作業環境測定士試験 (労働衛生一般)

(平成14年7月〜平成14年12月 実施分)

問1  化学物質による健康影響等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 健康障害の発現には、環境空気中の化学物質の量のほか、作業条件も関係
 する。
2 健康障害の程度は、作用部位の化学物質の量に依存する。
3 体内蓄積性は、生物学的半減期で判定でき、半減期が長いほど蓄積性は高
 い。
4 急性毒性の強さは、50% 致死量(LD50)または 50% 致死濃度(LC50)と
 して示される。
5 変異原性や発がん性の有無は、催奇形性試験で検査することができる。


問2  有害物質の摂取、吸収、代謝および排泄に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれか。

1 二酸化窒素は、水に難溶性のため、気道の深部まで入り、肺水腫を起こし
 やすい。
2 血液中の有害物質の量を測定すれば、体内の全蓄積量を知ることができ
 る。
3 脂溶性の有害物質の皮膚からの吸収率は、水溶性のそれよりも高い。
4 脂溶性の有害物質は、皮膚や腸管から吸収されやすく、脳にも移行しやす
 い。
5 脂溶性の有害物質は、肝臓で代謝され、その代謝物は抱合反応で水溶性と
 なり、腎臓から排泄される。


問3  次の有害物質のうち、血液障害を起こすものはどれか。

1 アニリン
2 ス チ レ ン
3 ノルマルヘキサン
4 トリクロルエチレン
5 酢酸メチル


問4  有害物質の健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 オルト−フタロジニトリルは、呼吸器や皮膚から吸収され、激しいてんか
 ん様発作を起こす。
2 一酸化炭素は、赤血球のヘモグロビンと結合することにより、その酸素運
 搬作用を妨害し、組織の酸素欠乏を起こす。
3 シアン化合物は、チトクロームオキシダーゼの作用を抑制し、細胞内の酸
 化過程を阻害し、組織の化学的窒息を起こす。
4 鉛の影響のうち、尿中デルタアミノレブリン酸の増加は、末梢神経障害の
 出現より遅れてみられる。
5 エポキシ樹脂硬化剤は、皮膚から吸収され、アレルギー性接触皮膚炎を起
 こす。


問5  粉じんによる健康障害等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 粒径 10 μm 以上の粉じんは、細気管支や肺胞に沈着しない。
2 けい肺は、粉じん中の遊離けい酸含有率が高いほど曝露開始から発症まで
 の期間は短くなる。
3 アルミニウムや炭素の粉じんでもじん肺は起こる。
4 炭酸カルシウムの粉じんは、滑石(タルク)の粉じんよりも有害性が高
 い。
5 息切れや動悸などの症状は、肺の病変が進行してから発現する。

問6  がん原性物質 A とそれによって起こる職業がん B との次の組合せのう
ち、誤っているものはどれか。

    A                B
1 ベンジジン             皮膚がん
2 塩化ビニル            肝血管肉腫
3 ビス(クロロメチル)エーテル   肺 が ん
4 石  綿             中 皮 腫
5 ベンゼン             白 血 病


問7  ガス状有害物質 A とそれによって起こる健康障害 B との次の組合せのう
ち、誤っているものはどれか。

    A        B
1 臭化メチル    神経障害 
2 二酸化硫黄    気道障害
3 硫化水素     酸素欠乏症
4 ホスゲン     肺水腫
5 砒化水素     ヘモグロビン尿


問8  金属またはその化合物 A とそれによって起こる健康障害 B との次の組合
せのうち、誤っているものはどれか。

     A         B
1 酸化ベリリウム    肺肉芽腫  
2 二酸化マンガン    神経障害
3 酸化クロム(Y)   鼻中隔穿孔
4 酸化カドミウム    肺気腫
5 水銀         歯牙酸蝕 


問9  有機溶剤による健康影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 ほとんどすべての有機溶剤には、皮膚や粘膜への刺激性と麻酔作用があ
 る。
2 二硫化炭素は、手足の感覚麻痺、歩行障害などの多発性神経炎を起こす。
3 メタノールは、視神経に障害を起こす。
4 グリコール類は、溶血性貧血を起こす。
5 四塩化炭素は、再生不良性貧血などの造血器障害を起こす。


問10  温熱条件に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 温熱感覚は、気温、湿度、気流、放射(ふく射)熱で影響される。
2 実効温度を求めるには、黒球温度の測定が必要である。
3 高温環境下での労働による体温上昇は、発汗によって調節される。
4 気温が高いときには、湿度が高いほど、蒸発による体熱の放散は少なくな
 る。
5 気温が低いときには、湿度が高いほど、伝導による体熱の放散は多くなる。


