作業環境測定士試験 (特定化学物質等)

(平成14年1月〜平成14年6月 実施分)

問1  吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 重水素ランプでは波長およそ200〜370nm、タングステンランプではお
 よそ340〜1000nmの連続光が得られる。
2 光電子増倍管の出力電気信号の大きさは、動作電圧に強く依存する。
3 最大吸収波長以外の波長を使って定量分析を行うこともある。
4 モル吸光係数は、溶媒によって変化することがある。
5 透過率は、セルの厚さ(光路長)を2倍にすると1/2になる。


問2  吸光光度分析における検量線に関する次の記述のイとロの(  )に入る
用語の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
 「通常検量線の傾きに( イ)は深く関係するが、( ロ )はほとんど関係
しない。

    イ          ロ 
1 セルの厚さ      発色試薬の濃度
2 発色試薬の濃度    溶質のモル吸光係数
3 溶質のモル吸光係数  セルの厚さ
4 光源の光の強さ    セルの厚さ
5 光源の光の強さ    発色試薬の濃度


問3  吸光光度分析法による環境空気中のシアン化水素濃度の測定に関する次の
記述のうち、誤っているものはどれか。

1 シアン化水素の捕集には、吸収液として水酸化ナトリウム溶液を用いる。
2 標準物質には高純度のシアン化カリウムが用いられる。
3 捕集液を中和してから、クロラミンTおよびピリジン -ピラゾロンを加
 えて発色させる。
4 620nm 付近の波長で吸光度を測定する。
5 試料空気中に共存する硫化水素は、分析の妨害とはならない。


問4  環境空気中の弗化水素の濃度を測定するため、ミゼットインピンジャーに
吸収液10.0ミリリットルを入れ、試料空気を 1.0リットル/minの流量で15分間吸引して
試料液を得た。その5.0ミリリットルをとり、定量操作を行って得られた最終液10.0
ミリリットルの吸光度を測定した結果、その最終液中の弗化水素の濃度の値として
2.5μg/ミリリットルを得た。この場合、弗化水素の環境空気中濃度として、正しい
値に最も近いものは次のうちどれか。
 ただし、試料捕集時における吸収液の損失はなく、かつ捕集率は 100%で
あったとする。また、フッ素の原子量は19.0とする。

1 1 ppm
2 2 ppm
3 3 ppm
4 4 ppm
5 5 ppm


問5  次の特定化学物質 A とそのガスクロマトグラフ分析において用いる検出器
B との組合せのうち、誤っているものはどれか。

    A           B
1 ベ ン ゼ ン      FPD
2 塩素化ビフェニル     ECD
3 臭 化 メ チ ル    FID
4 ベータ-プロピオラクトン  FID
5 硫 酸 ジ メ チ ル  FPD


問6  ベンゼンを含む試料空気を、ガスクロマトグラフに導入し定温で分析した
ところ、次の図のようなクロマトグラムが得られた。ベンゼンの空間補正保
持時間の値として、正しいものは下のうちどれか。

1 7.0 分
2 7.2 分
3 7.3 分
4 7.5 分
5 7.7 分


問7  ガスクロマトグラフ分析法に用いるカラム充てん剤の固定相液体に関する
次のイからニまでの記述のうち、誤っているもののみの組合せは下のうちど
れか。
 イ 固定相液体の粘度が大きいと、分配平衡に達するまでに時間を要し、
  正常なクロマトグラムが得られない。
 ロ 固定相液体は、使用温度で熱的に安定であり、かつ蒸気圧が高いもの
  が望ましい。
 ハ 極性化合物を分析する場合、使用する固定相液体の極性が大きいほど、
  保持時間が短くなる。
 二 固定相液体に無極性液体を用いると、同族の無極性化合物の場合、一
  般に沸点の低いものほど、保持時間が短くなる。

1 イ ロ
2 イ ハ
3 ロ ハ
4 ロ ニ
5 ハ ニ


問8  通常のキャピラリーガスクロマトグラフ分析に関する次の記述のうち、誤
っているものはどれか。

1 キャリヤーガスとして窒素よりヘリウムを用いる方が分離がよい。
2 カラム槽温度が高いほど、保持時間は短くなる。
3 カラム槽温度が高いほど、分離が良くなる。
4 液相の膜厚が厚いほど、保持時間が長くなる。
5 液相の膜厚が厚いほど、高濃度試料まで分析できる。


問9  環境空気中のコールタールの重量分析法に関する次の記述のうち、誤って
いるものはどれか。

1 試料はグラスファイバーろ紙に捕集する。
2 抽出は共栓フラスコを用いて超音波抽出を行う。
3 抽出用溶媒は、ベンゼン可溶性成分と同じ量が抽出できれば、ベンゼン
 でなくてもよい。
4 抽出した溶媒はアルミカップを利用して濃縮する。
5 秤量は、室内放置後秤量値が一定になるまで繰り返して行う。


