 である。
4 1 Å は 1 nm である。
5 1 μmol/リットル は 1 mmol・m-3 である。


問3  塩素を含む化合物またはイオンAとその中の塩素の酸化数Bとの次の組合せ
のうち、誤っているものはどれか。

  A     B
1 ClO4 ̄   +7
2 ClO3 ̄   +5
3 ClO2   +4
4 HClO2   +2
5 HClO   +1


問4  20.0 g の酸素ガス中に含まれている酸素原子の数として、正しい値に最も近
いものは次のうちどれか。

1 3.8 × 1023
2 7.5 × 1023
3 1.5 × 1024
4 1.2 × 1025
5 2.4 × 1025


問5  作業環境測定における分析試料の前処理Aと、それに用いる器具等Bとの次
の組合せのうち、不適切なものはどれか。

   A         B
1 溶媒脱着   ロータリーエバポレータ
2 溶媒抽出   分液ロート
3 蒸発乾固   ホットプレート
4 沈殿分離   遠心分離器
5 吸引ろ過   ブフナーロート

問6  作業環境測定における、捕集法、分析試料の前処理および分析に関する次の
記述のうち、不適切なものはどれか。

1 活性炭管で固体捕集し、溶媒脱着したものをガスクロマトグラフに導入し
 て分析した。
2 テナックス管で固体捕集し、加熱脱着したものを高速液体クロマトグラフ
 に導入して分析した。
3 精製水で液体捕集し、発色試薬を添加したものをセルに入れ、吸光光度計
 で分析した。
4 グラファイバーろ紙でろ過捕集し、溶媒溶出したものを、原子吸光分光光
 度計で分析した。
5 メンブランフィルターでろ過捕集し、スライドガラスに固定化したものを
 位相差顕微鏡で計数した。


問7  ガス検知管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 変色層の長さは吸引速度に関係するので、ガス採取器は検知管と同じメー
 カーのものが使用されている。
2 試薬の劣化を防ぐため、冷暗所に保存しておくのがよい。
3 変色層の長さは気圧の影響をうけない。
4 変色層の長さは温度の影響をうける。
5 使用済み検知管は、試薬の種類によっては産業廃棄物として処理する必要
 がある。


問8  次の化学反応式のうち、下線をつけた元素が酸化されたものはどれか。

1 SiO2 + 6 HF → H2SiF6 + 2 H2O
2 MnO2 + 4 HCl →   MnCl2 + 2 H2O + Cl2
3 Zn + 2 NaOH →  Na2ZnO2 + H2
4 K2Cr2O7 + 7 H2SO4 + 6 FeSO4 → K2SO4
 + Cr2(SO4)3 + 3 Fe2(SO4)3 + 7 H2O
5 Na2CO3 + 2 HCl → 2 NaCl + H2O + CO2


問9  高圧ガスの容器とその使用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 高圧ガス容器には、容器重量の表示がある。
2 二酸化炭素の容器は直立に固定して使用する。
3 減圧弁の接続ナットのネジは、可燃ガス用のもののみが左ネジ(逆ネジ)で
 ある。
4 水素の容器の塗色は赤色である。
5 容器内のガスは、その圧力が大気圧になるまで使い切ってはならない。


問10  作業環境測定で行われる分析操作Aとその際に用いる器具Bとの次の組合せ
のうち、不適当なものはどれか。

     A           B
1 標準溶液の調製     ホールピペット
2 標準系列液の調製    メスフラスコ
3 発色試薬の秤量     秤量びん
4 捕集液の分取      駒込ピペット
5 ガスクロマトグラフ   マイクロシリンジ
  への試料溶液の注入

問11  容量分析において用いられる指示薬に関する次の記述のうち、誤っているも
のはどれか。

1 酢酸の水酸化ナトリウムによる中和滴定においては、指示薬としてフェノ
 ールフタレインが用いられる。
2 アンモニアの塩酸による中和滴定においては、指示薬としてメチルレッド
 が用いられる。
3 塩化カリウムの硝酸銀による沈殿滴定においては、指示薬としてクロム酸
 カリウムが用いられる。
4 シュウ酸の過マンガン酸カリウムによる酸化還元滴定においては、通常、
 指示薬は用いられない。
5 塩化鉄(U)の二クロム酸カリウムによる酸化還元滴定においては、指示薬
 としてデンプン溶液が用いられる。


