作業環境測定士試験 (特定化学物質等)

(平成14年7月〜平成14年12月 実施分)

問1  吸光光度分析法で用いられる分光光度計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 重水素ランプでは波長およそ 200 〜 370 nm、タングステンランプではおよ
 そ 340 〜 1000 nm の連続光が得られる。
2 モノクロメータは、試料セル挿入部と検出部との間に置かれる。
3 モノクロメータ内の波長分散素子としては、プリズムやグレーティングが用
 いられる。
4 検出部としては、光電子増倍管、光電管などが用いられる。
5 光電子増倍管の出力電気信号の大きさは、動作電圧に強く依存する。


問2  吸光光度分析法による環境空気中のペンタクロルフェノールの濃度測定に関する次の記述の イ から ハ までの(  )に入る用語の組合せとして、正しいも
のは下のうちどれか。

 「ペンタクロルフェノールを( イ )に捕集し、空気中の二酸化炭素(炭酸ガ
ス)により捕集液を中和したのち ( ロ ) を加えて反応させる。生成した ( ハ )
をキシレンで抽出し、 575 nm 付近の波長で吸光度を測定して定量する。」

    イ        ロ        ハ 
1 水酸化ナト    4−アミノアン   アゾ化合物   
  リウム溶液     チピリン
2 アンモニア水   4−アミノジエ   メチレンブルー
           チルアニリン
3 精 製 水    ナフトキノン   黄色色素 
           スルホン酸
4 アンモニア水   亜硝酸ナト     ジアゾニウム塩
           リウム
5 水酸化ナト    クロラミンT   黄色酸化物
  リウム溶液


問3  互いに反応しない化合物AとBとを等モル含む溶液を調製し、ある波長における吸光度を測定したところ、測定値は 0.29 であった。その波長における化合物
AとBのモル吸光係数がそれぞれ 1.64 ×104 リットル・mol-1・cm-1および 2.46
×104 リットル・mol-1・cm-1 であるとすると、この混合溶液中の化合物Aのモル
濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
 ただし、セルの厚さは 1.0 cm とする。

1 4 × 10-6 mol/リットル
2 5 × 10-6 mol/リットル
3 6 × 10-6 mol/リットル
4 7 × 10-6 mol/リットル
5 8 × 10-6 mol/リットル


問4  環境空気中のシアン化水素の濃度を測定するため、ミゼットインピンジャーに吸収液 10 ミリリットルを入れ、0.50 リットル/min の流量で 12 分間試料空気
を吸引して試料液を得た。この試料液の 2.0 ミリリットルをとって定量操作を
行い、最終液量を 10 ミリリットルとして吸光度測定を行った結果、最終液中の
濃度は 2.55 × 10-5mol/リットルであった。この場合、シアン化水素の環境空
気中濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
 ただし、試料捕集時に吸収液の損失はなく、かつ、捕集率は 100% であった
とする。

1  1 ppm
2  2 ppm
3  3 ppm
4   4 ppm
5   5 ppm


問5  ベンゼンを含む試料空気を、ガスクロマトグラフに導入し定温で分析したところ、次の図のようなクロマトグラムが得られた。ベンゼンに対するこのカラムの
理論段数の計算値として、正しいものは下のうちどれか。

1   1369
2   5184
3   5625
4   5929
5  22500

問6  ガスクロマトグラフ分析法による定量分析に用いられる検量法に関する次の記述の イ、ロ の (   ) に入る用語の組合せとして、正しいものは下のうち
どれか。

 「 ( イ )では定量値がガスクロマトグラフへの試料導入量の誤差によって
影響を受けるが、( ロ ) ではほとんど影響を受けない。」

    イ       ロ
1 絶対検量線法  標準添加法
2 標準添加法   内部標準法
3 標準添加法   絶対検量線法
4 内部標準法   標準添加法
5 内部標準法   絶対検量線法


問7  ガスクロマトグラフ分析法に用いるカラム充てん剤の固定相液体に関する次の イ から ニ までの記述のうち、誤っているもののみの組合せは下のうちどれか。

イ 固定相液体の粘度が大きいと、分配平衡に達するまでに時間を要し、正常
 なクロマトグラムが得られない。
ロ 固定相液体は、使用温度で熱的に安定であり、かつ蒸気圧が高いものが望
 ましい。
ハ 固定相液体に無極性液体を用いると、同族の無極性化合物の場合、一般に
 蒸気圧の低いものほど、保持時間が長くなる。
ニ 極性化合物を分析する場合、使用する固定相液体の極性が大きいほど、保
 持時間が短くなる。

1 イ ロ 
2 イ ハ 
3 ロ ハ 
4 ロ ニ 
5 ハ ニ


問8  試料溶液中のベンゼン濃度の測定をガスクロマトグラフ分析法で行い、ベンゼンのピーク面積 25000 を得た。この溶液と濃度 10.0μg/ミリリットルの標
準溶液とを等量混合し、同様に分析したところベンゼンのピーク面積は 30000
であった。試料溶液中のベンゼン濃度に最も近い値は次のうちどれか。

1   6.3 μg/ミリリットル
2   7.1 μg/ミリリットル
3   8.3 μg/ミリリットル
4  25  μg/ミリリットル
5  50  μg/ミリリットル


