作業環境測定士試験 (金属類)

(平成14年1月〜平成14年6月 実施分)

問1  マンガンおよびその化合物の性質に関する次の記述のうち、誤っている
ものはどれか。

1 金属マンガンは、硬くてもろい金属である。
2 マンガンは、錯イオンをつくりにくい。
3 酸化マンガン(W) (MnO2)は、過マンガン酸イオンをアルカリ性または
 中性水溶液中で還元すると得られる。
4 過マンガン酸イオン中のマンガンの酸化数は+7である。
5 過マンガン酸カリウムは強い酸化剤である。


問2  金属の酸化物の性質に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。

1 PbOは、水には溶けないが硝酸には溶ける。
2 V25は、塩酸にも水酸化ナトリウム水溶液にも溶けない。
3 BeOは、水にも水酸化ナトリウム水溶液にも溶けない。
4 Cr23は、水にも硝酸にも溶けない。
5 Fe23は、水には溶けないが希塩酸には溶ける。


問3  金属の構造や性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 金属元素はすべて遷移元素である。
2 金属結合性の物質は、固体や液体の状態でも熱や電気をよく通す。
3 金属中の価電子は、特定の原子間に共有されることがなく、原子間を自
 由に動く。
4 金属の結晶には、同じ大きさの球(原子)を積み重ねた3つの構造があ
 る。
5 遷移元素は、同族元素のみならず同周期元素とも化学的性質が類似して
 いる。


問4  金属の分析に用いられる次のイからニまでの試薬とその化学式のうち、化
学式が誤っているもののみの組合せは下のうちどれか。
 イ 塩酸ヒドロキシルアミン (NH3OH)Cl
 ロ リン酸 H3PO5
 ハ 亜硝酸ナトリウム NaNO2
 ニ 臭素酸カリウム KBrO2

1 イ ロ
2 イ ハ
3 ロ ハ
4 ロ ニ
5 ハ ニ

問5  金属の分析に用いられる試薬に関する次の記述のうち、誤っているものは
どれか。

1 硝酸は、種々の金属を溶解し、その際酸化窒素を発生する。
2 濃硫酸には強い酸化作用があるが、希硫酸には酸化作用はない。
3 濃塩酸は空気中で発煙するが、このとき塩酸濃度は減少する。
4 無水の過塩素酸は、無色発煙性の流動しやすい液体である。
5 水酸化ナトリウムは、水に溶解したときに吸熱する。


問6  吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 無色の溶液でも紫外部の吸収バンドを利用して測定を行う場合がある。
2 揮発性溶媒を用いる場合には、測定中に溶媒が揮発して吸光度が高くな
 ることがある。
3 溶質の吸収バンドの幅や吸収波長は、溶媒の種類によって変わらない。
4 測定溶液の濃度は、吸光度が 0.03〜1.0程度になるようにすることが望
 ましい。
5 吸収極大が2つ以上ある場合、一般的にはモル吸光係数の大きい波長を
 測定波長とする。


問7  フレーム原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。

1 原子化率はフレームの燃料・助燃剤および温度によって変化する。
2 フレーム中で基底状態にある原子数は励起状態にある原子数に比べ、圧
 倒的に多い。
3 吸光度は光源からの光が通過するフレームの長さに関係しない。
4 目的元素を可燃性有機溶媒に抽出し、そのまま噴霧する場合には、水溶
 液試料に比べて燃料ガスの流量を小さくする。
5 アセチレン−空気フレームの場合、波長 200nm以下にフレーム自身によ
 る大きな吸収が見られる。


問8  原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 イオン化エネルギーの低い元素では、イオン化エネルギーのさらに低い
 元素を加えると感度が増大する。
2 試料溶液に高濃度の塩類が共存すると、光散乱による分光干渉が起こる。
3 吸光度は試料溶液に共存する酸の種類や濃度の影響を受ける。
4 中空陰極ランプの作動電流値を大きくするほど、検出感度が高くなる。
5 光源光の共鳴線の線幅は、測定元素の吸収線の線幅より狭い方が望まし
 い。


問9  金属の化学的性質に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。

1 銅は、希硝酸にも濃硝酸にも溶ける。
2 マンガンは、塩酸には溶けないが水酸化ナトリウム水溶液に溶ける。
3 銀は、希塩酸には溶けないが硝酸に溶ける。
4 亜鉛は、硫酸にも水酸化ナトリウム水溶液にも溶ける。
5 バナジウムは、フッ化水素酸にも硝酸にも溶ける。


問10  塩の性質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 弱酸と弱塩基とからなる塩の水溶液は、中性を示す。           
2 強酸と強塩基からなる塩の水溶液は、中性を示す。
3 弱酸と強塩基からなる塩の水溶液は、アルカリ性を示す。
4 強酸と弱塩基とからなる塩の水溶液は、酸性を示す。
5 酸性塩の水溶液は、すべて酸性を示すとは限らない。


問11  ジチゾンを用いる吸光光度分析法による環境空気中のカドミウムの測定に
関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 検量線作成用標準液は塩酸酸性とする。
2 硫化カドミウムを捕集したろ紙からのカドミウムの溶出には硝酸を用い
 る。
3 抽出後の水層は、黄色になっていなければならない。
4 Cd2+は、酸性溶液から抽出される。
5 タリウムが含まれているときは、その分離操作が必要である。


