デリック運転士試験 

(平成14年7月〜平成14年12月 実施分)

問1 (デリックに関する知識)

 デリックの運動及び用語に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

(1)揚程とは、フック、グラブバケット等のつり具を有効に上下することが
  できる上限と下限との間の垂直距離をいう。
(2)作業半径とは、旋回するブームを有するデリックの旋回中心と、フッ
  ク、グラブバケット等のつり具の中心から下ろした鉛直線までの水平距離
  をいう。  
(3)ブームの傾斜角とは、ブームの中心線とマストの中心線とのなす角をい
  う。
(4)旋回とは、デリックのマストとブーム又はブームのみを旋回して、荷の
  位置を円周方向に移動する運動をいう。
(5)ブームの起伏とは、ブームの傾斜角度を変える運動をいう。


問2  マストステップの上部ステップと下部ステップとの接合部が球形の座となっ
ている理由として、正しいものは次のうちどれか。

(1)荷をつったときのマストの傾きを容易にし、この部分に無理がかからな
  いようにするため。
(2)転がり軸受けの使用を省略するため。
(3)マストステップの安定をよくするため。
(4)ブームの起伏を容易にするため。
(5)マストの組立を容易にするため。


問3  スチフレッグデリックについての次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

(1)マストは、2本のステーで支えられている。
(2)旋回角度に限度がある。(通常240°)
(3)マストを支えるためにマスト上部に陣がさを使用している。
(4)ガイデリックより安定度は大きい。
(5)ブームの位置によっては、ステーに引張力や圧縮力がかかる。


問4  みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにする場合、乱巻きになら
ないようにするためのフリートアングルの制限として、正しいものは次のうち
どれか。

(1)6°以下
(2)5°以下
(3)4°以下
(4)3°以下
(5)2°以下


問5  デリック用ウインチに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)ウインチは、単胴式と複胴式がある。
(2)電動機は、台わく後方に取り付けられ、常に一定方向へ回転し、クラッ
  チ及びブレーキの操作によりドラムが駆動される。
(3)ドラムの直径をワイヤロープの直径の20倍以上とするのは、乱巻きを
  防止するためである。
(4)ウインチには、水平力と押上げ力がかかるので、基礎はその荷重に十分
  耐えるようにしなければならない。
(5)旋回運動するデリックには、通常、スインガー付きダブルウインチが使
  用される。

問6  下文中の (  )内に入れる用語として、正しいものは次のうちどれか。
 
 「ブレーキの帯(バンド)は一般に軟鋼製で、その内面にブレーキライニン
グがリベットで止められており、ブレーキを利かせると、帯がブレーキドラム
の外周に強く押しつけられ、これによって生じた (  )によりドラムの回転
を制動する。」

(1)加 速 度
(2)重   力
(3)衝 撃 力
(4)摩擦抵抗
(5)強   さ


問7  デリック用ウインチに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)キーには軸の回転を伝えるためのキーと、軸を固定するためのキープレ
  ートとがある。
(2)転がり軸受は、滑り軸受に比較して抵抗が非常に大きい。
(3)滑り軸受は、一般に割形軸受が多く使用されている。
(4)ボルトの緩み止めの方法として、みぞ付きナットを用いる方法がある。
(5)軸には、回転軸と固定軸とがある。


問8  ワイヤロープに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)フィラ形のワイヤロープは、ストランドを構成する素線の中にフィラ線
  を組み合わせて素線と素線が互いに線状に接触するようにより合わせてあ
  る。
(2)新しいワイヤロープは、製造時に許容差が認められているので、公称径
  より細いものがある。
(3)端末を止める場合、クリップ止めは合金止めに比較して効率は高い。
(4)キンクしても破断荷重は変わらない。
(5)ワイヤロープの太さは、内接円の直径で呼称されている。


問9  デリックの巻上げ用安全装置のリミットスイッチに関する機能として、正し
いものは次のうちどれか。

(1)荷を巻き下ろすとき、速度が速くなり過ぎないように制御する。
(2)大きな電流が流れたとき、自動的に回路を遮断する。
(3)つり上げた荷が降下しないようブレーキをかける。
(4)荷を巻き上げるとき、速度が遅くなり過ぎないように調整する。
(5)ワイヤロープの巻き過ぎを検出し、電磁開閉器を開いたり警報装置を作
  動したりする。   


