作業環境測定士試験 (デザイン・サンプリング)

(平成15年8月 実施分)

問1  作業環境測定における測定対象となっているものは、次のうちどれか。

1 有機溶剤の蒸発速度
2 混合有機溶剤の有害性
3 特定化学物質の個人曝露濃度
4 陶土粉じんの質量濃度の分布
5 鉛ヒュームの粒径分布


問2  次の記述の(  )に入る語句として最も適当なものは、下のうちどれか。
                  
 「変動のある現象を解析する際に、全体を構成している集団をいくつかの級
にわけ、級間の変動は大きく、級内の変動をなるべく小さくするようにするこ
とを統計用語で層別化と呼んでいる。作業環境測定における(  )の決定に
はこの考え方が用いられている。」

1 単位作業場所
2 測定点の位置
3 サンプリングを行う時間帯
4 サンプリング時間
5 サンプリング方法


問3  作業環境測定等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 中央管理方式の空気調和が行われている事務室へ供給される空気中の粉じ
 ん濃度は、0.15 mg/m3以下に管理することと定められている。
2 トルエンとキシレンを含む混合有機溶剤を取り扱っている単位作業場所の
 トルエン濃度を、トルエン用検知管で測定すると、濃度を高く評価してしま
 う。
3 鋳物工場の型ばらし作業が行われている単位作業場所で採取した粉じん中
 の遊離けい酸含有率は、X線回折法で求めることができる。
4 クロム鍍金作業が行われている単位作業場所での硫酸ミストの質量濃度
 は、光散乱式の相対濃度計で測定することができる。
5 著しい騒音を発生する屋内作業場における単位作業場所は、労働者の行動
 範囲で、おおむね等価騒音レベルが 80 dB(LAeq)以上の範囲を設定する。


問4  単位作業場所の設定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 作業環境管理の適否を判断するのに、最も都合がよいように設定する。
2 有害物質の発生源の数および労働者の数を考慮して、単位作業場所の範囲
 を設定する。
3 労働者の作業中の行動範囲や対象物質の拡散の予想範囲等を考慮して設定
 する。
4 有害物質の濃度が、常に、高かったり、低かったりすることが予測される
 場所は、それぞれを別の単位作業場所とする。
5 有害物質の発散状況が時間帯によって変わることが明らかな場合、それぞ
 れの時間帯ごとに単位作業場所を設定する。


問5  有害物質のA測定における測定点の位置または数の決め方に関する次の記述
のうち、誤っているものはどれか。

1 測定点の高さは、床上 50 cm 以上 150 cm 以下とする。
2 測定点は、前回行われた測定における測定点と、必ずしも同じでなくても
 よい。
3 測定点と測定点の間隔は、6 m 以下の等間隔であれば、縦方向と横方向
 とで異なっていてもよい。
4 有害物質の濃度が著しく低く、かつほぼ均一と考えられる場合は、測定点
 の数を 5 以下としてもよい。
5 一つの測定点で、繰り返し測定を行う場合の時間の間隔は、等間隔抽出の
 原則にしたがって決める。


問6  B測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 有害物質の発生が間歇的に起こる単位作業場所では、B測定が必要である。
2 B測定のサンプリングには、A測定と同じ方法を用いる。
3 B測定の測定点は、対象有害物質の発散源ごとに選ばなければならない。
4 検知管を用いる場合のB測定値は、10 分間を均等な間隔で測定した測定値
 の平均濃度とする。
5 B測定を複数回実施した場合は、そのうちの最大値をB測定値とする。


問7  有害物質の物性等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 メッキ槽から発生した硫酸ミストのpH値は、メッキ槽内の硫酸混合液のそ
 れよりも大きい。
2 昇華性を有する化学物質は、環境空気中に気体および粒子の状態で共存す
 ることがある。
3 有機溶剤の蒸気は、密度が空気より大きいため、室内では床上に滞留しや
 すい。
4 環境空気中に浮遊している粒子の化学組成は、粒子の発生の際の諸条件に
 より、元の物質のものと異なることがある。
5 金属鉛は、環境空気中では蒸気として存在することはほとんどなく、粒子
 状物質として存在する。


