デリック運転士試験 

(平成14年1月〜平成14年6月 実施分)

問1 (デリックに関する知識)

 デリックの種類に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)ガイデリックは、1本の直立したマストとその根元にピン結合された
  ブーム、ウインチ及びこれらに附属するものにより構成され、マストは、
  その周囲に張ったガイロープにより支えられる。
(2)ジンポールデリックは、1本のマストとこれを支えるガイロープ、ウ
  インチ及び附属品からなっている。
(3)二又デリックは、2本のマストをお互いに交差させ、ガイロープ(2
  本以上)により安定を保ち、マストの交差部に巻上げ用シーブを取り付
  けた構造である。
(4)スチフレッグデリックは、1本の直立したマストが後方から1本のス
  テーにより支持され、その根元にブームがピン結合された構造である。
(5)鳥居形デリックは、2本のマストとその上端を結ぶ横ばりからなり、
  鳥居形の本体は、ガイロープによって安定を保ち、通常、数個のつり具
  の組合せからなっている。


問2  デリックの構造部分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)ガイデリックのブームの先端には、ステーワイヤ用の取付金具が設け
  てある。
(2)スチフレッグデリックに荷がかかると、ブームの位置によっては、ス
  テーに引張力又は圧縮力がかかる。
(3)ガイデリックのマスト下部のガジョンピンは、マストステップとはめ
  合いになっている。
(4)スチフレッグデリックの陣がさは、マストを回転させるときの上部支
  持点となる。
(5)ガイデリックに荷がかかると、ブームの反対側のガイロープには、圧
  縮力がかかる。


問3  デリックのブームの傾斜角に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

(1)ブームの傾斜角が大きくなると、定格荷重は小さくなる。
(2)ブームの傾斜角が大きくなると、旋回時のつり荷の周速度は小さくな
  る。
(3)ブームの傾斜角が小さくなると、ブーム起伏用ワイヤロープにかかる
  力は大きくなる。
(4)ブームの傾斜角が小さくなると、作業半径は大きくなる。
(5)ブームの傾斜角が大きくなると、揚程は大きくなる。


問4  デリックに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)ブームを有しないデリックは、一般に、巻上げ及び巻下げ運動のみで、
  荷の水平移動は、原則として行えない。
(2)ガイデリックのブームは、一般に、マストより短く、スチフレッグデ
  リックのブームは、マストより長い。
(3)スチフレッグデリックの旋回角度は、ステーにより制限されるのが通
  常である。
(4)ジンポールデリックは、マストを傾斜させて使用するので、マスト下
  部の固定に特に注意する必要がある。
(5)スチフレッグデリックは、一般に、ガイデリックより作業面積が大き
  い。


問5  みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きするときのフリートアン
グルとして、次のうちで適正なものはどれか。

(1)4.0°
(2)3.5°
(3)3.0°
(4)2.5°
(5)1.5°


問6  デリック用ウインチの部品に関する次の記述のうち、誤っているものはど
れか。

(1)キーには軸の回転を伝えるためのキーと、軸を固定するためのキープ
  レートがある。
(2)リーマボルトは、横方向の力をボルトのせん断力で受けることができ
  ない。
(3)転がり軸受は、滑り軸受に比べ摩擦抵抗が非常に小さい。
(4)滑り軸受としては、一般に割形軸受が多く使用される。
(5)軸は歯車を取り付けることにより、別の軸に回転力を伝えることがで
  きる。


問7  デリックの安全装置等でリミットスイッチが使われていないものは、次の
うちどれか。

(1)ブーム起伏制限警報装置
(2)旋回制限装置
(3)振子式半径指示針
(4)巻過防止装置
(5)旋回制限警報装置


問8  ワイヤロープ等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)フィラ形のワイヤロープは、フィラ線を組み合わせて素線と素線がお
  互いに線状に接触するようにより合わせてある。
(2)新しいワイヤロープの径の許容差は、±10%である。
(3)ワイヤロープの端末処理の効率は、クリップ止めが最も良い。
(4)ワイヤロープの太さは、内接円の直径で呼称されている。
(5)「ラングより」は、ワイヤロープとストランドのよりの方向が反対に
  なっている。


