作業環境測定士試験 (放射性物質)

(平成14年1月〜平成14年6月 実施分)

問1  β壊変などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 β−壊変では、原子核中の中性子が陽子に変化する。
2 β−壊変では、娘核種の原子番号は親核種のそれよりも1だけ大きくな
 る。
3 β+壊変では、原子核中の陽子が中性子に変化する。
4 β+壊変では、娘核種の原子番号は親核種のそれよりも1だけ小さくな
 る。
5 電子捕獲壊変では、娘核種の原子番号は親核種のそれと同じである。


問2  次の壊変様式で 30 kBq の放射能をもつ放射性核種から毎秒放出される、
エネルギーが 0.145 MeV のγ線の数は、下のうちどれか。
 ただし、内部転換は無視できるものとする。

1 6.0 × 103
2 9.0 × 103
3 1.5 × 104
4 3.6 × 104
5 5.4 × 104


問3  次の二つの核種の組合せのうち、親核種(A)と娘核種(B)の関係でない
ものはどれか。

   (A)   (B)
1   3H    3He
2  90Sr    90Y
3 137Cs   137Ba
4 226Ra   222Rn
5 239Pu    239U


問4  次の記述の(イ)、(ロ)、(ハ)の(  )に入る表式の組合せとして、
正しいものは下のうちどれか。
 「放射性核種の放射能Aは、時間tとともに指数関数に従って減衰するの
で、壊変定数をλ、t=0における放射能をA0とすると、Aは次式で表さ
れる。(イ)一方、壊変定数と半減期Tとの間の関係式(ロ)を用いると、
放射能は(ハ)と表すこともできる。」

問5  エネルギースペクトルが線スペクトルでない放射線は、次のうちどれか。

1 α線
2 制動放射線
3 特性X線
4 内部転換電子
5 オージェ電子


問6  次の(イ)から(ニ)までの記述のうち、誤っているもののみの組合せは
下のうちどれか。
 (イ)エネルギーが 1MeV のγ線は、水との相互作用では主にコンプトン
   散乱によりエネルギーを失う。
 (ロ)エネルギーが5.5MeVのα線の空気中における飛程は、約4cmである。
 (ハ)β線に対する空気のW値(1イオン対を生成するのに費やされるエ
   ネルギー)は約100eVである。
 (ニ)デルタ(δ)線は、電離作用をもたない二次電子である。

1 (イ)(ハ)
2 (イ)(ニ)
3 (ロ)(ハ)
4 (ロ)(ニ)
5 (ハ)(ニ)


問7  放射能測定において、試料とバックグラウンドとの測定に費やす全測定
時間が一定である場合、求める正味計数率の測定精度が最良になるための、
最適な測定時間の配分を示す式は、次のうちどれか。
 ただし、t=試料測定時間
     t=バックグラウンド測定時間
     n=試料計数率
     n=バックグラウンド計数率
とする。


問8  次の放射線検出器のうち、その出力パルス波高が入射放射線のエネルギ
ーに無関係なものはどれか。

1 GM計数管
2 グリッド付電離箱
3 比例計数管
4 液体シンチレーション検出器
5 NaI(Tl)シンチレーション検出器


問9  親核種(放射能A、壊変定数λ)と娘核種(壊変定数λ)との間
に過渡平衡が成立しているとき、娘核種の放射能A2を表す式として、正
しいものは次のうちどれか。

          λ2
1 A2=A1( ────  )
         λ2−λ1

         λ2−λ1
2 A2=A1( ────  )
          λ1

         λ1−λ2
3 A2=A1( ────  )
          λ2

          λ1
4 A2=A1( ────  )
         λ2−λ1

          λ2
5 A2=A1( ──── )
         λ1−λ2


問10  放射性核種 A とそれを測定するための放射線検出器 B との次の組合せ
のうち、不適当なものはどれか。

   A      B
1  60Co   NaI(Tl)シンチレーション検出器
2  35S    ガスフロー計数管
3  85Kr   気密電離箱
4  90Sr   Ge半導体検出器
5  3H   液体シンチレーション検出器


問11  γ線スペクトル分析に使われるNaI(Tl)シンチレーション検出器とGe半導
体検出器の比較に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 どちらの検出器においても光電ピークが核種の決定に使われる。
2 計数効率は一般にNaI(Tl)シンチレーション検出器の方が劣る。
3 エネルギー分解能はGe半導体検出器の方が優れている。
4 多核種を含む試料のスペクトル分析では、Ge半導体検出器の方が優れて
 いる。
5 NaI(Tl)シンチレーション検出器と違って、Ge半導体検出器は低温で用
 いなければならない。


問12  放射能100Bqの標準試料とバックグラウンドを測定して次の結果を得た。
 標準試料の計数値 = 3500カウント(測定時間 10.0分)
 バックグラウンド計数値 = 210カウント(測定時間 30.0分)
 この結果から求めた測定器の計数効率として、正しいものは次のうちどれ
か。