問12  誘導結合プラズマ原子発光光度分析法(ICP−AES法)による環境
空気中のカドミウムの測定に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

1 試料はグラスファイバーろ紙に捕集する。
2 試料中の有機物の分解に王水を用いることがある。
3 光源として高周波励起無極放電ランプが利用できる。
4 アルゴンガスのプラズマ炎を用いる。
5 測定波長は228.8nmを用いる。


問13  クロムの分析に関する次のイからニまでの記述のうち、正しいもののみの
組合せは下のうちどれか。
 イ クロム(Y)はクロム(V)に還元したのち、APDCを加え、MI
  BKで抽出する。
 ロ 原子吸光分析法では、バックグラウンドの吸収を補正するのに重水素
  放電管を用いる。
 ハ 原子吸光分析法では、少燃料のフレームよりも多燃料のフレームを用
  いる方が分析感度がよい。
 ニ 原子吸光分析法では、燃焼条件と濃度が同一であれば試料中のクロム
  の原子価には関係なく、感度はほぼ等しい。

1 イ ロ
2 イ ハ
3 イ ニ
4 ロ ニ
5 ハ ニ


問14  ジフェニルカルバジドを用いるクロム(Y)の吸光光度分析法に関する次の
記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ジフェニルカルバジドは、無色結晶性の粉末であり、エタノールに溶け
 る。
2 試料液中に鉄(V)が数百倍存在しても、ジフェニルカルバジド添加後
 2分以内に測定すればその影響を無視できる。
3 試料液中のバナジウムの共存量がクロムの10倍以下の場合は、ジフェニ
 ルカルバジド添加後、10〜15分間放置すればバナジウムによる発色は消失
 する。
4 クロム(V)が共存していても妨害とはならない。
5 試料液の硫酸濃度が 0.5 mol/リットル以上では、クロム(Y)の発色は
 安定である。


問15  環境空気中のバナジウムの吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っ
ているものはどれか。

1 試料採取にはメンブランフィルターを用いる。
2 標準液の調製にはメタバナジン酸を用いる。
3 試料の湿式灰化には、硫酸と過酸化水素を用いる。
4 -ベンゾイル --フェニルヒドロキシルアミンによるクロロホルム
 抽出液は、バナジウム量に応じて橙黄色を呈する。
5 -ベンゾイル --フェニルヒドロキシルアミンを抽出試薬に用いる
 場合、少量のリン酸が共存しても、干渉を受ける。


問16  原子吸光分析法による環境空気中のマンガン濃度の測定に関する次の記述
のうち、誤っているものはどれか。

1 環境空気中のマンガンは、グラスファイバーろ紙に捕集する。
2 採取した試料は、塩酸と硝酸の混酸を用いて溶解する。
3 シリカの影響が認められるときには、試料溶液に塩化カルシウムを添加
 する。
4 マンガンのAPDCキレートは、MIBK中で安定である。
5 マンガンの共鳴線279.48nm 、279.83nm 、280.11nmの三重線のうち、最
 も高い感度が得られ るのは279.48nm である。


問17  水素化物発生原子吸光分析法による砒素の分析に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか。

1 標準液の調製には三酸化二砒素を用いる。
2 石英繊維ろ紙からの溶出は硝酸溶液で行う。
3 水素化砒素発生装置のキャリヤーガスにはアルゴンを用いる。
4 亜鉛末は精製したものを用いる。
5 原子化は水素化砒素をアセチレン−空気フレームに導入して行う。


問18  原子吸光分析法による環境空気中の水銀濃度の測定に関する次の記述のう
ち、誤っているものはどれか。

1 有機水銀の捕集には、過マンガン酸カリウム−希硫酸溶液による液体捕
 集法を用いる。
2 水銀蒸気の固体捕集法には、捕集材として金ウールを用いる。
3 容器中の水銀標準液を長時間放置すると濃度が減少する。
4 還元剤としてアスコルビン酸を用いる。
5 光源には、水銀ランプを用いる。


問19  原子吸光分析法による環境空気中の鉛の分析に関する次の記述のうち、誤
っているものはどれか。

1 試料はグラスファイバーろ紙または定量用ろ紙に捕集する。
2 捕集した試料は、塩酸または硝酸で処理する。
3 鉛をAPDCキレートとしてMIBKで抽出するとき、試料溶液のpH値
 は3.5付近が適当である。
4 多燃料フレームで測定すると感度は高くなる。
5 測定には波長217.0 nmあるいは283.3nmの波長を用いる。


問20  試料空気を30.0リットル/min の流量で20分間吸引して、環境空気中の鉛をろ紙
に捕集し、所定の方法で溶出後、 25ミリリットル溶液とした。この試料液を原子吸
光法により測定した結果 35mmのピークを得た。同一測定条件のもとで、1、
2、4μg/ミリリットルの鉛標準液を測定したところ、それぞれ10、20、40mm高さの
ピークを得た。またろ紙のブランクも同様に処理し、測定したところ 5mmの
ピークを得た。
 環境空気中の鉛の濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。

1 0.03 mg/m3
2 0.06 mg/m3
3 0.13 mg/m3
4 0.25 mg/m3
5 0.52 mg/m3

(終わり)


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