問1 同位元素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 の原子核には、1個の陽子と2個の中性子が含まれる。
2 は、原子番号が8の放射性同位元素である。
3 は、質量数が22の放射性同位元素である。
4 の原子核には、15個の陽子が含まれる。
5 の原子核には、16個の中性子が含まれる。
問2 放射性壊変に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 放射能は、放射性核種の個数と壊変定数との積として表わされる。
2 放射能が1ベクレルの線源は、毎秒1個の放射線を放出する。
3 半減期は、壊変定数に逆比例する。
4 半減期の 10 倍の時間経過により、放射能はおよそ 1/1000 に減衰する。
5 平均寿命は、半減期より長い。
問3
次の記述のイ、ロ、ハの( )に入る用語の組合せとして、正しいものは
下のうちどれか。
「原子核壊変のうち、( イ )では( ロ )のエネルギーが軌道電子に与え
られて、( ハ )が外に放出される。」
イ ロ ハ
1 内部転換 γ線 軌道電子
2 電子捕獲 γ線 制動X線
3 核異性体転移 γ線 制動X線
4 内部転換 X線 軌道電子
5 電子捕獲 X線 軌道電子
問4
次の壊変様式で 30.1 kBq の放射能をもつ放射性核種から毎分放出される、
エネルギーが 0.145 MeV のγ線のおよその数は、下のうちどれか。
ただし、内部転換は無視できるものとする。
1 3.6 × 105 個
2 5.4 × 105 個
3 9.0 × 105 個
4 2.1 × 106 個
5 3.2 × 106 個
問5 次のイからニまでの記述のうち、誤っているもののみの組合せは下のうちど
れか。
イ エネルギーが 5.5 MeV のα線の空気中における飛程は、約4cm である。
ロ β線に対する空気のW値(1イオン対を生成するのに費やされるエネルギ
ー)は約 100 eV である。
ハ デルタ(δ)線は、電離作用をもつ二次電子である。
ニ エネルギーが1MeV のγ線は、水との相互作用では主に光電効果によりエ
ネルギーを失う。
1 イ ハ
2 イ ニ
3 ロ ハ
4 ロ ニ
5 ハ ニ
問6 次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 X線はγ線よりもエネルギーが低い。
2 α粒子は、4He原子核である。
3 特性X線は、軌道電子の転移により生じる。
4 陽電子が消滅すると、エネルギーが約 0.51 MeVの光子が生じる。
5 β線のエネルギースペクトルは、連続スペクトルである。
問7 放射能 100 Bq の標準試料とバックグラウンドを測定して次の結果を得た。
標準試料の計数値 = 3500カウント(測定時間10.0分) バックグラウンド計数
値 = 210カウント(測定時間30.0分)この結果から求めた測定器の計数効率と
して、正しいものは次のうちどれか。
1 54.8%
2 5.72%
3 5.48%
4 2.75%
5 1.82%
問8 γ線スペクトロメータのエネルギー校正用線源として、適当な核種のみの組
合せは次のうちどれか。
1 90Sr 137Cs
2 45Ca 60Co
3 32P 131I
4 57Co 152Eu
5 210Pb 210Po
問9 γ線スペクトロメトリーにより137Cs試料(0.662MeVγ線を放出)の放射能
を測定したところ、ピーク面積は毎秒 40 カウントであった。
この試料の放射能として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、137Csのγ線放出の割合は 84.6%、効率曲線から得られる 0.662
MeVγ線に対するピーク効率は 0.025 とする。
1 1350 Bq
2 1520 Bq
3 1890 Bq
4 2150 Bq
5 2350 Bq
問10 γ線スペクトロメトリーに基づく放射能測定に関する次の記述のうち、誤っ
ているものはどれか。
1 光電ピークの半値幅は、放射能強度と無関係である。
2 光電ピークの分解能は、放射能強度と無関係である。
3 光電ピークの位置は、核種によって決まっている。
4 光電ピークの高さは、放射能強度に比例する。
5 光電ピークの面積は、放射能強度に比例しない。
問11 液体シンチレーション計数器による放射能測定に関する次の記述のうち、誤
っているものはどれか。
1 液体シンチレータに液体試料または固体試料を均一に溶解させて放射能測
定を行う。
2 試料の化学成分の濃度および種類は計数効率に影響する。
3 試料の着色は計数効率を低下させる原因になる。
4 液体シンチレータはPPOなどの蛍光物質の粉末をトルエン等の有機溶媒
に溶解させて調製される。
