作業環境測定士試験 (有機溶剤)

(平成14年1月〜平成14年6月 実施分)

問1  ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

1 キャリヤーガス流量の大きさは、分離の良否には無関係である。
2 ピーク幅は、保持時間の長い物質ほど広くなる。
3 カラム槽温度は、一般に試料導入部温度より低く設定する。
4 試料は、時間をかけず瞬時に導入する。
5 カラムの長さを長くすると、分離はよくなる。


問2  次の記述のイ、ロの(  )に入る用語の組合せとして、誤っているもの
は、下のうちどれか。
 「シリカゲル管に環境空気中の( イ )を捕集し、( ロ )で脱着し
て最終試料液としたのち、その一定量をガスクロマトグラフに導入して定量
する。」

    イ          ロ
1 テトラヒドロフラン  ジメチルスルホキシド
2 酢酸プロピル     二硫化炭素
3 アセトン       メタノール
4 1,2-ジクロルエタン  アセトン
5 メタノール      精製水


問3  ガスクロマトグラフの温度設定に関する次の記述のイからニの(  )に
入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
「カラム槽温度は分析対象物質の沸点を参照して決められる。カラム槽温度
が低いほど試料成分の( イ )への分配が( ロ )なるので分離は( 
ハ )なるがピークの形状は( ニ )しやすい。」

   イ   ロ   ハ   ニ
1 固定相 大きく  悪く テーリング
2 移動相 大きく  悪く テーリング
3 固定相 大きく  良く テーリング
4 移動相 小さく  良く リーディング
5 固定相 小さく  良く リーディング


問4  水素炎イオン化検出器の検出感度が最も低い有機溶剤は、次のうちどれか。

1 酢酸メチル
2 エチルエーテル
3 クロロホルム
4 メタノール
5 トルエン


問5  ガスクロマトグラフの検出器に関する次のイからニまでの記述のうち、誤
っているもののみの組合せは下のうちどれか。

 イ 電子捕獲型検出器は、検出器内で測定対象物質と電子とが結合して増
  加する電流を検出するものである。
 ロ 水素炎イオン化検出器は、水素炎中で物質が燃焼して生じたイオン電
  流を検出するものである。
 ハ 光イオン化検出器は、電離放射線を照射して物質をイオン化して生じ
  るイオン電流を検出するものである。
 ニ 熱伝導度検出器は、試料気体の種類と量に応じた熱伝導度の差を利用
  したものである。

1 イ ロ
2 イ ハ
3 ロ ハ
4 ロ ニ
5 ハ ニ


問6  アセトンを含む試料空気のガスクロマトグラフ分析を行ったとき、試料導
入時から空気のピークが出るまでの間に流れたキャリヤーガスの体積が 5.0
ミリリットルであった。固定相と移動相との間のアセトンの分配係数を11、カラム
の中の固定相体積を15ミリリットルとすると、アセトンの保持容量として、理論上
正しい値は、次のうちどれか。

1 160 ミリリットル
2 165 ミリリットル
3 170 ミリリットル
4 175 ミリリットル
5 180 ミリリットル


問7  あるガスクロマトグラムにおいて、二成分P、Qの保持時間がそれぞれ、
2分20秒、2分50秒で、ピークのすその幅がどちらも20秒であった。この場
合のP、Qの分離度は次のうちどれか。

1 0.5
2 1.0
3 1.5
4 2.0
5 2.5


問8  固定相液体として、スクアランを用いるガスクロマトグラフで分析したと
ころ、著しいテーリングを示す有機溶剤は、次のうちどれか。

1 1‐ブタノ−ル
2 酢酸エチル
3 ノルマルヘキサン
4 トリクロルエチレン
5 テトラクロルエチレン


問9  吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 吸収スペクトルの極大を示す波長では、モル吸光係数が最大となる。
2 測定用セルの材質は、測定波長により選択する必要がある。
3 吸光度 0.3 〜 0.7 の範囲内では、分析誤差が小さい。
4 吸光度が1を超えるような試料は、希釈して測定するのが望ましい。
5 紫外、可視領域にわたる光源として、重水素放電管が用いられる。


問10  環境空気中の二硫化炭素の吸光光度法による濃度測定に関する次の記述の
うち、誤っているものはどれか。

1 試料の採取には、小型ガス吸収管を用い、500ミリリットル /min の流量で試料
 空気を吸引する。
2 二硫化炭素を含む試料空気を、ジエチルアミン銅溶液に通すと黄金色を
 呈する。
3 シリカゲル管に二硫化炭素を捕集し、ジエチルアミン銅溶液で脱着して
 測定することができる。
4 硫化水素が共存すると妨害となるので、空気吸引口に酢酸鉛綿をつける
 のがよい。
5 標準液の調製には、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを用いる。

問11  光路長10.0cmの気体用石英セルを真空にしたのち、ある化合物の気体を封
入したところ、その圧力は25℃において5.00×10-3気圧で、ある波長におけ
る吸光度が 0.800であった。この化合物の気体の、その波長におけるモル吸
光係数として、正しい値に最も近いものは、次のうちどれか。

