作業環境測定士試験 (鉱物性粉じん)

(平成14年7月〜平成14年12月 実施分)

問1  粉じんの測定に用いられる光の散乱に関する次の記述の(  )に入る語句
として、正しいものは下のうちどれか。

 「散乱光の量は(  )に大きく影響される。」
1 粒子の化学組成
2 粒子の密度
3 粒子の直径
4 粒子表面の反射率
5 粒子表面の色調


問2  媒質中の粒子の挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 高温の面と低温の面にはさまれた空間を通過する粒子は、低温側に向う力
 を受ける。
2 遠心力場における粒子の移動速度は、粒径に比例する。
3 流体とともに運動している粒子の慣性による物体への衝突の効率は、流速
 が速くなるほど高くなる。
4 ブラウン運動に関する粒子の拡散係数は、粒径に比例する。
5 粒子の帯電量が同じであれば、粒子の電界中での移動速度は粒径が小さい
 ほど速い。


問3  次の記述の(  )に入る語句として、正しいものは下のうちどれか。

 「粒径 5μm 程度の球形粒子が媒質中を落下する際の終末沈降速度は(  )
に比例する。」

1 粒子の直径の平方根
2 粒子の直径の2乗
3 粒子の密度
4 媒質の密度
5 媒質の粘性係数


問4  吸入性粉じんの濃度の測定に用いられる分粒装置に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか。

1 多段型分粒装置では、通気の際の流速が速いほど、捕集される粒子の粒径
 は大きい方へ移行する。
2 慣性衝突式T-Rサンプラーでは、総粉じんと吸入性粉じんの濃度を同時
 に求めることができる。
3 慣性衝突式分粒装置では、粗大粉じんを除去するための捕集板に粘着剤を
 塗布しなければならない。
4 慣性衝突式分粒装置では、通気の際の流速が速いほど、捕集される粒子の
 粒径は大きい方へ移行する。
5 サイクロン式分粒装置では、通気の際の流速が速いほど、捕集される粒子
 の粒径は小さい方へ移行する。


問5  密度 1.8 g/cm3、粒径 10 μm の球形粒子の水中における自由落下の終末速
度を測定して 4.4 × 10-3 cm/sを得た。同じ条件のもとで密度 2.6 g/cm3、
粒径 7.07 μm の球形粒子について同様の測定をしたとき、期待される終末速
度として正しい値に最も近いものは、次のうちどれか。
 ただし、粒子の終末速度はストークスの式に従い、また水の密度は 1.0g/cm3
とする。

1 2.2 × 10-3 cm/s
2 3.2 × 10-3 cm/s
3 4.4 × 10-3 cm/s
4 6.4 × 10-3 cm/s
5 7.2 × 10-3 cm/s

問6  粉じんのろ過捕集に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 粉じん捕集用のろ紙としては、吸湿性が少なく、0.3 μm の粒子を 95%
 以上捕集できるものでなければならない。
2 粉じん捕集用のろ紙の中で、フッ素樹脂バインダーのグラスファイバーフ
 ィルターの吸湿性は、石英繊維ろ紙よりも小さい。
3 ろ過材を通して空気を吸引した場合のろ過材の圧力損失は、ろ過流速の2
 乗に比例する。
4 ハイボリュームサンプラー用付属流量計は、ルーツメーターまたはオリフ
 ィス式流量計を用いて校正する。
5 多段型分粒装置とT-Rサンプラーの 50% 分離粒径は、同じである。


問7  天秤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 直示天秤の感度は、荷重の大きさには、ほとんど影響を受けない。
2 電子天秤では、試料を秤量皿に載せた際の荷重の変化量をストレインゲー
 ジを用いて検出することにより秤量を行う方式がある。
3 電子天秤では、試料を秤量皿に載せた際の荷重と釣合う磁力を生じさせる
 電流を検出することにより秤量を行う方式がある。
4 帯電性の高い試料を秤量する際には、除電用アイソトープを秤量皿の近く
 に置いておくのがよい。
5 測定精度におよぼす温度の影響は、電子天秤より直示天秤の方が大きい。


