作業環境測定士試験 (労働衛生一般)

(平成14年1月〜平成14年6月 実施分)

問1  化学物質による健康影響等に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

1 化学物質による健康障害の発現には、環境空気中の化学物質の量のほか、
 作業条件も関係する。
2 化学物質による健康障害の程度は、作用部位の化学物質の量に依存する。
3 化学物質の体内蓄積性は、生物学的半減期で判定でき、半減期が長いも
 のほど蓄積性が高い。
4 化学物質の急性毒性は 50% 致死量(LD50)で示される。
5 化学物質の変異原性や発がん性の有無は、催奇形性試験で判定すること
 ができる。


問2  有害物質の摂取、吸収、代謝および毒性に関する次の記述のうち、誤って
いるものはどれか。

1 作業環境では、有害物質の体内吸収は経口経路よりも経気道経路の方が
 危険性が大きい。
2 二酸化窒素のように水に難溶性のガスは、気道の深部まで到達しないた
 め、肺胞の障害は少ない。
3 脂溶性の有害物質は皮膚や腸管から吸収されやすく、脳にも移行しやす
 い。
4 有害物質は、体内の代謝過程を経て無毒になることもあるが、代謝産物
 が障害の原因となることもある。
5 脂溶性の有害物質は肝臓で代謝され、その代謝物は抱合反応で水溶性と
 なり、腎臓から排泄される。


問3  次の有害物質のうち、血液障害を起こすものはどれか。

1 トリクロルエチレン
2 ニトロベンゼン
3 四塩化炭素
4 トルエン
5 ノルマルヘキサン


問4  有害物質の健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 硫化水素は、ヘモグロビンと結合することにより、その酸素運搬作用を
 妨害し、組織の酸素欠乏を起こす。
2 カドミウム粉じんの曝露が続くと、初発所見として腎尿細管障害による
 低分子蛋白尿がみられる。
3 鉛の影響として、尿中デルタアミノレブリン酸の増加は、貧血の出現よ
 り早期にみられる。
4 シアン化水素は、細胞内の酸化過程を阻害し、組織の化学的窒息を起こ
 す。
5 アニリンは、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変化させて、頭痛、め
 まい、顔面蒼白などの症状を起こす。


問5  粉じんによる健康障害等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 粒径 5μm以下の粉じんは、細気管支・肺胞に沈着する。
2 けい肺は、粉じん中の遊離けい酸含有率が高いほど曝露開始から発症ま
 での期間は短くなる。
3 アルミニウムや炭素の粉じんでもじん肺は起こる。
4 炭酸カルシウムの粉じんは滑石(タルク)の粉じんよりも有害性が高い。
5 息切れや動悸などの症状は、曝露開始後すぐには現れない。


問6  がん原性物質( A )とそれによって起こる職業がん( B )との次
の組合せのうち、誤っているものはどれか。

  ( A )           ( B )
1 ベンジジン           皮膚がん
2 4-アミノジフェニル       膀胱がん
3 ビス(クロロメチル)エーテル  肺がん
4 石  綿            中皮腫
5 ベンゼン            白血病


問7  次の酸素欠乏危険場所のうち、硫化水素中毒にかかるおそれもあるものは
どれか。

1 鉄(U)塩類を含有している地層と通じているずい道の内部
2 相当期間密閉されていた鋼製のボイラーの内部
3 穀物の貯蔵や果菜の熟成に使用しているサイロの内部
4 ドライアイスを使用している冷蔵庫の内部
5 し尿、パルプ液等腐敗分解しやすい物質を入れてあるタンクの内部


問8  金属及びその化合物( A )とそれによって起こる健康障害( B )
との次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

  ( A )        ( B )
1 水 銀          歯牙酸蝕
2 ベリリウム化合物      肺肉芽種
3 三酸化砒素        鼻中隔穿孔
4 カドミウム化合物     肺気腫
5 五酸化バナジウム     呼吸器障害


問9  有機溶剤による健康影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 皮膚・粘膜刺激性と麻酔作用は、ほとんどすべての有機溶剤に共通して
 いる。
2 ノルマルヘキサンは、手足の感覚麻痺、歩行障害などの多発性神経炎を
 起こす。
3 エチルエーテルは、視神経に障害を与える。
4 エチレングリコールモノメチルエーテルは、造血器障害を起こす。
5 塩素化炭化水素系有機溶剤の多くは、肝毒性および腎毒性がある。


問10  温熱条件に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 温熱感覚は、気温、湿度、気流、放射(ふく射)熱で影響される。
2 実効温度は、黒球温度計の示度が高いほど、高い値を示す。
3 高温環境下での労働による体温上昇は、発汗によって調節される。
4 気温が高いときには、湿度が高いほど、蒸発による体熱の放散は少なく
 なる。
5 気温が低いときには、湿度が高いほど、伝導による体熱の放散は大きく
 なる。