問10  高速液体クロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、誤っているもの
はどれか。

1 カラム充てん剤にはシリカゲル、ポーラスポリマービーズなどが利用さ
 れる。
2 カラム充てん剤の粒径は、分離能に影響する。
3 カラムの長さは、ポンプ圧と分離能との関連できめられる。
4 溶離液の粘性が大きい場合は、カラム温度を低くする。
5 溶離液には化学的に安定なものを使用する。

問11  エチレンイミンの高速液体クロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか。

1 標準液は、測定のつど調製しなければならない。
2 吸収液への捕集は、常温で行う。
3 抽出はクロロホルムで行う。
4 溶離液にはヘキサン/クロロホルム/2-プロパノール混液を用いる。
5 カラムには、シリカ-DIOL系充てん剤を用いる。


問12  環境空気中のトリレンジイソシアネート(TDI)の濃度を測定するため、
1.0リットル/minで20分間試料空気を 2-PP含浸ろ紙に通気した。得られたTDI
誘導体を抽出液 4.0ミリリットルで抽出し試料液とした。試料液を高速液体クロマ
トグラフで分析した結果、そのピーク面積から換算して得られた試料液中の
TDI濃度は 0.358μg/ミリリットルであった。環境空気中TDI濃度(体積分率)
として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
 ただし、TDIのモル質量は174.1g/molとする。

1  5 ppb
2 10 ppb
3 20 ppb
4 30 ppb
5 40 ppb


問13  25 ℃ で密度が1g/cm3より小さい化学物質は、次のうちどれか。

1 ベンゾトリクロリド
2 エチレンイミン
3 パラ-ニトロクロルベンゼン
4 3,3´-ジクロロ-4,4´-ジアミノジフェニルメタン
5 ニトログリコール


問14  次の化学物質のうち、室温において最も蒸気圧の低いものはどれか。

1 アクリロニトリル
2 沃化メチル
3 シアン化水素
4 ニッケルカルボニル
5 ペンタクロルフェノール


問15  体積1リットルの3個の容器に、3種類の物質A,B,Cをそれぞれ 0.5gずつ
別々に入れて密封し蒸発させた。定常状態になったとき、各容器中のそれぞれ
の物質の分圧の大きさの順位として、正しいものは下のうちどれか。
 ただし、A,B,Cの物性等は次の表に示されており、また温度は 20 ℃
であったとする。

  モル質量
(g/mol)
20 ℃における飽和蒸気圧


43
27
171
21 kPa{160 mmHg}
83 kPa{620 mmHg}
43 kPa{320 mmHg}

1  C > B > A
2  A > C > B
3  B > A > C
4  C > A > B
5  B > C > A

問16  有機化合物の官能基の名称 A とそれを表す式 B との次の組合せのうち、
誤っているものはどれか。

   A         B
1 ビニル基     −CH=CH2
2 アミド基     −CONH2
3 イソシアナト基  −NCO
4 ニトロ基     −NO
5 カルボニル基   −C−
                ‖
               O


問17  化学物質 A とその保存容器 B との次の組合せのうち、誤っているものは
どれか。

    A          B
1 塩化ビニル      ガラス製共栓びん
2 塩   素      鋼製高圧容器(ボンベ)
3 シアン化カリウム   ガラス製共栓びん
4 弗化水素       鋼製高圧容器(ボンベ)
5 ベンゼン       ガラス製共栓びん


問18  特定化学物質の分析に用いられる次の標準液のうちで、分析のつど調製し
標定する必要のあるものはどれか。

1 ペンタクロルフェノール溶液
2 アクリロニトリル溶液
3 フッ化ナトリウム溶液
4 臭化カリウム溶液
5 次亜塩素酸ナトリウム溶液


問19  環境空気中の化学物質 A とその捕集液 B との次の組合せのうち、不適当
なものはどれか。

    A        B
1 アクリロニトリル  精製水
2 エチレンイミン   精製水
3 オルト-トリジン   塩 酸
4 弗化水素      塩 酸
5 ニトログリコール  精製水


問20  次の測定対象物質のうち、捕集袋でもシリカゲル管でも捕集が可能なもの
はどれか。

1 アクリロニトリル
2 アクリルアミド
3 硫酸ジメチル
4 トリレンジイソシアネート
5 ベンゾトリクロリド


(終わり)


Copyrights(C) All Rights Riserved. 禁無断複製、無断転載
このホームページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。