1  4.00 cm-1・mol-1・リットル
2  20.0 cm-1・mol-1・リットル
3  40.0 cm-1・mol-1・リットル
4  200  cm-1・mol-1・リットル
5  400  cm-1・mol-1・リットル


問12  ある有機溶剤の波長450nmにおけるモル吸光係数は2.0×103cm-1 ・ mol-1・
リットルである。この溶剤を含む溶液を光路長1.0cmのセルに入れたとき、波長
450nmにおける透過率が25%になる物質量濃度(モル濃度)として、正しい
値に最も近いものは、次のうちどれか。
 ただし、ランベルト・ベールの法則が成り立つものとし、溶媒は450nmに
おいて光を吸収せず、log102=0.30 とする。

1 3.0 × 10-5 mol/リットル
2 6.0 × 10-5 mol/リットル
3 3.0 × 10-4 mol/リットル
4 6.0 × 10-4 mol/リットル
5 3.0 × 10-3 mol/リットル


問13  真空捕集びんに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 真空捕集びんは、窒素または清浄空気で内部を洗浄する。
2 真空捕集びんに採取された有機溶剤濃度が減少する主な原因は、透過で
 ある。
3 吸引時間を調整するために、入口にオリフィス等をつけることがある。
4 真空捕集びんに採取された有機溶剤濃度は、空気中の水分の影響をうけ
 て減少することがある。 
5 真空捕集びんに採取した試料空気は、できるだけ早く測定する。


問14  シリカゲル管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 シリカゲルの活性化は、窒素または乾燥空気の気流の中で約100 ℃で約
 1時間加熱する。
2 シリカゲルは、一般に極性有機溶剤の捕集に使用される。
3 シリカゲルの水分含有量によって、測定対象物質の吸着容量に差が生じ
 る。
4 シリカゲルからの測定対象物質の脱着には、無極性溶媒が用いられる。
5 測定対象物質を捕集したシリカゲル管は、分析するまで、冷暗所に保存
 する。


問15  検知管法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 キシレンなどの芳香族炭化水素測定用検知管は、一酸化炭素によってマ
 イナスの妨害をうける。
2 スチレン測定用検知管は、アクリロニトリルによってマイナスの妨害を
 うける。
3 ケトン、アルコール測定用検知管は、ほとんどすべての有機溶剤によっ
 てプラスの妨害をうける。
4 四塩化炭素測定用検知管は、塩素などのハロゲンガスによってプラスの
 妨害をうける。
5 トリクロルエチレン測定用検知管は、塩化水素などのハロゲン化合物に
 よりプラスの妨害をうける。


問16  下記の表示がある混合有機溶剤の成分指数として、正しい値は次のうちど
れか。

   含有成分      tの値    含有率(重量%)
 ト ル エ ン      3     40〜50
 酢 酸 メ チ ル      10     20〜30
 キ シ レ ン      1     10〜20
 メチルブチルケトン    30     10〜20

1 700
2 750
3 800
4 850
5 900


問17  有機溶剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 多くの有機溶剤において、標準沸点(絶対温度)と蒸発モルエンタルピ
 ーとの比はほぼ一定である。
2 有機溶剤の沸点は、圧力が高くなると上昇する。
3 同一温度における有機溶剤蒸気の空気中の相互拡散係数は、分子量の大
 きいほうが分子量の小さいものよりも小さい。
4 ある有機溶剤にそれよりも沸点の高い有機溶剤を溶解すると、同一温度
 における蒸気圧は降下する。
5 有機溶剤の混合物の体積は、各成分溶剤の体積の合計と等しい。


問18  環境空気中のメチルエチルケトン濃度を測定したところ、27℃、101kPa
で、292 mg/m3 であった。メチルエチルケトンの空気中濃度(体積分率)
として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
 ただし、メチルエチルケトンのモル質量を72.1g・mol-1、気体定数を8.31
J・K-1・mol-1とする。

1  1 ppm
2  5 ppm
3  10 ppm
4  50 ppm
5 100 ppm


問19  酢酸エチルの標準ガスをつくるため、適当量の酢酸エチルを拡散セルに入
れ、40℃の恒温槽中におき、1.0リットル/minの流量で120分間清浄な窒素(25℃、
1013hPa )を通じたところ、 酢酸エチルの質量が173mg減少した。このとき
得られる標準ガス中の酢酸エチルの濃度(体積分率)として正しい値に最も
近いものは、次のうちどれか。 
 ただし、酢酸エチルのモル質量は88.1g・mol-1で、拡散速度は一定とする。

1 100 ppm
2 200 ppm
3 300 ppm
4 400 ppm
5 500 ppm


問20  トルエン、ノルマルヘキサン、酢酸エチル、アセトン、イソプロピルアル
コールを等物質量ずつ混合した溶剤を使用している作業場で、発生源近傍に
おいて空気中濃度が最も高くなる可能性のあるものは、次のうちどれか。
 ただし、混合溶液は理想溶液とし、溶剤中の各成分の濃度変化は無視でき
るものとする。

1 トルエン 
2 ノルマルヘキサン 
3 酢酸エチル 
4 アセトン 
5 イソプロピルアルコール


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