5 同一試料においては、3Hに対する計数効率は14Cに対するそれよりも高
い。
問12 単一のGM計数管を用いた放射能測定に関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。
1 核種の種類は、アルミニウム吸収板セットを用いて推定することができる。
2 計数効率は、50% を超えることはない。
3 低エネルギーのベータ線に対する計数効率は低い。
4 計数効率は、同一核種またはエネルギーが類似する核種の標準線源を用い
て求める。
5 低レベルの放射能であっても、数え落しの補正を必要とする。
問13 放射性核種Aとその放射能を測定するための放射線検出器Bとの次の組合せ
のうち、不適当なものはどれか。
A B
1 134Cs NaI(Tl)シンチレーション検出器
2 35S ガスフロー計数管
3 85Kr ガス捕集用電離箱
4 90Sr GM計数管
5 14C Si半導体検出器
問14 ガス捕集用電離箱による放射能測定に関する次の記述のうち、誤っているも
のはどれか。
1 電離箱に発生した電離電流は振動容量電位計などで測定する。
2 試料空気に含まれる水分とダストは、電離電流測定の精度に影響する。
3 γ線に対する電離効率は、β線に対するものより高い。
4 電離効率は電離箱の大きさによって変わる。
5 3Hに対する電離効率は、100% に近い。
問15 空気中のトリチウム化水蒸気を液体捕集法により採取し、放射能濃度を求め
る場合、計測する必要のある項目の組合せとして正しいものは次のうちどれか。
1 捕集液の量 試料空気吸引量 トリチウムの捕集率
2 捕集液の量 トリチウムの捕集率 捕集時の相対湿度
3 捕集液の量 捕集時の温度 捕集時の相対湿度
4 試料空気吸引量 トリチウムの捕集率 捕集時の温度
5 試料空気吸引量 捕集時の温度 捕集時の相対湿度
問16 次のイからニまでの環境空気中の放射能濃度の測定のうち、試料採取時の捕
集効率を求めておく必要のないもののみの組合せは下のうちどれか。
イ 直接捕集法による放射性クリプトン濃度の測定
ロ 固体捕集法による放射性水銀蒸気濃度の測定
ハ 冷却凝縮捕集法によるトリチウム化水蒸気濃度の測定
ニ ろ過捕集法による粒径 0.3 μm以下の粒子の放射性セシウム濃度の測定
1 イ ロ
2 イ ハ
3 ロ ハ
4 ロ ニ
5 ハ ニ
問17 環境空気中の放射性希ガス濃度を測定するため、直接捕集法により試料を採
取し 24 時間後にその試料の放射能を測定したところ、4 Bq であった。環境
空気中の放射性希ガスの放射能濃度として、正しい値に最も近いものは次のう
ちどれか。
ただし、採取試料は、0.5 リットル、放射性希ガスの半減期は8時間とする。
1 6 × 10-3 Bq/cm3
2 2 × 10-2 Bq/cm3
3 6 × 10-2 Bq/cm3
4 2 × 10-1 Bq/cm3
5 6 × 10-1 Bq/cm3
問18 環境空気中の放射性物質Aとその捕集材または捕集器具Bとの次の組合せの
うち、誤っているものはどれか。
A B
1 PuO2 ガラス繊維系ろ紙
2 133Xe 水バブラー
3 60Co2O3 セルローズ・ガラス系ろ紙
4 H131IO4 活性炭カートリッジ
5 HTO シリカゲル
問19 環境空気中のトリチウム化水蒸気濃度を測定するため、冷却凝縮捕集法によ
り試料水を採取した。この時の気温は 20 ℃、湿度は 60% である。試料水
0.50 mリットル中のトリチウム放射能は 25 Bq であった。環境空気中のトリチ
ウム化水蒸気濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、20 ℃ における飽和水蒸気密度は 1.7 ×10-5 g/cm3 とする。
1 1.0 × 10-4 Bq/cm3
2 1.9 × 10-4 Bq/cm3
3 5.0 × 10-4 Bq/cm3
4 9.5 × 10-4 Bq/cm3
5 1.9 × 10-3 Bq/cm3
問20 ろ過捕集法による粒子状放射性物質の空気中濃度の測定に関する次のイから
ニまでの記述のうち、正しいもののみの組合せは下のうちどれか。
イ 試料の放射能は、検出器の自然計数を含む計数値から算出する。
ロ ろ紙に多量の塵埃が捕集された試料についてα線を測定するときは、自己
吸収の補正を行う。
ハ 粒径が 3 μm の粒子に対して 95% 以上の捕集効率を有するろ紙を使用
すれば、ろ紙の捕集効率は 100% とみなすことができる。
ニ 粒子状放射性物質を長い配管およびホースで吸引した後にろ紙に捕集する
場合は、濃度を過小評価することがある。
1 イ ロ
2 イ ニ
3 ロ ハ
4 ロ ニ
5 ハ ニ
(終わり)
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