問8  有害物質の物性等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 水が入っている槽の中の水銀は水の層を通って空気中に拡散する。
2 放射性沃素は、揮発性で空気中にガス状物質として浮遊する。
3 溶接作業で発生する金属ヒュームの二次粒子は、濃度が高いほど幾何学的
 粒径が大きくなりやすい。
4 ベンゼンとシクロヘキサンは、いずれも極性物質ではない。
5 三酸化クロムの水に対する溶解度は、三酸化二クロムのそれとほぼ同じで
 ある。


問9  環境空気中の有害物質Aと、その濃度を測定するための分析法Bとの次の組
合せのうち、不適当なものはどれか。

    A          B
1 水銀         原子吸光分析法
2 コールタール    重量分析法
3 シアン化カリウム  吸光光度分析法
4 アクリルアミド   ガスクロマトグラフ分析法
5 酢酸ブチル      原子吸光分析法


問10  環境空気中の試料採取用サンプラーに関する次の記述のうち、誤っているも
のはどれか。

1 メチルエチルケトンは、ガラス製真空捕集びんに採取すると、内壁に吸着
 して濃度が減少する。
2 シリカゲルはメタノールのような極性物質の捕集に適している。
3 粉じんの質量濃度測定には、ろ過材としてセルローズ繊維ろ紙が用いられ
 ている。
4 シアン化ナトリウムのミストの捕集には、ミゼットインピンジャーを用い、
 3 リットル/min 前後で吸引する。
5 バブラーによる捕集では、吸引流量を少なくして気泡を小さくするのがよ
 い。

問11  有害物質の固体捕集法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 水銀の捕集には金ウールが用いられる。
2 活性炭は極性のある有機溶剤の蒸気に対する吸着力が大きい。
3 ノルマルヘキサンの捕集には、通常、活性炭管が用いられている。
4 活性炭に捕集された有機溶剤は、溶媒または加熱により脱着し、ガスクロ
 マトグラフによって分析することができる。
5 シリカゲルに捕集された有機溶剤の脱着には、極性のある溶媒が適してい
 る。


問12  測定対象物質A、それを捕集するのに使用するサンプラーBおよびその適正
吸引流量Cとの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

     A         B          C
1 カーボンブラック  多段型分粒装置付      3 〜 5 リットル/min
            ローボリウムサンプラー
2 鉛ヒューム     ローボリウムサンプラー  20 〜 30 リットル/min
3 コールタール    ハイボリウムサンプラー  0.5 〜 1 m3/min
4 アセトン       シリカゲル管        0.1 〜 1 リットル/min
5 ベンゼン      活性炭管         0.1 〜 1 リットル/min


問13  光散乱方式の相対濃度計に関する次の記述のうち、誤っているものどれか。

1 光源には、白色ランプあるいは半導体レーザが用いられている。
2 相対濃度計には、通常、標準散乱板が内臓されている。
3 散乱光検出部を通過する被検空気の速度と相対濃度計の指示値は比例す
 る。
4 粒子の組成と粒径が一定であれば、相対濃度の値は、質量濃度に比例す
 る。
5 相対濃度計の標準粒子に対する感度は、1 cpm あたり 0.01 mg/m3 あ
 るいは 0.001 mg/m3 に設定されている。


問14  検知管に関する次のイからニまでの記述のうち、誤っているもののみの組合
せは下のうちどれか。

イ 検知試薬は測定対象物質との反応速度が遅いことが必要である。
ロ 試料空気は一定時間内に一定量を吸引する必要がある。
ハ 一定量の試料空気を吸引した際に現われる変色層の長さは、ガス濃度に正
 比例する。
ニ 通気速度によって変色層の長さが変わることがある。

