問1 次の有機溶剤の組合せのうち、両者とも水によく溶けるものはどれか。
1 アセトン キシレン
2 クロロホルム メタノール
3 エチルエーテル 二硫化炭素
4 メチルエチルケトン 酢酸メチル
5 スチレン トリクロロエチレン
問2 次の有機溶剤のうち、一定温度における蒸気の拡散速度が最も小さいものはど
れか。
1 四塩化炭素
2 1,2-ジクロロエタン
3 クロロホルム
4 トリクロロエチレン
5 クロロベンゼン
問3 ある有機溶剤を元素分析したところ、次の結果を得た。この有機溶剤は下のう
ちどれか。
元素 C H Cl
質量百分率 24.2% 4.0% 71.7%
1 クロロベンゼン
2 テトラクロロエチレン
3 オルト-ジクロロベンゼン
4 トリクロロエチレン
5 1,2-ジクロロエタン
問4 シリカゲル管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 シリカゲルは、一般に無極性や極性の弱い有機溶剤の蒸気を捕集するのに使
用される。
2 シリカゲルは、100〜110 ℃ 程度で約1時間加熱して活性化する。
3 シリカゲルは、活性炭より質量あたりの比表面積は小さい。
4 シリカゲルからの対象物質の脱着には極性溶媒を用いる。
5 シリカゲル管に有機溶剤蒸気を捕集する場合、一般に 0.1〜1.0リットル/min
の流量で試料空気を吸引する。
問5 捕集袋に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 捕集袋に捕集した有機溶剤蒸気の減衰は、主に吸着や透過が原因である。
2 作業環境測定用として、一般に多用されているものは、ポリエチレン製の捕
集袋である。
3 ダイヤフラムポンプを通して、捕集袋に試料空気を送入して採取することも
ある。
4 試料空気中の水分を除くために無水炭酸カリウム充填管を、捕集袋の入口に
つけることがある。
5 捕集袋に採取した試料空気の保存には、常温で温度変化の少ない暗所を選ぶ
必要がある。
問6 トルエンの固体捕集法に関する次の記述のイからニまでの( )に入る用語
の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
「環境空気中のトルエンを固体捕集法で活性炭に捕集した場合、トルエンは
( イ )物質なので、脱着溶媒には( ロ )物質を用いる。( ハ )物質である
( ニ )を用いると脱着率は低くなる。」
イ ロ ハ ニ
1 極性 極性 無極性 二硫化炭素
2 極性 無極性 極性 メタノール
3 極性 無極性 極性 二硫化炭素
4 無極性 極性 無極性 二硫化炭素
5 無極性 無極性 極性 メタノール
問7 トルエンなどの芳香族炭化水素類の測定に用いられるガス検知管の変色機構と
して、正しいものは次のうちどれか。
1 pHの変化によるpH指示薬の変色
2 6価クロムイオンの還元によるクロムイオンの変色
3 硫酸酸性五酸化二ヨウ素の還元によりヨウ素が遊離することによる変色
4 発煙硫酸で酸化されて重合物が生成することによる変色
5 ヒドラジンとの反応により炭酸ヒドラジンが生成することによる変色
問8 ガスクロマトグラフ分析法において、キャピラリーカラムを用いる場合には、
キャリヤーガス流量Fを直接測ることがむずかしいので、吸着しない適当な物質
を注入して、その保持時間tからFを計算する。このとき用いる式として正しい
ものは、次のうちどれか。
ただし、dはカラム内径、Lはカラムの長さである。
問9 ガスクロマトグラムにおいて、ある成分の保持時間に相当する長さが 7.0 cm、
ピーク幅は 5.0 mm であった。
理論段数に最も近い値は、次のうちどれか。
1 200
2 2000
3 2500
4 3100
5 3600
問10 水素炎イオン化検出器(FID)の脂肪族飽和炭化水素の相対モル感度に関す
る次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 炭素数によらずほぼ一定である。
2 炭素数にほぼ比例する。
3 同じ炭素数の塩素置換体と同じ値になる。
4 同じ炭素数のエーテルより小さい。
5 同じ炭素数のアルコールより小さい。
問11 ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述のイからニまでの( )に入
る数値の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
「カラムの長さが 1/2 倍になると、計算上は、保持容量および理論段数はそ
れぞれ( イ )倍となり、クロマトグラム上の二つのピークの保持時間は、それ
ぞれ 1/2 倍となる。
また、分離度は( ロ )倍、それぞれのピーク幅は ( ハ )倍、ピーク高さ
は( ニ )倍となる。
ただし、カラムの長さ以外の測定条件は同一とする。」
イ ロ ハ ニ
問12 ガスクロマトグラム上のあるピークの保持時間に相当する長さが 7.0 cm、ピ
