作業環境測定士試験 (分析に関する概論)

(平成14年7月〜平成14年12月 実施分)

問1  次の式は誤差を含む測定値の計算を示したものである。右辺の値の表現が不
適当なものは、次のうちどれか。

1 0.235 ÷ 1007 mol−1 = 0.233 mmol
2 0.151 m × 0.050 m × 0.405 m
            = 3.06 × 10-3 m3
3 298.35 − 273.15 = 25.20
4 53.4 g − 0.273 g = 53.1 g
5 126μg ÷ 17 g = 7.4 ppm


問2  ある試料 10.0 m3 中の物質Mを測定したところ、分析器の指示値は 7465
カウントであった。同分析器の物質Mに対する換算係数 6.3×10−3μg/カウ
ントを使い計算すると、濃度は 4.70295 μg/m3 になる。この濃度を有効数
字で正しく表しているものは、次のうちどれか。
 ただし、上記の計算に使われた全ての数値は最後の桁に誤差が含まれてい
るものとする。

1  4.7   μg/m3
2  4.70   μg/m3
3  4.703  μg/m3
4  4.7030 μg/m3
5  4.70295 μg/m3


問3  酸素過剰で 5.00 モルのメタンを燃焼させたとき、発生する二酸化炭素の質
量として、正しいものは次のうちどれか。
 ただし、メタンおよび二酸化炭素のモル質量はそれぞれ 16.0 および 44.0
g・mol−1 とする。

1   16.0 g
2   44.0 g
3   88.0 g
4  220  g
5  440  g


問4  0.200 mol・リットル-1 の塩化カリウム水溶液 50.0 ミリリットル と 0.100
mol・リットル-1 の硫酸カリウム水溶液 100.0 ミリリットルを混合した。この
混合溶液中のカリウムイオン濃度(g・リットル-1)として、正しい値は次のう
ちどれか。
 ただし、カリウムの原子量は 39.1 とする。

1  0.20 g・リットル−1
2  5.21 g・リットル−1
3  7.82 g・リットル−1
4 11.7 g・リットル−1
5 15.6 g・リットル−1


問5  測定対象物質Aの濃度を 0.50 mg/m3 に調製した標準ガスを、市販の活性炭
管に 0.10 リットル/min の流量で 10分間捕集した。活性炭管の前層及び後層
をそれぞれ別のバイアルびんに入れ、各々に二硫化炭素 2.0 ミリリットルを
加え振とうし、1時間経過後、ガスクロマトグラフで分析した結果、上澄み液
の物質Aの濃度は、前層では 0.24μg/ミリリットル 、後層では検出されなか
った。
 この脱着法における、市販の活性炭管からの物質Aの脱着率として、正しい
値は次のうちどれか。

1 0.96
2 0.92
3 0.88
4 0.84
5 0.80

問6  環境空気中から捕集液中に捕集した蒸発しやすい試料を分析するための処理
法として、最も不適当なものは次のうちどれか。

1 pHの調整
2 溶媒抽出
3 沈殿ろ過
4 蒸  留
5 蒸発乾固


問7  ガス検知管の検知剤と測定対象ガスとの反応が酸化還元反応でないものは、
次のうちどれか。

1 硫化水素用検知管の硫酸銅
2 ベンゼン用検知管の五酸化二ヨウ素
3 アセトン用検知管の二クロム酸塩
4 酢酸エチル用検知管の酸化クロム(Y)
5 一酸化炭素用検知管の亜硫酸パラジウムカリウム


問8  有機化合物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 飽和炭化水素を高温で熱分解すると、低分子の飽和炭化水素や不飽和炭化
 水素になる。
2 不飽和炭化水素は酸化されると、アルコールやケトンを生じる。
3 不飽和炭化水素は、付加反応が起こりやすい。
4 アルコールは水酸基の数により、第一アルコール、第二アルコール、第三
 アルコールに分類される。
5 アミンは、酸と反応して塩を生ずる。


問9  高圧ガスの容器とその使用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 高圧ガス容器には、容器重量の表示がある。
2 アセチレンガスの容器は直立に固定して使用する。
3 減圧弁の接続ナットのネジは、可燃ガス用のもののみが左ネジ(逆ネジ)で
 ある。
4 水素ガス用の容器の塗色は赤色である。
5 容器内のガスは、その圧力が大気圧になるまで使い切ってはならない。
               