問8  相対濃度計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ピエゾバランス粉じん計の感度は、 1μg が 180Hz に調整されている。
2 デジタル粉じん計の感度較正には、 粒径 0.3 μm のステアリン酸粒子が
 用いられている。
3 レーザー粉じん計の感度較正には、 粒径 0.6 μm のポリスチレン粒子が
 用いられている。
4 労研ろ紙じん埃計は同じ採じん量であっても、粉じんの色調によってOD
 値は異なる。
5 デジタル粉じん計とレーザー粉じん計の質量濃度変換係数は、同一粉じん
 では等しい。


問9  粉じんの相対濃度計の質量濃度変換係数(K値)を求めるため、サンプリン
グ時間を 60 min として併行測定を行い、下記の結果を得た。
 これらの値から求められたK値の誤差として、正しい値に最も近いものは下
のうちどれか。

 捕集された粉じんの質量    0.9 mg
 相対濃度計の計数値       2160 カウント
 ただし、粉じんの捕集流量 : 10 リットル/min
 相対濃度計のダークカウント: 毎分 1 カウント
 粉じん捕集前後のろ紙の秤量誤差:それぞれ 0.005 mg
 吸引空気量の測定誤差   : 4.0 %
 相対濃度計の計数誤差   : 1.8 % とする。

1 6.0%
2 6.5%
3 7.0%
4 7.5%
5 8.0%


問10  次の記述の(  )に入る用語として正しいものは下のうちどれか。
 
 「液相沈降処理で得た粒径 10 μm 以下の試料を石英の最強回折線の強度か
ら求めるX線回折法と通常のりん酸法によって分析し、遊離けい酸含有率を求
めたところ、りん酸法での値がX線回折法より 10% ほど高かった。
この違いは、試料中に石英のほか(  )が含まれていたとすれば説明でき
る。」

1 クリストバライト
2 玉ずい
3 石灰岩
4 滑 石
5 安山岩

問11  りん酸法による遊離けい酸含有率の測定に用いる試料の採取や処理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 浮遊粉じんの採取には、オープンフェース型ホルダー付のろ過捕集装置を
 用いる。
2 堆積粉じんの採取は、単位作業場所内の腰より高い位置で行う。
3 試料中に人造研削材やセラミック材料が含まれている場合には、あらかじ
 め試料を王水・過塩素酸処理する。
4 試料中に硫化物や金属類等が含まれている場合には、あらかじめ試料を王
 水処理する。
5 再発じん法のために採取した堆積粉じん中にマシン油などが混入していた
 場合は、電気炉で 700 ℃ 、1時間加熱処理したものを使用する。


問12  遊離けい酸の分析に用いる粒子の液相沈降法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 粒子の比重を 2.6 としてストークスの式から必要な沈降時間を決める。
2 液相の一定距離を粒子が沈降する時間は、粒径の2乗に比例する。
3 液相沈降法では試料粉じんの懸濁液中の濃度は約1%(重量比)程度がよ
 い。
4 液相沈降法は、試料中から一定の粒径以下の粒子を採取するために用いら
 れる。
5 液相内の温度変化等の影響を避けるため、沈降距離は 10 〜 20 cm がよ
 いとされている。


問13  りん酸法による遊離けい酸の分析操作に関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。

1 分析試料は、200 mg を用い、コニカルビーカー内に入れ、リン酸 15 ミリ
 リットルを加えて、超音波によって分散する。
2 コニカルビーカー内の試料は、電熱器によって加熱し、発泡を開始した
 ら、その後1分ごとに内容物を撹はんする。
3 加熱溶解した試料は、室温まで冷却し、温湯を加えて、よく撹はんする。
4 加熱溶解した試料は、フッ化水素酸 10 ミリリットルを加え、十分振とう
 してから、1時間静置する。
5 加熱溶解した試料は、メンブランフィルターを用いて、吸引ろ過し、温希
 塩酸で数回洗浄する。  