1 54.8 %
2 5.72 %
3 5.48 %
4 2.75 %
5 1.82 %


問13  液体シンチレーション計数器による放射能測定に関する次の記述のうち、
誤っているものはどれか。

1 試料は、シンチレータに分散させて調製してから測定する。
2 乳化剤を含むシンチレータは、水溶液試料の測定に使われる。
3 試料の着色は、計数効率に影響する。
4 計数効率は、試料の化学成分の違いに影響されない。
5 シンチレータは、多くの場合有機溶媒に有機発光物質を溶解させて調製
 される。


問14  放射線の量に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。

1 線量は、物質の単位断面積あたり吸収した放射線のエネルギーに線質係
 数を乗じたものである。
2 皮膚の等価線量は、70μm線量当量で求める。
3 1cm線量当量は、外部被ばくの測定に用いられる。
4 1cm線量当量は、ICRU球の深さ1cmにおける線量当量である。
5 人体の放射線被ばくを評価する線量の単位はシーベルトである。


問15  空気中の水蒸気状トリチウムを液体捕集法により採取し、放射能濃度を求
める場合、計測する必要のある項目の組合せとして正しいものは次のうちど
れか。

1 捕集液の量、試料空気吸引量、捕集時の温度
2 捕集液の量、トリチウムの捕集率、捕集時の温度
3 捕集液の量、試料空気吸引量、トリチウムの捕集率
4 捕集液の量、トリチウムの捕集率、捕集時の相対湿度
5 試料空気吸引量、トリチウムの捕集率、捕集時の相対湿度


問16  固体捕集法による放射性ヨウ素の空気中濃度の測定に関する次の(イ)から
(ニ)までの記述のうち、正しいもののみの組合せは下のうちどれか。
 (イ)試料の採取に用いる活性炭カートリッジの捕集率は、一般に有機ヨウ
   素に対するよりも無機ヨウ素に対する方が低い。
 (ロ)活性炭カートリッジおよび活性炭含浸ろ紙の放射性ヨウ素に対する捕
   集率は、捕集時間および吸引流量に依存する。
 (ハ)活性炭カートリッジの有機ヨウ素に対する捕集率はトリエチレンジア
   ミン(TEDA)を添着することにより高められる。
 (ニ)活性炭カートリッジの放射能測定には、CsI(Tl)シンチレーション検
   出器が用いられる。

1 (イ)(ロ)
2 (イ)(ハ)
3 (ロ)(ハ)
4 (ロ)(ニ)
5 (ハ)(ニ)


問17  環境空気中の放射性ガスをガス捕集用電離箱で捕集し、測定したところ、
6×10-14Aであった。この放射性ガスに対する当該捕集用電離箱の濃度換
算係数を5×1012Bq・cm-3・A-1とすると、放射性ガスの濃度として正しい
ものは、次のうちどれか。


1 2×10-14       Bq/cm3
2 3×10-2       Bq/cm3
3 0.2          Bq/cm3
4 0.3          Bq/cm3
5 300        Bq/cm3


問18  ガス捕集用電離箱を用いた直接捕集方法によるガス状放射性物質の空気中
濃度の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 トリチウムガスは放射性クリプトンよりも電離箱内壁の放射能汚染を生
 じやすい。
2 電離電流の測定には、電荷式の方が電流式よりも微小電流の測定に適し
 ている。
3 電離箱の電離効率は、電離箱容積や放射線の種類に依存する。
4 電離箱に飽和電離電流を与えるような電圧を印加しない方がよい。
5 流通型電離箱は、電離箱容積の10倍以上の試料空気を流してから測定す
 るのがよい。


問19  環境空気中の放射性物質 A とその捕集材または捕集器具 B との次の組合
せのうち、誤っているものはどれか。

PuO ガラス繊維系ろ紙
セルローズ・ガラス系ろ紙
133Xe 捕集用電離箱
14CO 活性炭含浸ろ紙
HTO シリカゲル


問20  固体捕集法による環境空気中の水蒸気状トリチウム濃度の測定に関する次の
(イ)から(ニ)までの記述のうち、正しいもののみの組合せは下のうちどれ
か。
 (イ)吸着剤の捕集率は、用いる吸着剤の量や吸引流量に依存する。
 (ロ)試料空気に粒子状の放射性物質が混在するときは、捕集カラムの上流
   側に粒子捕集用のろ紙を置く。
 (ハ)吸着剤として、活性炭が用いられる。
 (ニ)試料の測定には、Ge半導体検出器が用いられる。

1 (イ)(ロ)
2 (イ)(ニ)
3 (ロ)(ハ)
4 (ロ)(ニ)
5 (ハ)(ニ)


(終わり)


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