問10  次のガラス体積計のうち、最も精度の高いものはどれか。
 ただし、最大体積目盛りはいずれも 10 ミリリットルとする。

1 メスフラスコ
2 メスピペット
3 全量ピペット
4 駒込ピペット
5 メスシリンダー


問11  中和滴定における分析対象成分 A と滴定剤 B との次の組合せのうち、不
適当なものはどれか。

    A          B      
1 シ ュ ウ 酸   水酸化ナトリウム
2 炭酸ナトリウム    塩   酸
3  硝   酸     水酸化カリウム
4 アンモニア水     塩   酸
5  硫   酸     水酸化バリウム


問12  塩化鉄(V)を含む試料液 100 ミリリットルに、塩化アンモニウム溶液と
アンモニア水を適当量加えて得られた沈殿をろ別した。この沈殿を充分に加熱
して得られる酸化鉄(Fe2O3)を秤量したところ 14.4 mg であった。試料液
中の塩化鉄の濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
 ただし、鉄および酸素の原子量はそれぞれ 55.9 および 16.0 とする。

1 0.2 × 10-3 mol/リットル
2 0.5 × 10-3 mol/リットル
3 0.9 × 10-3 mol/リットル
4 1.8 × 10-3 mol/リットル
5 2.7 × 10-3 mol/リットル


問13  試料溶液中の吸光物質による光の吸収に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 モル吸光係数は、波長によって異なる。
2 モル吸光係数は、溶液の温度が変化しても変わらない。
3 モル吸光係数は、溶媒の種類を変えると変わることがある。
4 試料溶液を透過した光の強さは、通過する試料の厚さとともに指数関数的
 に減少する。
5 試料溶液を透過した光の強さは、吸光物質の濃度とともに指数関数的に減
 少する。


問14  分光光度計の部品として通常用いられないものは、次のうちどれか。

1 光電子増倍管
2 ゴニオメーター
3 回折格子
4 タングステンランプ
5 重水素ランプ


問15  原子吸光分析法における吸光度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 吸光度は、光源光の強さに無関係である。
2 吸光度は、光源光が通過する吸収層の長さに比例する。
3 吸光度は、吸収層に存在する基底状態の原子の密度に比例する。
4 吸光度は、試料の原子化温度に無関係である。
5 吸光度は、測定元素の励起エネルギーに比例する。

問16  原子吸光分析装置の構成部 A とそれに用いられる機器類 B との次の組合
せのうち、不適切なものはどれか。

   A              B
1 光源部          タングステンランプ
2 原子化部         予混バーナー
3 波長選択部        回折格子
4 測光部          光電子増倍管
5 バックグラウンド補正部  重水素ランプ
      


問17  ガスクロマトグラフ分析に用いられる検出器 A と分析対象物質 B との次
の組合せのうち、その検出器による対象物質の検出がほとんど不可能なものは
どれか。

    A             B
1 熱伝導度検出器     一酸化炭素
2 光イオン化検出器    ベ ン ゼ ン
3 炎光光度検出器     ヘ キ サ ン
4 電子捕獲検出器     クロロホルム
5 水素炎イオン化検出器  シクロヘキサン


問18  ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 カラムの理論段数は、測定対象物質により異なる。
2 カラムの理論段数は、移動相の種類により異なる
3 ピークの半値幅は、カラム長の平方根に比例する。
4 分離度は、移動相の流速によらず一定である。
5 定量分析は、ピークの半値幅が一定である範囲内で行う。


問19  X線管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 X線は金属ターゲット原子の原子核から発生する。
2 X線の強度は使用電圧を上げると増加する。
3 連続X線スペクトルの最短波長は使用電圧を上げると短くなる。
4 X線の強度は管電流に比例する。
5 特性X線の波長は使用電圧の変化に影響されない。


問20  放射能 15.0 Bq の半減期 1.00 時間の放射性核種が含まれている試料の3
時間後の放射能として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。

1  15.0 Bq
2   7.50 Bq
3   5.00 Bq
4   3.75 Bq
5   1.88 Bq

(注)問15については、選択肢の表現が不明確であったため、複数の選択肢
  を正解として採点しました。

(終り)


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