問10  デリック運転時の留意事項に関するAからEまでの記述のうち、正しいもの
の組合せは(1)〜(5)のうちどれか。

A 運転中に停電したときは、しっかりと歯止め又は止め金を掛け、クラッチ
 を外し、スイッチを切って送電を待つ。
B 荷の斜めづり、横引き作業は周囲に十分注意して行う。
C 荷の巻き上げはゆっくり、巻き下げは速く行う。
D 運転中は点検、給油を行わない。
E 荷の水平移動を行う場合は、荷を一定の高さまで巻き上げてから水平移動
 に移る。
(1)A,B,D
(2)A,C,D
(3)A,C,E
(4)A,D,E
(5)B,C,E

問11 (原動機及び電気に関する知識)

 巻線形三相誘導電動機の回転方向を変える方法として、正しいものは次のう
ちどれか。

(1)一次側の電線接続を2本だけ入れ替える。
(2)単相運転に切り替える。
(3)一次側に抵抗を接続する。
(4)一次側の電線接続を3本とも入れ替える。
(5)二次抵抗を加減して行う。


問12  50Hz用誘導電動機を60Hzで使用するとき、その電動機の回転数は
50Hzのときの何倍になるか。

(1)0.5倍
(2)1.0倍
(3)1.1倍
(4)1.2倍
(5)1.3倍


問13  オームの法則を表す式として、正しいものは次のうちどれか。
 
(1)電圧 = 電流 ÷ 抵抗
(2)抵抗 = 電流 ÷ 電圧
(3)電流 = 電圧 ÷ 抵抗
(4)電流 = 抵抗 × 電圧
(5)抵抗 = 電圧 × 電流


問14  電力量の計算式として、正しいものは次のうちどれか。

(1) 電力量 = 電流 × 抵抗2× 時間 
(2) 電力量 = 電圧 × 抵抗 × 時間
(3) 電力量 = 電圧2× 抵抗 × 時間
(4) 電力量 = 電圧 × 電流 × 抵抗   
(5) 電力量 = 電圧 × 電流 × 時間


問15 電動機の制御機器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)サーマルリレーは、電圧が電動機の定格電圧を超えると、バイメタルが
  わん曲して接点を開き過負荷を検出する。
(2)電磁接触器は、一般に電磁石の吸引力とばねの力で接点を開閉すること
  により、回路を開閉して電動機を始動又は停止させる。
(3)屋外に設置されたデリックの制御機器は、一般に防水形が用いられる。
(4)ヒューズは、これに過電流が流れると溶断して回路を遮断し、電動機を
  保護する。
(5)電磁開閉器は、三相誘導電動機の始動、停止、自動制御及び過負荷によ
  る焼損の保護を目的として用いられる。

問16  電動機の機体を接地する目的として、正しいものは次のうちどれか。

(1)漏電を防止する。
(2)電動機の異常な過電流を大地に流す。
(3)電動機の異常な電圧上昇を防止する。
(4)感電を防止する。
(5)電動機の過熱を防止する。


問17  電気の不導体のみの組合せとして、正しいものは次のうちどれか。

(1) 陶 器       油      ガ ラ ス    人 体
(2) 大 地     空 気     シリコン     銅
(3)ポリエチレン樹脂    ガラス      絹      炭 素
(4) 木 綿      塩 水     シリコン    磁 器
(5) 木 材    塩化ビニール樹脂   雲  母    空 気


問18  電気設備の絶縁抵抗を測定する目的として、正しいものは次のうちどれか。

(1)電気回路の電気抵抗を測定する。
(2)電動機の力率を測定する。
(3)電気回路の断線の有無を知る。
(4)電気設備の漏電による危険の程度をはかる。
(5)電気設備の接地の状況を測定する。


問19 感電に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)電圧が50Vであっても、人体には電流が流れ電撃を感じることがあ
  る。
(2)感電による火傷は、アーク熱による火傷が大部分であり皮膚の深部まで
  及ぶことはない。
(3)電圧が100Vであっても、人体に流れる電流が大きいと死亡すること
  がある。
(4)高電圧の充電部に接触した場合でも、人体に電流が流れない状態のとき
  には感電しない。
(5)感電による被害の程度は、人体に流れる電流の大きさに関係する。


問20  三相誘導電動機の故障とその原因との組合せとして、誤っているものは次の
うちどれか。
 
   [ 故障の状態 ]         [ 原 因 ]
(1)電動機が全然起動しない。………… 停電又は著しい電圧降下
(2)電動機が振動する。………………… 著しい周波数降下
(3)電磁ブレーキがうなる。…………… 締め付けボルトのゆるみ
(4)電動機がうなるだけで起動しない。
             ……………… ブレーキが未解除
(5)電動機が逆回転する。……………… 電源電線の接続誤り