問12  溶解度積等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 溶解度積は、溶液中に共存イオンがあっても温度が一定であれば変わらな
 い。
2 溶解度は、共存イオンがあっても変化しない。
3 沈殿滴定においては、溶解度積を考慮して指示薬が選ばれる。
4 BaSO4 の溶解度は、Ba(OH)2 のそれより小さい。
5 HgCl2 の溶解度積の単位は、(mol/リットル)3 である。


問13  電磁波に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 振動数が大きいほどエネルギーは高い。
2 振動数が大きいほど波長は長い。
3 波長 250 nm の電磁波は近紫外線である。
4 波長 500 nm の電磁波は可視光線である。
5 波長 10 μm の電磁波は赤外線である。


問14  試料溶液中の吸光物質による光の吸収に関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。

1 試料溶液を透過した光の強さは、吸光物質の濃度に反比例する。
2 試料溶液中に2種類以上の吸光物質があるとき、ある波長における全吸光
 度は、すべての吸光物質の吸光度の和に等しい。
3 モル吸光係数は、溶液の温度が変化すると変わることがある。
4 モル吸光係数は、一般に測定波長によって変化する。
5 モル吸光係数は、溶媒の種類を変えると変化することがある。


問15  フレーム原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 原子吸光測定には、光源からの入射光として連続スペクトルのものを用い
 る。
2 ほとんどの場合、最も強い吸収を起こす遷移は基底状態からの遷移である。
3 基底状態と励起状態の間の遷移は、入射光が特定の遷移の波長と等しいと
 きにのみ起こる。
4 フレーム中に存在する分子種や粒子による光の吸収や散乱は、分光学的干
 渉を引きおこす。
5 イオン化エネルギーの低い元素の測定において、それよりもさらにイオン
 化しやすい元素が共存すると電子密度が増加し、測定元素のイオン化を抑制
 する。


問16  蛍光およびその測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 蛍光の発光強度は、試料濃度がきわめて薄い溶液では、濃度に比例する。
2 蛍光の発光強度は、通常、励起光の強度に比例する。
3 試料濃度が高いと、励起光がセルを通過する際に、その強度が減衰する。
4 試料中に溶存酸素など常磁性物質が存在すると、蛍光の自己消光が起きる。
5 試料溶液のpHは蛍光強度に影響しない。


問17  ガスクロマトグラフ分析に用いられる検出器Aと分析対象物質Bとの次の組
合せのうち、その検出器による対象物質の検出がほとんど不可能なものはどれ
か。

     A            B
1 熱伝導度検出器      一酸化炭素
2 光イオン化検出器     二酸化炭素
3 炎光光度検出器      硫化水素
4 電子捕獲検出器      クロロホルム
5 水素炎イオン化検出器   酢酸エチル


問18  クロマトグラフ分析に用いるカラムの理論段高さ(H)は、一定温度では、対
象物質の濃度拡散に起因する定数(A)、カラムの不均一性に起因する定数(B)、
吸着または分配平衡からのずれに起因する定数(C)を用いて、移動相の流速
(υ)の関数として表わされる。これらの関係を表わす式として、正しいものは
次のうちどれか。

        B
1 H = A + ── + C × υ
         υ

        C
2 H = B + ── + A × υ
         υ

        A
3 H = C + ── + B × υ
         υ

        A
4 H = B + ── + C × υ
         υ

        B
5 H = C + ── + A × υ
         υ


問19  X線スペクトルに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 連続X線の短波長端は、X線管の使用電圧を上げると短波長側へ移動する。
2 連続X線の最大強度は、短波長端の波長の約 1.5 倍の波長域に現れる。
3 連続X線と特性X線の波長は、管電流を変えると変化する。
4 連続X線の強度は、対陰極元素の原子番号が大きいほど強くなる。
5 特性X線の強度は、管電流にほぼ比例する。


問20  放射能 3.0 × 103 Bq の半減期 8.0 時間の放射性核種が含まれている試料の 24 時間後の放射能として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
1 3.0 × 103 Bq
2 1.5 × 103 Bq
3 1.0 × 103 Bq
4 7.5 × 102 Bq
5 3.8 × 102 Bq


(終り)


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