1 イ  ロ
2 イ  ハ
3 ロ  ハ
4 ロ  ニ
5 ハ  ニ


問15  環境空気中の放射性物質とその捕集方法に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれか。

1 プルトニウムは、ろ過捕集法で採取する。
2 放射性クリプトンは、直接捕集法で採取する。
3 放射性水銀は、固体捕集法で採取する。
4 放射性炭素を成分とする二酸化炭素は、ろ過捕集法で採取する。
5 水蒸気状トリチウムは、冷却凝縮捕集法で採取する。


問16  環境空気中の放射性物質を捕集材を用いて採取し、その試料の放射能を測定
したところ、12 Bq であった。
環境中における放射性物質の放射能濃度として、正しい値に最も近いものは次
のうちどれか。
 ただし、試料空気の吸引流量は 50 リットル/min、試料採取時間は 3 時間、
捕集材の捕集効率は 100% とする。

1  8 × 10-7 Bq/cm3
2  1 × 10-6 Bq/cm3
3  8 × 10-6 Bq/cm3
4  1 × 10-5 Bq/cm3
5  8 × 10-5 Bq/cm3


問17  環境空気中(25℃、1気圧)のモル質量 123 g/mol の有害物質を捕集液量
10 mリットルに捕集し、そのうちの 5 mリットルを分析に供し、最終液量を
10 mリットルとして分析した。この分析方法での定量下限濃度が 0.25 μg/m
リットルであったとすると、空気中の濃度を 0.1 ppm まで測定するための最
少試料採取空気量として最も近いものは、次のうちどれか。
 ただし、捕集率は 100% とする。

1  1 リットル
2  5 リットル
3  10 リットル
4  25 リットル
5 100 リットル


問18  1日測定の結果、A測定の幾何平均濃度(M1)10 ppm、幾何標準偏差(σ
1)2.0 を得た。この結果から計算された第1評価値(EA1)、第2評価値
(EA2)の対数として示された数値の組合せのうち、適当なものはどれか。
 ただし、EA1、EA2はそれぞれ

により計算されるものとし、log2=0.301 とする。

   logEA1  logEA2
1   2.20    1.48
2   2.20    1.44
3   1.84    1.20
4   1.69    1.44
5   1.69    1.20


問19  環境空気中の有害物質濃度の測定に関する次の記述のうち、誤っているもの
はどれか。

1 多段型分粒装置を用いて鉱物性粉じん濃度を測定する場合、吸引流速が所
 定の値より大きいと測定値は高くなる。
2 慣性衝突型の分粒装置を用いて鉱物性粉じん濃度を測定する場合、吸引流
 速が所定の値より大きいと測定値は低くなる。
3 テドラーバッグに捕集した有機溶剤の濃度を求める場合、サンプリングか
 ら分析までの時間が長いほど濃度は低くなる。
4 ミゼットインピンジャーにより蒸気状有害物質を捕集する場合、ノズルを
 通過する流速が遅いほど捕集率は低くなる。
5 バブラーを用いて酸性ガスを捕集する場合、気泡が大きいほど捕集率は低
 くなる。


問20  作業環境測定結果の評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 A測定のすべての測定値が管理濃度を超えている場合には、管理区分は必
 ず第3管理区分となる。
2 B測定の測定値が管理濃度を超えている場合には、管理区分は必ず第3管
 理区分となる。
3 A測定の測定値の幾何平均値が管理濃度より小さくても第3管理区分とな
 ることがある。
4 作業環境管理が適切に行われている単位作業場所では、環境空気中の有害
 物質濃度は低く、かつ濃度の変動も小さい。
5 有害物質の発生が間歇的である単位作業場所では、B測定の結果によって
 は、A測定の第1評価値が管理濃度より低くても、第1管理区分になるとは
 限らない。


(終わり)


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