問21 (関 係 法 令)

 下文中の (  ) 内に入れるA,Bの語句の組合せとして、正しいもの(1)
〜(5)のうちどれか。 
    
「定格速度とは、デリックにあっては、 ( A ) 荷重に相当する荷重の荷をつ
って、つり上げ、旋回等の作動を行う場合のそれぞれの ( B ) 速度をいう。」

    A       B
(1)定  格     平  均
(2)つり上げ    最  高
(3)定  格    最  高
(4)つり上げ    平  均
(5)定  格     最  低


問22  つり上げ荷重10tのデリックについて、落成検査時の荷重試験の荷重は次
のうちどれか。

(1)つり上げ荷重の1.25倍に相当する荷重
(2)定格荷重の1.2倍に相当する荷重
(3)定格荷重の1.25倍に相当する荷重
(4)定格荷重に相当する荷重
(5)つり上げ荷重の1.27倍に相当する荷重


問23  デリックの各種検査と、AからCまでの検査実施者との組合せとして、正し
いものは(1)〜(5)のうちどれか。

A 所轄労働基準監督署長
B 厚生労働大臣の指定を受けた者
C デリックを使用する事業者

(1)落成検査     C
(2)変更検査     B
(3)性能検査     A又はB
(4)定期自主検査   A
(5)使用再開検査   B


問24  デリックの巻過防止装置について、フック、グラブバケット等のつり具の上
面又は当該つり具の巻上げ用シーブの上面とブームの先端のシーブその他当該
上面が接触するおそれのある物(ブームを除く。)の下面との間隔として、正
しいものは次のうちどれか。
 ただし、直働式のものを除く。

(1)0.05m以上
(2)0.10m以上
(3)0.15m以上
(4)0.20m以上
(5)0.25m以上


問25  デリックの運転の合図に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものは
どれか。

(1)合図者は、必ずデリックの運転資格がある者であること。
(2)事業者は、一定の合図を定めること。  
(3)運転士は、合図に従うこと。
(4)運転士が単独で作業を行う場合は、合図を必要としないこと。
(5)合図は、事業者から指名された者が行うこと。


問26  デリックについて1月以内ごとに1回、定期に行う自主検査の項目として、
法令に定められていないものは次のうちどれか。

(1)ウインチの据付けの状態
(2)ワイヤロープの損傷の有無
(3)ガイロープを緊結している部分の異常の有無
(4)配線、開閉器及びコントローラーの異常の有無
(5)ワイヤロープが通っている箇所の状態


問27  つり上げ荷重5tのデリックを用いて行う作業に関する次の記述のうち、法
令上、正しいものはどれか。

(1)運転者が必要あると判断した場合は、6.25tまでの荷重をかけるこ
  とができる。
(2)巻き上げ用ワイヤロープの内角側でシーブ等が飛来するおそれのある箇
  所に、関係労働者以外の労働者を立ち入らせてはならない。
(3)1t未満の荷しかつらない場合は、玉掛けに関する特別教育修了者に玉
  掛けさせることができる。
(4)2t未満の荷しかつらない場合は、デリック運転に関する特別教育修了
  者に運転させることができる。
(5)原則としてデリックにより、労働者をつり上げて作業させてはならな
  い。


問28  ガイデリックの部分を変更しようとするとき、所轄労働基準監督署長にデリ
ック変更届を提出する必要のないものは、次のうちどれか。

(1)控え
(2)ブレーキ
(3)つり具
(4)旋回警報装置
(5)巻上げ用ワイヤロープ


問29  クレーン等安全規則上デリックの玉掛用具として、使用してはならないもの
は次のうちどれか。
 
(1)公称径が18oで実際の直径が17.6oに減少したワイヤロープ
(2)安全係数が5.5であるシャックル
(3)リンクの断面の直径の減少が、製造されたときの8%であるつりチェー
  ン
(4)24本線6よりのワイヤロープの素線が1よりの間で20本切断してい
  るもの。
(5)ナイロン製の繊維ロープ


問30  デリック運転士免許を取り消されることがある場合の要件に該当しないもの
は、次のうちどれか。

(1)デリック運転に際し、重大な過失によりデリックの倒壊事故を発生させ
  たとき。
(2)デリック運転士試験の受験に際し、不正があったとき。
(3)免許証を他人に貸与したとき。
(4)免許証を他人に譲渡したとき。
(5)免許証を滅失したあと、再交付を受けなかったとき。



