作業環境測定士試験 (デザイン・サンプリング)

(平成14年1月〜平成14年6月 実施分)

問1  作業環境測定等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 環境空気中の粉じん濃度の分布は対数正規分布で近似することができる。
2 環境空気中の化学物質の経時的な濃度分布は正規分布で近似することが
 できる。
3 評価のための管理水準は、幾何平均と幾何標準偏差とによって表わされ
 る。
4 単位作業場所における測定点の設定は、等間隔系統抽出法によって行う。
5 作業環境測定で2連続作業日に測定する意味は、日間変動を考慮するた
 めである。


問2  作業環境測定のデザインを行う際に考慮する必要のない項目は、次のうち
どれか。

1 当該作業場で行われている作業の内容
2 当該作業場で働く労働者の行動範囲
3 当該作業場で製造されている製品中に含まれている物質
4 当該作業場で原材料として用いられている物質
5 当該作業場における有害物質発生源の数


問3  次の記述のうち、単位作業場所の設定が不適切なものはどれか。

1 タルクの袋詰めが1階と中2階とで行われている作業場で、1階と中2
 階を一緒にして単位作業場所を設定した。
2 手持ちグラインダーと固定グラインダーとによる研磨作業が行われてい
 る作業場で、固定グラインダー作業を対象にして単位作業場所を設定した。
3 クロムの鍍金槽とニッケルの鍍金槽とが混在している作業場で、クロム
 とニッケルとを分けて単位作業場所を設定した。
4 外付けフード式局所排気装置付き作業台の上で、カドミウム含有銀ろう
 材を用いるろう付け作業が行われている作業場で、作業台とその周辺を単
 位作業場所とした。
5 ベルトコンベアー上でトルエン等を含むラッカー塗装が行われている作
 業場で、隣接する乾燥工程を含めて一つの単位作業場所を設定した。


問4  A測定における測定点の位置または数の決め方に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか。

1 測定点は、単位作業場所の全域に、できるだけ均一に分布するように選
 ぶ。
2 単位作業場所の中に無作為に、原則として5点以上の測定点を選ぶ。
3 測定点は、前回行われた測定における測定点と必ずしも同じでなくても
 よい。
4 有害物質を発散する作業を行っている時間が、1日のうち2時間以下で
 あるときは、必ずしも測定点の数を5以上としなくてもよい。
5 単位作業場所の面積が著しく狭く、かつ濃度がほぼ均一なときは、必ず
 しも測定点の数を5以上としなくてもよい。


問5  B測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 B測定は、必ずしもすべての単位作業場所で行う必要はない。
2 B測定の測定点は、対象有害物質の発散源ごとに選ばなければならない。
3 B測定は、必ずしもA測定が行われている時間帯に行わなくてもよい。
4 検知管を用いる場合にあっても、 10 分間の平均濃度が求められるよう
  にする。
5 B測定は、A測定を補完するための測定である。


問6  環境空気中における有害物質( A )とその常温常圧における状態( 
B )との次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

   ( A )      ( B )
1 クロム酸カリウム     粉じん
2 三 酸 化 砒 素       粉じん
3 塩 化 ビ ニ ル      ガ ス
4 水     銀      蒸 気
5 硫 化 水 素      蒸 気


問7  次の作業のうち、原材料中に含まれている金属がヒュームとして環境空気
中に放散されないものはどれか。

1 鉄材のアーク溶接作業
2 鉛の精練作業
3 鉛の溶射作業
4 温度計製造の水銀注入作業
5 鋳物の鋳込み作業


問8  環境空気中の有害物質( A )とその濃度の測定のために用いられる捕
集器具または捕集材( B )との次の組合せのうち、不適当なものはどれ
か。

  ( A )     ( B )
1 水銀        金ウールを詰めたガラス管
2 メタノール     シリカゲル管
3 五酸化バナジウム  バブラー
4 酢酸エチル     テドラーバッグ
5 トルエン      活性炭管


問9  環境空気中の試料採取用サンプラーに関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。

1 粉じんの質量濃度測定には、ろ過材としてグラスファイバーろ紙が用い
 られる。
2 ガス状物質捕集用ミゼットインピンジャーでは 1 リットル/min 前後の
 一定流量で吸引する。
3 バブラーによる捕集では、気泡を小さくするのがよい。
4 小型ガス吸収管は、捕集空気量が少ないので定量下限の値が大きい物質
 の捕集に用いる。
5 インピンジャーは吸引流量が大きいので、金属ヒュームの捕集に適して
 いる。


問10  捕集袋(バッグ)を用いる直接捕集法に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれか。

1 バッグ内に捕集された有機溶剤蒸気は、共存溶剤により濃度が変化する
 ことがある。
2 使用後のバッグは、洗剤でよく洗っておく。
3 バッグ内の有機溶剤蒸気は、吸着や透過により濃度が変化する可能性が
 ある。
4 試料を採取したバッグは、室温の変化の少ない直射日光のあたらない場
 所に保存する。
5 バッグで極性有機溶剤を捕集した場合、濃度低下が著しいことがある。