問14  X線回折基底標準吸収補正法によって粉じん中の石英を定量するための検量線の作成方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 基底標準板は、石英の主回折線より高角度側に回折線のある亜鉛またはア
 ルミニウムで作製する。
2 基底標準板の回折線強度は、標準石英粒子を捕集する前のろ過材を基底標
 準板に固定して計測する。
3 検量線用標準フィルター試料は、ろ過材上に標準石英粒子の量を段階的に
 変えて、採取して作製する。
4 X線吸収補正係数は、計測された金属の回折線の強度と石英の回折線の強
 度の差から求める。
5 検量線は、横軸に石英量を取り、縦軸にX線吸収補正係数を乗じた石英の
 回折線強度を取って作成する。


問15  X線回折法による粉じん中の遊離けい酸の含有率の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 T-Rサンプラーにセルローズ繊維ろ紙を装着して浮遊粉じんを採取し、
 直接定量法により測定する。
2 堆積粉じんを再発じんさせ、ガラス繊維ろ紙に捕集し、基底標準吸収補正
 法により測定する。
3 標準添加法では、添加する標準物質の粒子の粒径は 10 μm 以下でなけれ
 ばならない。
4 内標準法では、内標準物質として、蛍石、炭酸カルシウムなどを用いる。
5 標準添加法では、試料の石英含有率が低いほど分析精度が高い。

問16  X線管球の対陰極が銅のX線回折分析装置を用いて、粉じん試料中の遊離けい酸の分析を行ったところ、回折図形上で尖鋭な回折ピークが得られなかっ
た。この理由として、最も可能性の高いものは次のうちどれか。

1 ゴニオメータの光軸が正しい位置からずれていた。 
2 フィルターとしてニッケルが用いられていた。
3 X線管の管電圧と管電流の積が通常の場合より小さかった。  
4 分析試料がメンブランフィルターに捕集されていた。
5 試料中の石英の結晶化度が低かった。


問17  堆積粉じんを再発じんさせ、T-Rサンプラーのろ紙上に粉じんを捕集した
のち、デシケーター中で1昼夜乾燥させたところ、 10% 減量し、粉じん試料
として 5.0 mg が得られた。この試料をX線回折法で分析した結果、石英 0.5
mg 、正長石 0.4 mg 、トリジマイト 0.2 mg 、玉ずい 0.3 mg が含まれてい
た。この粉じん中の遊離けい酸含有率として、正しい値は次のうちどれか。

1 14%
2 16%
3 18%
4 20%
5 22%


問18  石綿粉じんの試料の採取に用いるセルローズメンブランフィルターに関する
次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 顕微鏡による計測によって求めた平均孔径 0.8 μm のものを用いる。
2 屈折率は、クリソタイルとほぼ等しい 1.5 である。
3 捕集率は、粒径 0.3 μm の粒子に対して 99% 以上である。
4 石綿粉じんは、フィルターの表面に捕捉される。
5 フィルターは、摩擦などによって静電気を帯びる。


問19  石綿粉じんを計数法により測定するための標本の調製方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 フィルターの直径が 47 mm のものは、2等分して標本をつくる。
2 フィルターは、スライドガラスの上に、採じん面を下にして載せる。
3 フィルターを透明にするためには、アセトン蒸気を用いる。
4 透明になったフィルターの上に、トリアセチンを2〜3滴滴下し、その上
 に、カバーガラスを載せて固定する。
5 調製した標本は、常温で数時間以上経過したのち、顕微鏡により計数す
 る。


問20  位相差顕微鏡による石綿粉じんの計数に関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。

1 石綿繊維を計数するには、対物鏡 40 倍、接眼鏡 10 倍の位相差顕微鏡を
 用いる。
2 計数を行う前に、低倍率の顕微鏡を用いて、フィルター上に粉じんがほぼ
 均一に採取されていることを確認する。
3 長さ 5 μm 以上、幅が 3 μm 以下、長さが幅の3倍以上の繊維のう
 ち、岩綿やガラス繊維等を除いて計数を行う。
4 一視野の計数が済んだら、ステージをランダムに移動させて、次々に別の
 視野の計数を行う。
5 繊維がからまって正確に数を読み取ることができないものは計数しない。



(終わり)


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