問31  (力学免除者は、次の科目は解答しないで下さい。)

(デリックの運転のために必要な力学に関する知識)

 力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)力を矢印で図示するとき、その線の長さは力の大きさを表す。
(2)力の大きさや向きを変えると、物体に与える効果が変わる。
(3)一つの物体に2つ以上の力が作用したとき、物体は合力の方向に動こう
  とする。
(4)力が物体に作用する位置が変わると、物体に与える効果は変わる。
(5)力の作用点を、その作用線上で動かすと力の効果は変わる。


問32  図の物体の質量のうち最もちかいものは次のうちどれか。(ただし1m3あ
たりの質量は7.8tとする。)


(1)1.0t
(2)2.5t
(3)4.0t
(4)6.0t
(5)7.5t     
       


問33  摩擦力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)すべり摩擦力は、ころがり摩擦力にくらべると非常に大きい。
(2)運動摩擦力は最大静止摩擦力より大きい。
(3)運動摩擦力の大きさは、物体の接触面に作用する垂直力の大きさに比例
  する。
(4)静止摩擦力は物体に力を加えていって物体が動きはじめる直前が最大に
  なる。このときの摩擦力を最大静止摩擦力という。
(5)床面に静止している物体に力を加えなければ、摩擦力は働かない。


問34  図のように質量8tの荷をつり角度90度で4本掛けしてつり上げる場合、
使用できる最小径の玉掛け用ワイヤロープは、次のうちどれか。
 ただし、安全係数は6とする。
     

 ワイヤロープ       破断荷重
 の直径(o)
(1)10      53.9kN{5.50tf}
(2)12      77.6kN{7.92tf}
(3)14     105.8kN{10.80tf}
(4)16     138.2kN{14.10tf}
(5)18     174.4kN{17.80tf}


問35  図のようにO 点に三つの力P1,P2,P3 が作用している場合に、これ
らの合力は次のうちどれか。


(1)OA  
(2)OB
(3)OC
(4)OD
(5)OE

           

問36  モーメントに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)ある回転の軸又は支点について、力とその腕の長さとの和で表される量
  を力のモーメントという。
(2)スパナでナットを締める場合、スパナの柄の端に近い方を持つほど締め
  やすいのは、小さい力でもナットを回転させるために必要なモーメントが
  得られるためである。
(3)てこを使って重量物を動かす場合、てこを握る手の位置が支点から遠く
  なるほど小さな力でよい。
(4)一般にモーメントは、物体を時計方向に回転させようとするものを正
 (+)とし、反対方向に回転させようとするものを負(−)とする。
(5)荷をつったデリックの転倒モーメントが、ブームの傾斜角により変化す
  るのは、つり荷の質量が変わらなくてもブームを倒すことにより腕の長さ
  が大きくなるためである。


問37  図のように、物体の重力の分力のうち、斜面に平行な力が58.8N{6.0
kgf}、斜面に対し直角な力78.4N{8.0kgf}であるとき、物体を斜面に
沿って引き上げるためには質量Mは何kg以上必要か。
 ただし、物体の斜面との接触面における静止摩擦係数は0.5とし、ロープ
の質量及び滑車部分の摩擦係数は考えないものとする。


(1) 6.0kg
(2) 7.0kg
(3) 8.0kg
(4) 9.0kg
(5)10.0kg

  
問38  デリックにかかる主な荷重に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

(1)巻上用ワイヤロープの直線部分にかかる荷重は、引張荷重である。
(2)ウインチの電動機の軸はねじり荷重を受ける。
(3)ドラムに巻かれたワイヤロープが受ける荷重は、せん断荷重である。
(4)スチフレッグデリックのマストが受ける荷重は、圧縮荷重である。
(5)ガイデリックのブームが受ける荷重は圧縮荷重である。


問39  速度90km/h{25m/s}で走る自動車にブレーキをかけたら、10秒後に停
止した。このときの平均の加速度は次のうちのどれか。
 
(1)−2.5m/s2
(2)−3.0m/s2
(3)−3.5m/s2
(4)−4.0m/s2
(5)−4.5m/s2


問40  組合せ滑車を使用して質量90sの荷を図のようにつり上げたとき、これを
支えるために必要な力Fは次のうちどれか。ただし、一つの滑車の質量を10
kgとし、摩擦は考えないものとする。


(1)147N{15kgf}
(2)196N{20kgf}
(3)294N{30kgf}
(4)392N{40kgf}
(5)490N{50kgf}



(終わり)


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