ーク幅が 4.0 mm であった。このピークについて計算した理論段高さ(単位段
数当たりのカラムの長さ)として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、カラムの長さは 3.0 m である。
1 0.10 mm
2 0.31 mm
3 0.61 mm
4 1.2 mm
5 2.5 mm
問13 ある有機溶剤の蒸気を含む環境空気を体積流量Fでt時間吸引して体積Vの
捕集液中に捕集し、光路長Lのセルで吸光度を測定したところAであった。こ
の有機溶剤の捕集液中におけるモル吸光係数をεとしたとき、環境空気中のこ
の有機溶剤の体積分率を表わす式として正しいものは次のうちどれか。
ただし、捕集効率を 100% として、気体はすべて理想気体の式に従うものと
する。Rは気体定数、Tおよびpは環境空気の熱力学温度(絶対温度)および
圧力である。
1 ARTV/LpFtε
2 ARTFt/LpVε
3 LpVε/ARTFt
4 LpFtε/ARTV
5 LRTε/AVpFt
問14 硫酸ホルマリン試薬を用いた吸光光度分析法で定量するとき、どちらも定量
可能な有機溶剤の組合せは、次のうちどれか。
1 キシレン シクロヘキサン
2 クロロホルム 四塩化炭素
3 トリクロロエチレン トルエン
4 スチレン トルエン
5 アセトン メチルエチルケトン
問15 吸収極大波長のモル吸光係数が 3.5 × 103 である物質 40 mg を 1.0 リッ
トルに完全に溶解した。この溶液を光路長 1.0 cm のセルに入れ、吸収極大波
長の透過率を測定したところ、透過率は 20% であった。この物質の分子量と
して正しい値に最も近いものは、次のうちどれか。
ただし、log102=0.3 とする。
1 160
2 200
3 240
4 280
5 320
問16 吸光光度分析法における分析対象の有機溶剤Aとその発色反応法Bとの組合
せとして、誤っているものは次のうちどれか。
A B
1 キシレン ヒドロキサム酸法
2 メタノール クロモトロープ酸法
3 イソプロピルアルコール ナフチルエチレンジアミン法
4 二硫化炭素 ジエチルアミン銅法
5 メチルエチルケトン 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン法
問17 トルエンを含む試料空気を 0.20 リットル/min の流量で活性炭をつめた捕
集管に 20 分間通じた後、捕集管から活性炭を取り出し、捕集されていたトル
エンを二硫化炭素 2.0 mリットルで脱着させて試料液とした。この試料液 1.0
μリットルをガスクロマトグラフに導入して分析したところ、トルエン 0.90
μg に相当する値を得た。回収率を 90% とすると、試料空気中のトルエン濃
度(体積分率)に最も近いものは、次のうちどれか。
ただし、トルエンの分子量を 92 とする。
1 30 ppm
2 80 ppm
3 130 ppm
4 180 ppm
5 230 ppm
問18 環境空気中のトルエン濃度を測定したところ、27 ℃、101 kPa で、276 mg/
m3 であった。トルエンの空気中濃度(体積分率)の値として、最も近いもの
は次のうちどれか。
ただし、トルエンの分子量を 92、気体定数を 0.082リットル・atm・K-1・mol-1
とする。
1 25 ppm
2 50 ppm
3 75 ppm
4 100 ppm
5 125 ppm
問19 メチルエチルケトンの標準ガスをつくるため、標準ガス発生管にメチルエチ
ルケトン(液体)を 2.0 μリットル 入れ、標準ガス発生管の底部を約 40 ℃
に加温しながら、流量 1.0 リットル/min のポンプを用いて 54 分間清浄空気
を送り、希釈袋に集めた。希釈袋中のメチルエチルケトンの空気中濃度(体積
分率)の値に最も近いものは、次のうちどれか。
ただし、メチルエチルケトン(液体)の密度を 0.80g・cm-3、分子量を 72 と
し、希釈に用いた清浄空気の温度は 25 ℃ とする。希釈袋内の濃度減衰はない
ものとする。
1 5 ppm
2 10 ppm
3 15 ppm
4 20 ppm
5 30 ppm
問20 二硫化炭素 50 mリットル中にクロロホルム 400 μリットルを含む標準液が
ある。この標準液 6.0 μリットル をマイクロシリンジで採取し、温度 25 ℃
の清浄空気の入っている 1.0 リットルの真空捕集びんに完全に蒸発させた場
合、真空捕集びん中のクロロホルム濃度(体積分率)として、正しい値に最も
近いものは、次のうちどれか。
ただし、クロロホルム(液体)の密度を 1.5 g・cm-3、分子量を 119 とする。
1 5 ppm
2 10 ppm
3 15 ppm
4 20 ppm
5 25 ppm
(終り)
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