作業環境測定士試験 (金属類)

(平成16年2月 実施分)

問1  金属の化学的性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 カドミウムは、水酸化ナトリウム溶液に溶ける。
2 マンガンは、塩酸に溶ける。
3 バナジウムは、フッ化水素酸に溶ける。
4 水銀は、王水に溶ける。
5 亜鉛は、塩酸に溶ける。


問2  元素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ベリリウムは軽金属元素である。
2 クロムは典型元素である。
3 鉛は両性金属である。
4 バナジウムは遷移元素である。
5 カドミウムは水銀と同族元素である。


問3  マンガンおよびその化合物の性質に関する次の記述のうち、誤っているもの
はどれか。

1 金属マンガンは、硬くてもろい金属である。
2 マンガンは、錯体をつくりやすい。
3 過マンガン酸イオンを酸性水溶液中で還元すると酸化マンガン(W)とな
 る。
4 過マンガン酸イオン中のマンガンの酸化数は+7である。
5 過マンガン酸カリウムは強い酸化剤である。


問4  金属の化合物の性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 塩化水銀(U)は水に溶ける。
2 二クロム酸カリウムは水に溶ける。
3 塩化カドミウムは水に溶けない。
4 硝酸鉛は水に溶ける。
5 無水硫酸ベリリウムは水に溶けない。


問5  金属の分析に用いられる次の試薬Aとその化学式Bの組合せのうち、化学式
が誤っているものは下のうちどれか。

     A              B
1 二クロム酸カリウム       K2Cr2O7
2 リン酸             H3PO4
3 亜硝酸ナトリウム        NaNO2
4 臭素酸カリウム         KBrO2
5 塩化ヒドロキシルアンモニウム  NH3OHCl
  (塩酸ヒドロキシルアミン)


問6  吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 吸光度の測定は、測定の相対誤差の少ない透過率 30〜70% で行うのが望
 ましい。
2 透過率 10% は吸光度 0.1 である。
3 モル吸光係数の大きい発色試薬を用いた方が高感度である。
4 ある特定波長の光を吸収した溶液は、その吸収光の色と補色の関係にある
 色を呈する。
5 モル吸光係数 1.00 × 104 リットル・mol-1・cm-1 を有する発色試薬を用
 い、光路長 1 cm のセルで目的物質の濃度 1.00 × 10-5 mol・リットル-1
 の溶液を測定した場合の吸光度は 0.1 である。


問7  原子吸光分析法における次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 中空陰極放電ランプは、測定対象元素に固有の輝線スペクトルを発する。
2 原子化法としては、フレーム原子化法、電気加熱式原子化法などがある。
3 検量線が直線性を示す吸光度の範囲は、吸光光度分析法に比べて狭い。
4 イオン化エネルギーの低い元素では、イオン化エネルギーの低い他の元素
 が共存すると、イオン化干渉により測定感度が低くなる。
5 測定中の吸光度の時間的変動は、吸光光度分析法に比べて大きい。


問8  電気加熱式原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 繰り返し測定をしたときのばらつきは、フレーム原子化法より少ない。
2 原子化には、グラファイト炉やメタル炉が用いられる。
3 フレーム原子化法より少量の試料で測定できる。
4 グラファイト炉は、試料が浸透しやすく、メモリー効果を起こしやすい。
5 金属の塩化物は一般的に融点が低く、灰化時に揮散しやすい。


問9  フレーム原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 この方法では、フレームが吸収セルの役割を果たす。
2 吸光度は、フレーム中に生成した測定対象元素の基底状態の原子数に比例
 する。
3 試料溶液の粘度は、吸光度に影響を与える。
4 原子化率は、燃料と助燃ガスの種類に影響されない。
5 検量線の傾きは、測定の前後で変化することがある。


問10  蛍光光度分析法によるベリリウムの分析に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれか。

1 試料の採取には、グラスファイバーろ紙を用いる。
2 試料液の調製には、混酸(硝酸・塩酸)を用いる。
3 共存する亜鉛の妨害を抑制するためには、シアン化カリウム溶液を加える。
4 ベリリウムのモリン錯体の蛍光強度は、アルカリ濃度の影響を受ける。
5 塩化スズ(U)溶液は、モリン試薬の酸化を防ぐ作用がある。

問11  金属の定量に用いられる試薬に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

1 pH指示薬のメタクレゾールパープルは、アルカリ側では黄色から紫色に変
 色する。
2 EDTAは金属イオンのマスキング剤として用いられ、そのマスキング効
 果はpHの影響を受ける。
3 ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)は、金属イオン
 とのキレート試薬として用いられる。
4 酸化剤であるクロム酸カリウムのクロムの酸化数は+6である。 
5 酢酸−酢酸ナトリウム緩衝溶液の緩衝能は、両者の濃度比に無関係である。


