作業環境測定士試験 (金属類)

(平成14年7月〜平成14年12月 実施分)

問1  元素に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。  

1 ベリリウムは軽金属元素である。
2 鉛は典型元素である。
3 バナジウムは遷移元素である。
4 砒素は窒素族元素である。
5 水銀は銀と同族元素である。


問2  マンガンおよびその化合物の性質に関する次の記述のうち、誤っているもの
はどれか。

1 金属マンガンは、硬くてもろい金属である。
2 マンガンは、錯イオンをつくりやすい。
3 酸化マンガン(W) (MnO2)は、過マンガン酸塩の還元によって得られ
 る。
4 過マンガン酸イオン中のマンガンの酸化数は+6である。
5 過マンガン酸カリウムは強い酸化剤である。


問3  金属の分析に用いられる試薬 A とその化学式 B との次の組合せのうち、
化学式が誤っているものはどれか。

     A               B
1 塩化水銀(U)          Hg2Cl2
2 クロム酸カリウム         K2CrO4
3 メタバナジン酸アンモニウム    NH4VO3
4 モリブデン酸アンモニウム     (NH4)MoO4
5 塩酸ヒドロキシルアミン(塩    (NH3OH)Cl
  化ヒドロキシルアンモニウム)


問4  金属の化合物の性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 V2O5は硫酸に溶ける。
2 PbOは熱水に溶ける。
3 K2Cr2O7は水に溶ける。
4 BeSO4は水に溶ける。
5 KMnO4は水に溶ける。


問5  金属の性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 水銀は王水に溶ける。
2 マンガンは塩酸に溶ける。
3 バナジウムはフッ化水素酸に溶ける。
4 カドミウムは希硝酸に溶ける。
5 クロムは濃硝酸に溶ける。

問6  吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 吸光度は、試料溶液の濃度と液層の長さとの積に比例する。
2 発色試薬は、目的成分との選択性が高いものが望ましい。
3 発色試薬のモル吸光係数が大きいほど高感度である。
4 試料溶液を発色させる時に加温した場合、その温度のまま吸光度を測定する。
5 測定波長として吸収極大波長ではなく、試料溶液と対照溶液との吸光度の
 差が最大になる波長を選択することがある。


問7  吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 紫外部の吸収バンドを利用して測定を行う場合には、石英セルを用いる。
2 測定は、吸光度が 0.03 〜 1.0 の範囲で行うことが望ましい。
3 呈色物質の吸収極大波長は、溶媒の種類の影響を受けない。
4 呈色した溶液の吸光度測定の光源には、タングステンランプを用いる。
5 モル吸光係数は、一般に無機試薬による発色より、有機試薬による発色の
 方が大きい。


問8  原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 フレーム原子化法は、試料溶液の粘度の影響を受けやすい。
2 電気加熱式原子化法は、フレーム原子化法に比べて分光干渉を受けやすい。
3 フレーム原子化法より電気加熱式原子化法の方が測定精度は高い。
4 還元気化による原子化法は、セレンの測定に用いられる。
5 金属の塩化物は一般的に融点が低く、電気加熱式原子化法の灰化時に揮散
 しやすい。


問9  原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 フレーム原子化法では、原子化率はフレームの温度によらない。
2 フレーム原子化法では、フレームが吸収セルの役割を果たす。
3 還元気化法は、化学反応を利用する原子化法である。
4 検量線の傾きは、測定の前と後で変化することがある。
5 吸光光度分析法と比較すると、検量線が直線性を有する吸光度範囲は狭い。


問10  原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 イオン化エネルギーの低い元素では、イオン化エネルギーのさらに低い元
 素を加えると感度が増大する。
2 試料溶液に高濃度のハロゲン化アルカリが共存すると、正の誤差が生じる
 ことがある。
3 検量線作成時の標準溶液は、酸の種類や濃度を試料溶液と同じにするのが
 望ましい。
4 光源光の共鳴線の線幅が、測定元素の吸収線の線幅より広い方が高感度で
 ある。
5 中空陰極放電ランプから発せられる共鳴線は、金属元素に固有のものである。

問11  金属の定量に用いられる試薬に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

1 pH指示薬のメタクレゾールパープルは、アルカリ側では黄色から紫色に変
 色する。
2 EDTAは金属イオンのマスキング剤として用いられ、そのマスキング効
 果はpHの影響を受ける。
3 還元剤である塩化スズ(U)は、水銀(U)を還元後塩化スズ(V)となる。
4 酸化剤であるクロム酸カリウムのクロムの酸化数は+6である。 
5 酢酸−酢酸ナトリウム緩衝溶液の緩衝能は、溶液濃度が高いほど大きい。