問11  作業環境空気中の有害物質の捕集に関する次の記述のうち、不適当なもの
はどれか。

1 極性有機溶剤の蒸気の捕集には、注射筒(シリンジ)が適している。
2 有機溶剤などの揮発性物質の液体捕集では、吸収液の温度が低いほど捕
 集率は高くなる。
3 ろ過捕集で用いられるグラスファイバーろ紙は、0.3μm の粒子に対し95
 % 以上の捕集率をもっている。
4 インピンジャーで粒子状物質を捕集する場合は、吸引流量が低下すると
 捕集率は低くなる。
5 気体の液体捕集では、接触表面が大きく、液体の攪拌が大きいほど捕集
 率が高くなる。


問12  光散乱方式の相対濃度計に関する次の記述のうち、誤っているものどれか。

1 相対濃度計には、浮遊粉じんによる 90°散乱光あるいは前方散乱光を
 測定するものがある。
2 相対濃度計には、標準散乱板が内蔵されている。
3 散乱光検出部を通過する被検空気の速度と相対濃度計の指示値は比例す
 る。
4 粒子の組成と粒径分布が一定であれば、相対濃度の値は質量濃度に比例
 する。
5 相対濃度の感度校正には粒径 0.3 μm のステアリン酸の粒子が使用され
 ている。


問13  ガス検知管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 検知試薬には、測定対象物質のみに反応するものが用いられる。
2 真空法ガス採取器では、吸引の開始から終了まで所定の吸引速度で試料
 採取が行われる。
3 変色層の長さは、通気速度によって変わることがある。
4 変色層の長さは、充てん剤の粒度によって変わることがある。
5 変色層の長さは、熱や光の影響を受けることがある。


問14  放射性物質を取り扱っている作業場において、空気中の放射能濃度がおよ
そ 8 × 10−8 Bq/cm3 の放射性物質をろ過捕集法により採取して得られた
試料の放射能が、検出下限値 0.8 Bq 以上となるために必要な最小試料採取
時間として、正しい値に最も近いものは、次のうちどれか。

 ただし、試料空気の吸引流量は毎分 90 リットル、使用するろ過材の捕集
率は 100% とする。

1  95分
2 105分
3 115分
4 125分
5 135分


問15  次の記述のイ、ロの(   )に入る用語の組合せとして、正しいものは
下のうちどれか。

 「環境空気中の放射性物質の濃度を測定するために用いられる試料の捕集
方法として、放射性二酸化硫黄に対して( イ )、プルトニウムに対して
( ロ )が用いられる。」

    イ        ロ
1 ろ過捕集法    直接捕集法
2 直接捕集法    冷却凝縮捕集法
3 固体捕集法    直接捕集法
4 固体捕集法    ろ過捕集法
5 冷却凝縮捕集法  ろ過捕集法


問16  正規分布(母平均P、母分散σ2)に関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。

1 算術平均値と最頻値とは、ほぼ等しい値となる。
2 P±σは正規分布曲線の変曲点である。
3 平均値が大きくなれば標準偏差も大きくなり、相互に従属関係にある。
4 正規分布の広がりは、標準偏差によって表される。
5 P±σの範囲に、測定値のおよそ 68% が入る。


問17  同一単位作業場所の一定時間内における次の測定量のうち、近似的に正規
分布に従うと考えるのが最も妥当なものはどれか。

1 混合有機溶剤の濃度の換算値
2 作業場内の気温
3 環境空気中の特定化学物質の濃度
4 環境空気中の鉛の質量濃度
5 環境空気中の石綿の繊維数濃度


問18  次の記述の(   )に入る数値として適当なものは、下のうちどれか。

 「相対濃度計(デジタル粉じん計)により、10 分間のB測定を行った。ダ
ークカウントは 3 cpm であり、この測定器による 1 cpm に対する質量濃度
は、0.005 mg/m3である。管理濃度を 1.15 mg/m3とし、A測定の第1評価値
が管理濃度以下であるとすれば、管理区分が第1管理区分となるためには、
デジタル粉じん計の計数値は(   )カウント以下でなければならない。」

1  233
2  260
3 2270
4 2300
5 2330


問19  次の誤差のうち、かたよりによるものはどれか。

1 塩化水素を吸引流量 2 リットル/min でバブラーに捕集した際の捕集率
 に基づく誤差
2 普通騒音計の指示値の変動による誤差
3 流量計の浮子の漂動による誤差
4 ろ過捕集におけるろ紙の秤量誤差
5 サンプリング時間の誤差


問20  作業環境測定の結果の評価に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

1 単位作業場所の3か所においてB測定を実施し、50 ppm、100 ppm、 200
 ppm を得た。この場合のB測定値は、200 ppm である。
2 定量下限が 1 ppm である測定方法による測定で、 定量下限に満たない
 濃度の測定点があった。この場合、その測定点における測定値は 1 ppmと
 する。
3 管理濃度が 10 ppm の測定対象物質の濃度を測定 して 0.1 ppm を得た。
 この場合、評価値の計算には 1 ppm を用いてもよい。
4 鉱物性粉じんの管理濃度は、当該粉じんの遊離けい酸含有率によって決
 まる。
5 ベンゼンとキシレンとが検出された場合、評価値は混合評価の方法によ
 り計算する。


(終わり)


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