問12  次の化合物のうち、純水に溶けて、酸性を示すものはどれか。

1 NH4Cl
2 Na2CO3
3 NaClO4
4 CH3COONa
5 KCN


問13  環境空気中の五酸化バナジウムの吸光光度分析法に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか。

1 試料採取には、メンブランフィルターを用いる。
2 標準液は、メタバナジン酸アンモニウムで調製する。
3 試料は、硫酸および過酸化水素水で湿式灰化する。
4 抽出試薬のN−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミンは、クロロ
 ホルム・エタノール混液に溶かす。
5 N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミンは、少量のリン酸の共
 存で干渉を受ける。


問14  原子吸光分析法によるカドミウムの分析に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれか。

1 APDCとカドミウムの反応によって生成した錯体のMIBK抽出はpH
 3.5〜4.0 で行う。
2 原子化には、アセチレン−空気フレームを用いる。
3 カドミウムの中空陰極放電ランプでは、共鳴線の自己吸収が起こりにくい。
4 測定には、228.8 nm の共鳴線を用いる。
5 試料液中に多量の塩化ナトリウムが共存すると、分光学的干渉が起こる。


問15  ジフェニルカルバジドを用いるクロム(Y)の吸光光度分析法に関する次の記
述のうち、誤っているものはどれか。

1 ジフェニルカルバジドは、アセトンに溶解して用いる。
2 共存するクロム(V)は、妨害する。
3 クロム(VI)とジフェニルカルバジドの錯体は、赤紫色である。
4 試料溶液中に数百倍程度の鉄(V)が共存していても、ジフェニルカルバジ
 ド添加後、2分以内に測定すればその影響を無視できる。
5 試料溶液の硫酸濃度が 0.025〜0.1 mol・リットル-1 では、発色は安定であ
 る。

問16  マンガンの吸光光度分析法に関する次の記述のイ、ロ、ハの(  )に入る
用語の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。

 「環境空気中のマンガンをグラスファイバーろ紙に捕集し、酸で処理して調
製した試料液を( イ )にして( ロ )と反応させ、( ハ )付近の波長で吸
光度を測定して定量する。」

   イ       ロ          ハ
1 酸性      APDC        610 nm
2 アルカリ性   APDC        450 nm
3 酸性      DDTC        610 nm
4 中性      ホルムアルドキシム   450 nm
5 アルカリ性   ホルムアルドキシム   450 nm


問17  水素化物発生原子吸光分析法による砒素の分析に関する次の記述のうち、誤
っているものはどれか。

1 標準液の調製には三酸化二砒素を用いる。
2 石英繊維ろ紙からの溶出は、硝酸と硫酸の混酸で行う。
3 試料溶液中に硝酸が共存していても、水素化砒素の発生を妨害しない。
4 還元剤として亜鉛末を用いるときは、試料溶液中の砒素はV価の状態でな
 ければならない。
5 原子化は、水素化砒素を水素−アルゴンフレームに導入して行う。


問18  環境空気中の水銀の還元気化原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っ
ているものはどれか。

1 水銀標準液の保存は、ポリエチレンやテフロン製の容器を使用する。
2 固体捕集法では、塩化金酸クロモソルブを用いる。
3 還元剤としてアスコルビン酸を用いる。
4 光源ランプとして低圧水銀灯を用いる。
5 測定後の試料液は、ヨウ素・ヨウ化カリウム溶液中に廃棄する。


問19  環境空気中の鉛の原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているもの
はどれか。

1 ろ紙に捕集した試料を希硝酸に溶解して、試料溶液とする。
2 硫酸イオンの共存は、化学干渉の原因となる。
3 測定には、波長 217.0 nm あるいは 283.3 nm の波長が用いられる。 
4 MIBK抽出試料をフレーム中に噴霧する場合、フレームの燃料は水溶液
 試料の場合より、減少させる。
5 鉛をDDTCキレートとしてMIBK抽出する場合、試料溶液のpH値は
 3.5 付近が適当である。


問20  環境空気中のクロム(Y)を測定するため、精製水 5.0 mリットルを入れたミ
ゼットインピンジャーを通して 3.0 リットル/minの流量で 10分 間捕集した。
pHを調整し、APDC溶液を加えMIBK 5.0 mリットルで抽出後、原子吸光
法で測定した結果、記録紙上に 34 mmのピークを得た。
 また、捕集液のブランクは4mmであった。同一測定 条件で1.0mリットルあ
たり 0.10、0.50、1.0 μg のクロムを含むMIBK溶液を測定したところ、
それぞれ 5、25、 50 mm のピークを得た。
 環境空気中のクロム濃度として、正しい値は次のうち どれか。

1  10 μg/m3
2  20 μg/m3
3  50 μg/m3
4 100 μg/m3
5 200 μg/m3



(終わり)


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