問9  エチレンイミンの高速液体クロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか。

1 標準液は、測定のつど調製しなければならない。
2 吸収液による捕集は、冷却して行う。
3 抽出はアセトンで行う。
4 溶離液にはヘキサン/クロロホルム/2-プロパノール混液を用いられる。
5 カラムには、シリカ-DIOL系充てん剤が用いられる。


問10  環境空気中のトリレンジイソシアネート(TDI)の濃度を測定するため、
2.0リットル/minで 20分間試料空気を2-PP含浸ろ紙に通気し、得られたTDI
誘導体を抽出液 4.0ミリリットルで抽出して試料液とした。試料液を高速液体
クロマトグラフで分析した結果、そのピーク面積から換算して得られた試料液
中のTDI濃度は 0.358μg/ミリリットルであった。環境空気中TDIの濃度
(体積分率)として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
 ただし、TDIのモル質量は 174.1 g/mol とする。

1   5 ppb
2  10 ppb
3  20 ppb
4  30 ppb
5  40 ppb


問11  環境空気中のコールタール濃度を測定するため、試料空気を流量 0.50 m3/min で 40 分間グラスファイバーろ紙に吸引した。このろ紙をメチルエチルケ
トンで抽出し、100 ミリリットルの溶液を得、そのうち 50 ミリリットルを濃
縮した後、乾燥用容器に入れ、80 ℃ 以下の加熱でメチルエチルケトンを完全
に除去し、残渣を秤量したところ 2.14 mg であった。次にグラスファイバー
ろ紙のみをメチルエチルケトンで抽出し全量を同様に処理し残渣を秤量したと
ころ 0.50 mg であった。環境空気中のコールタール濃度として、正しい値に
最も近いものは次のうちどれか。

1  0.13 mg/m3 
2  0.15 mg/m3
3  0.17 mg/m3
4  0.19 mg/m3
5  0.21 mg/m3


問12  イオンクロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

1 HPLC法の一種で試料の分離にイオン交換反応を利用する。
2 陰イオン分析では移動相に弱酸の塩の水溶液を用いる。
3 試料中のイオンの価数が高いほど保持時間が長くなる。
4 検出器として、電気伝導度検出器が用いられる。
5 1価より多価イオンのほうがイオン交換基と反応しにくい。


問13  拡散管を恒温槽内で一定温度に保ち、一定流量の希釈空気を送りベンゼンの標準ガス気流を調製した。恒温槽の温度が 25 ℃ 、希釈空気流量が 1.2 リッ
トル/min 、ベンゼンの拡散速度が 80 μg/min であった。ベンゼン濃度の値
として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、ベンゼンの分子
量は 78 とする。

1   2.0 ppm
2   5.0 ppm
3  20  ppm
4  50  ppm
5  200  ppm


問14  化学物質の物性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 臭化メチルは、融点が沃化メチルより低い。
2 シアン化水素は、沸点が硫化水素より高い。
3 ニトログリコールは、常温では密度が水より大きい。
4 塩化ビニルは、常温で水によく溶ける。
5 エチレンイミンは、常温では蒸気圧が水より高い。


問15  有機化合物の官能基の名称 A とそれを表す式 B との次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

    A          B  
1 アミノ基       −NH2
2 アミド基       −CONH2
3 カルボニル基     −C−
               ‖
              O
4 イソシアネート基   −NCO
5 ニトロ基       −NO


問16  塩素 100 ppm を含む空気A、塩化ビニル 200 ppm を含む空気Bおよび弗化水素 300 ppm を含む空気Cがある。温度 25 ℃ で一定圧力におけるこれらの空気の密度の大きさの順序として、正しいものは次のうちどれか。
 ただし、塩素、塩化ビニルおよび弗化水素の分子量は、それぞれ 71 、62.5
および 20 とする。

1 A<B<C
2 B<A<C
3 C<A<B
4 B<C<A
5 C<B<A


問17  有害物質の分析に用いられる標準原液として、分析のつど調製する必要のあるものは、次のうちどれか。

1 パラ-ニトロクロルベンゼン-エタノール溶液
2 ペンタクロルフェノール水溶液
3 フッ化ナトリウム水溶液
4 クロロメチルメチルエーテル-アセトン溶液
5 シアン化カリウム水溶液


問18  測定対象物質 A と、その標準液の調製に用いられる溶媒 B との次の組合せのうち、不適当なものはどれか。
 
     A              B
1 ベータ-プロピオラクトン     精製水
2 アクリルアミド          メタノール
3 シアン化カリウム         水酸化ナトリウム溶液
4 パラ-ニトロクロルベンゼン    エタノール
5 ニトログリコール         精製水


問19  環境空気中の次の分析対象物質のうち、その液体捕集法が化学反応によらないものはどれか。

1 パラ-ニトロクロルベンゼン
2 硫酸ジメチル
3 アルキル水銀
4 塩 素
5 ニッケルカルボニル


問20  次の測定対象物質のうち、ろ過捕集法による捕集が不適当なものはどれか。

1 オーラミン
2 オルト-フタロジニトリル
3 3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン
4 ニッケルカルボニル
5 パラ-ジメチルアミノアゾベンゼン



(終わり)


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