問12  ベリリウムの吸光光度分析法に関する次の記述の イ、ロ、ハ の(  )に
入る用語の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。

 「環境空気中のベリリウムを( イ )に捕集し、( ロ )で処理して調製し
た試料液を( ハ )にしたのち、ベリロン(V)と反応させて定量する。」

    イ            ロ       ハ 
1 石英繊維ろ紙       混  酸    アルカリ性
2 石英繊維ろ紙       アルカリ    酸   性
3 メンブランフィルター   混  酸    アルカリ性
4 メンブランフィルター   アルカリ    酸   性
5 メンブランフィルター   混  酸    中   性


問13  原子吸光分析法によるカドミウムの分析に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれか。

1 調製した試料液は、測定の際に酸性にする必要がある。
2 原子化には、アセチレン−空気フレームを用いる。
3 カドミウムの中空陰極放電ランプでは、共鳴線の自己吸収が起こりにくい。
4 分析には酸化炎を使用する。
5 試料液中に多量の塩化ナトリウムが共存すると、分光学的干渉が起こる。


問14  ジフェニルカルバジドを用いるクロム(Y)の吸光光度分析法に関する次の記
述のうち、誤っているものはどれか。

1 ジフェニルカルバジドは、黄褐色の粉末である。
2 共存するクロム(V)は、妨害する。
3 クロム(VI)とジフェニルカルバジドの錯体は、赤紫色である。
4 試料溶液中に数百倍程度の鉄(V)が共存していても、ジフェニルカルバ
 ジド添加後、2分以内に測定すればその影響を無視できる。
5 試料溶液の硫酸濃度が 0.025〜0.1 mol・リットル-1 では、発色は安定で
 ある。


問15  マンガンの吸光光度分析法に関する次の記述の イ、ロ、ハ の(  )に入
る用語の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。

 「環境空気中のマンガンをグラスファイバーろ紙に捕集し、( イ )で処理
して調製した試料液を( ロ )にして( ハ )と反応させて定量する。」

   イ      ロ      ハ
1 アルカリ  酸   性   APDC
2   酸    アルカリ性   APDC
3 アルカリ  酸   性   ホルムアルドキシム
4   酸    中   性   ホルムアルドキシム
5   酸    アルカリ性   ホルムアルドキシム

問16  還元気化法による砒素の原子吸光分析に関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。

1 硝酸イオンは、反応液中の砒素の還元を妨害しない。
2 還元剤に亜鉛末を用いる場合は、反応液中の砒素はV価の状態にしなけれ
 ばならない。
3 還元剤に水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合は、反応液中の砒素はV価、
 X価のいずれの状態でもよい。
4 試料の原子化に用いる化学炎は、アルゴン−水素フレームである。
5 化学炎中のNOは、測定の妨害になる。


問17  水銀に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 水銀は、鉄とアマルガムを作らない。
2 水銀の表面を水の厚い層で覆うと、水銀の蒸発を防ぐことができる。
3 環境空気中の水銀の捕集剤として、金ウールを用いることができる。
4 固体捕集法では、捕集剤入りガラス製チューブは直列に2本連結して用いる。
5 水銀標準液は、硬質ガラス製容器に保存しても濃度が変化する。


問18  還元気化法による水銀の原子吸光分析で、試料液中の共存物質が負の干渉を示すものは、次のうちどれか。

1 硫化ナトリウム
2 水酸化ナトリウム
3 L−システイン
4 硫     酸
5 アスコルビン酸


問19  環境空気中の鉛の原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ろ紙に捕集した試料は、酸で処理して試料液とする。
2 水溶液中の鉛をAPDCキレートとしてMIBKに抽出するとき、水溶液
 のpHは7〜8の範囲が適当である。
3 有機溶媒に抽出した鉛キレート化合物の測定は、抽出後1時間以内に行
 う。
4 有機溶媒抽出の場合は、フレームの燃料を水溶液試料の場合より減少させ
 て行う。
5 最も強い吸収を受ける鉛の共鳴線は、 217.0 nmである。


問20  環境空気中のクロム酸鉛(PbCrO4)の濃度を測定するため 30 リットル/
min で 10 分間試料空気を採取した。所定の方法で前処理し、試料液 50 ミリ
リットル を得た。試料液 20 ミリリットルを原子吸光分析法で分析した結果、
鉛は 0.01μmol であった。同様に処理して得たブランク値はゼロであった。
環境空気中のクロム酸鉛濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれ
か。
 ただし、鉛、クロムおよび酸素の原子量はそれぞれ 207、52、16 とする。

1  0.11 mg/m3
2  0.17 mg/m3
3  0.20 mg/m3
4  0.23 mg/m3
5  0.27 mg/m3


(終わり)


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