問11  騒音に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 騒音とは、人に不快感や生活妨害又は健康障害をもたらす可聴域の音を
 いう。
2 騒音計のA特性で測定した音圧レベルを騒音レベルとよび、職場騒音の
 評価に用いられる。
3 等価騒音レベルとは、変動している騒音レベルをエネルギー的な平均値
 で表した値に相当する騒音レベルである。
4 100 dBの騒音の音圧レベルは、50 dBの騒音レベルの 2 倍である。
5 聴力測定は、騒音作業終了直後を避けて実施する。


問12  手持ち振動工具による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているもの
はどれか。

1 レイノー現象(白ろう病)は、振動の加速度が大きいほど起こりやすい。
2 レイノー現象は、振動の周波数が 8 〜 1500 Hzの範囲で起こりやすい。
3 レイノー現象の発症には、環境温度が関係する。
4 喫煙は、レイノー現象発症の増悪因子である。
5 手持ち振動工具では、骨や関節の障害は起こらない。


問13  次の健康障害のうち、紫外線によって最も起きやすいものはどれか。

1 白内障
2 緑内障
3 網膜火傷
4 角膜炎
5 眼底出血


問14  電離放射線を放出する次の同位元素のうち、α線を放出する人工同位元素
はどれか。

1 トリチウム
2 炭素14
3 カリウム40
4 ラドン222
5 プルトニウム239


問15 局所排気装置等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 外付け式のフードで吸引するとき、吸引される気流の速度はフードから
 の距離に反比例する。
2 除じん装置を設置する場合、粒子が比較的粗く、粉じん濃度が高い場合
 は、コットレルよりもサイクロンのほうが効率的である。
3 吸引ダクトとは、フードからファンまでのダクトをいい、管内の圧力は
 陰圧になっている。
4 キャノピー型フードは、熱上昇気流がある場合に有効である。
5 有害なガス、蒸気等の発散面が広いために局所排気装置の設置が困難な
 場合には、プッシュプル換気装置が有効な場合が多い。


問16  次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 高温環境の評価に用いるWBGT(湿球黒球温度指標)は、気温、湿度
 および放射(ふく射)熱を加味した総合的指標である。
2 ブラウン運動における粒子の拡散係数は、粒径に比例する。
3 石英、クリストバライトおよびトリジマイトは、その化学式がいずれも
 SiO2で表わされる。
4 塩素化炭化水素系有機溶剤が灼熱した金属に触れるとホスゲンや刺激性
 の強いガスが発生する。
5 有機溶剤の沸点は、圧力が高くなると上昇する。


問17  防毒マスクに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 有害物の種類と濃度が不明な場合は、防毒マスクは使ってはいけない。
2 一酸化炭素用吸収缶は、一酸化炭素の濃度が低いと触媒作用が緩慢にな
 り、効率が悪い。
3 直結式小型防毒マスクの使用範囲は、環境空気中の対象ガス濃度が、0.1
 % 以下の場合であって非緊急用である。
4 防毒マスクの吸収缶の破過時間は、ガスの濃度が高いほど、長くなる。
5 隔離式防毒マスクは、使用できる環境空気中の対象ガス濃度の範囲が、
 直結式防毒マスクより広い。


問18  労働衛生保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 塗布剤(保護クリーム)は、皮膚手入れ用や化粧用のクリームとして用
 いるものではない。
2 防熱衣は、アルミナイズドクロス製で内側に断熱材をライニングしたも
 のが一般的である。
3 アーク溶接作業で使われる遮光用保護眼鏡は、レーザー光線用保護眼鏡
 としても使うことができる。
4 耳栓は、遮音性能により第1種および第2種に区分されるが、第2種と
 は、高音域を遮音し、会話域程度の低音域を比較的通すものである。
5 低音域の遮音性を増すには耳栓と耳覆いを併用するのが良い。


問19  管理濃度等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 管理濃度は、作業環境管理の良否を判断する際の管理区分を決定するた
 めに用いられている。
2 管理濃度には、生物学的限界値および短時間曝露限界値がある。
3 第1評価値とは、単位作業場所において考え得るすべての測定点の作業
 時間における環境空気中有害物質の濃度の実現値のうち、高濃度側から5
 %に相当する濃度の推定値である。
4 第2評価値が管理濃度より小さい場合でも、B測定値によっては第3管
 理区分になることがある。
5 鉱物性粉じんの管理濃度は、当該粉じんの遊離けい酸含有率に関係する。


問20  日本産業衛生学会勧告の有害物質の許容濃度に関する次の記述のうち、誤
っているものはどれか。

1 最大許容濃度(天井値)は、作業時間中のどの時間をとっても曝露濃度
 がその値を超えてはならない濃度である。
2 種類の異なる物質について、許容濃度の高低により有害性の大小を判断
 してはいけない。
3 許容濃度と比較する曝露濃度の値は、各労働者の個人曝露濃度測定値の
 幾何平均値である。
4 許容濃度以下であっても、人によって有害物質への感受性が異なり、健
 康障害の発生を防止できない場合がある。
5 許容濃度表中で、「皮」の表示がある物質は、経皮的に吸収されやすい
 ことを示している。


(終わり)


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