問11  騒音と聴力検査に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 等価騒音レベルとは、変動している騒音レベルの平均エネルギーで表した
 騒音レベルである。
2 単位作業場所の中で最も大きい騒音に曝露される場所と時間に、騒音を測
 定する必要がある。
3 聴力検査は、検査音の聴取に影響をおよぼさない静かな場所で行う。
4 一過性聴力閾値上昇とは、高周波音に曝露されたときに起こる聴力低下を
 いう。
5 オージオメータによる選別聴力検査では、 1000Hz と 4000Hz の聴力の
 測定を行う。


問12  振動障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 レイノー現象の発症は、振動曝露量の大きさに依存する。
2 レイノー現象は、振動負荷の頻度を少なくすれば、すぐに発症しなくなる。
3 振動の周波数と加速度は、振動障害の発生に関係する。
4 振動障害に関係する周波数域は、全身振動と局所振動では異なる。
5 レイノー現象の発症は、チェーンソーやさく岩機の取扱業務に従事した労
 働者の一部にみられる。


問13  電磁波または音波 A と、その曝露によって起こる障害 B との次の組合せ
のうち、誤っているものはどれか。

     A           B
1 紫 外 線       角 膜 炎
2 赤 外 線      水晶体混濁
3 可視域レーザー光線   網膜火傷
4 マイクロ波       水晶体混濁
5 超 音 波       眼底出血


問14  電離放射線の被ばくによる健康障害のうち、被ばく線量がどんなに低くて
も、その線量に応じた確率で発生すると考えられているものは次のうちどれか。

1 白 血 病
2 白 内 障
3 不   妊
4 消化管障害
5 骨髄障害


問15  局所排気装置等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 外付け式のフードで吸引される気流の速度は、フードからの距離が大きく
 なると急激に低下する。
2 粉じんの粒径が 10 μm 以下の場合は、重力除じん装置が有効である。
3 外付け式フードの制御風速は、開口面から最も離れた作業位置で測定する。
4 キャノピー型フードは、熱上昇気流がある場合に有効である。
5 有害なガス、蒸気等の発散面が広いために局所排気装置の設置が困難な場
 合には、プッシュプル換気装置が有効な場合が多い。


問16  環境空気中における有害物質 A と常温常圧における状態 B との組合せと
して、誤っているものは次のうちどれか。

    A             B
1 塩   素         ガ ス
2 水   銀         蒸 気
3 塩化水素          蒸 気
4 三酸化砒素         粉じん
5 ペンタクロルフェノール   粉じん


問17  防毒マスクに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 有害物の種類と濃度が不明な場合は、青酸用の防毒マスクを使う。
2 防毒マスクの吸収缶の破過時間は、ガスの濃度に反比例する。
3 一酸化炭素用吸収缶は、一酸化炭素の濃度が低いと触媒作用が緩慢にな
 り、効率が悪い。
4 吸収缶の吸収能力が限度にきているかどうかを、吸収缶の重量変化によっ
 て判断することは適切でない。
5 直結式小型防毒マスクの使用範囲は、環境空気中の対象ガス濃度が、 0.1%
 以下の場合であって非緊急時である。


問18  労働衛生保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 塗布剤(保護クリーム)を塗っていても、強い刺激物質に触れてはいけな
 い。
2 防熱衣は、アルミナイズドクロス製で内側に断熱材をライニングしたもの
 が一般的である。
3 アーク溶接作業で使われる遮光用保護眼鏡は、レーザー光線用保護眼鏡と
 しても使うことができる。
4 JIS規格の第2種の耳栓は、高音域を遮音し、会話域程度の低音域を比
 較的通すものである。
5 労働衛生保護衣類は、有害物質に応じて、その材質を選ぶ必要がある。


問19  管理濃度等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 管理濃度は、作業環境管理の良否を判断する際の管理区分を決定するため
 に用いられている。
2 管理濃度には、生物学的限界値および短時間曝露限界値がある。
3 第1評価値とは、単位作業場所での作業時間中の環境空気中有害物質の濃
 度の実現値のうち、高濃度側から 5%に相当する濃度の推定値である。
4 第2評価値が管理濃度より小さい場合でも、B測定値によっては第3管理
 区分になることがある。
5 鉱物性粉じんの管理濃度は、当該粉じんの遊離けい酸含有率に関係する。


問20  日本産業衛生学会勧告の有害物質の許容濃度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 最大許容濃度(天井値)は、作業時間中のどの時間をとっても曝露濃度が
 その値を超えてはならない濃度である。
2 種類の異なる物質について、許容濃度の高低により有害性の大小を判断し
 てはいけない。
3 許容濃度の基になる曝露濃度の値は、各労働者の個人曝露濃度測定値の幾
 何平均値である。
4 許容濃度以下であっても、人によって有害物質への感受性が異なり、健康
 障害の発生を防止できない場合がある。
5 許容濃度表中で、「皮」の表示がある物質は、経皮的に吸収されやすいこ
 とを示している。




(終わり)


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