問9  デリックの巻上げ用警報装置に使用されるリミットスイッチの役割として、
正しいものは次のうちどれか。

(1)電動機に大きな電流が流れたとき、自動的に回路を遮断し、ワイヤロ
  ープに大きな力がかからないようにする。
(2)荷を巻上げるときの巻上げ速度を調整する。
(3)ワイヤロープを巻き過ぎたとき警報を鳴らし巻き過ぎたことを知らせ
  る。
(4)つり上げた荷が降下しないように支える。
(5)荷を下ろすときの速度が大きくなり過ぎないように制御する。


問10  デリックの取扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)巻下げのとき自由降下させると巻下げ速度が速くなり過ぎるので、急
  ブレーキをかけることを常に心掛けなければならない。
(2)ガイデリックで定格荷重の荷をつって旋回するときは、ブームの作業
  半径が大きくなる方向に操作しなければならない。
(3)荷をつったまま運転する位置を離れるときは、上司の許可を受けなけ
  ればならない。
(4)荷を横引きするときは、荷の周囲に作業者がいないことを確認しなけ
  ればならない。
(5)運転中は掃除、点検、給油等の作業をしてはならない。


問11 (電動機及び電気に関する知識)

 巻線形三相誘導電動機の回転数を変える方法として、正しいものは次のう
ちどれか。

(1)単層回路に切り替えて行う。
(2)一次側の抵抗を加減して行う。
(3)一次側の電線接続を3本とも入れ替える。
(4)一次側の電線接続を2本だけ入れ替える。
(5)二次側の抵抗を加減して行う。


問12  電流、電圧及び抵抗に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)回路に流れる電流の大きさは、その回路の電圧に比例し抵抗の2乗に
  反比例する。
(2)回路に流れる電流の大きさは、その回路の電圧に比例し抵抗に反比例
  する。
(3)回路に流れる電流の大きさは、その回路の電圧に反比例し抵抗に比例
  する。
(4)回路に流れる電流の大きさは、その回路の電圧に比例し抵抗にも比例
  する。
(5)回路に流れる電流は、その回路の電圧と抵抗の積で表される。


問13  電力量の計算式として、正しいものは次のうちどれか。

(1)電力量 = 電圧2× 電流 × 時間
(2)電力量 = 電圧 × 電流 × 時間
(3)電力量 = 電圧 × 電流 × 抵抗 × 時間
(4)電力量 = 電流 × 抵抗 × 時間
(5)電力量 = 電圧 × 抵抗2× 時間


問14  三相誘導電動機に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)巻線形誘導電動機は、デリック用電動機に用いられることが少ない。
(2)同期速度は、電動機の極数が同じであれば電源周波数に比例する。
(3)同期速度は、電源の周波数が一定であれば電動機の極数が多いほど大
  きくなる。
(4)三相誘導電動機回転子の構造の違いにより、巻線形とかご形に分けら
  れる。
(5)誘導電動機の滑りは、2〜5%である。


問15  電動機の制御器具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)電磁開閉器は、三相誘導電動機の始動、停止、自動制御及び過負荷に
  よる焼損の保護に用いられる。
(2)電磁接触器は、一般に電磁石の吸引力とばねの力で接点を開閉するこ
  とにより、電源回路を開閉して電動機を始動又は停止させる。
(3)リミットスイッチは、つり荷が定格荷重を超えるとレバーの動きによ
  り回路を閉じ、電磁接触器が働き電動機を停止させる。
(4)ヒューズは、これに過電流が流れると溶断して回路を遮断し電動機を
  保護する。
(5)サーマルリレーは、電流が電動機の定格電流を超えると、バイメタル
  が湾曲して接点を開き過負荷を検出する。


問16  電動機のケース等を接地する目的として、正しいものは次のうちどれか。

(1)漏電を防止する。
(2)電動機の異常な過電流を大地に流す。
(3)電動機の過熱を防止する。
(4)電動機の異常な電圧上昇を防止する。
(5)電動機のケース等に漏電したときの感電を防止する。


問17  一般に、電気の不導体といわれているものの組合せとして、正しいものは
次のうちどれか。

(1)木 材  オイル  ゴ ム   雲 母
(2)木 綿   絹   ビニール アルミニウム
(3)空 気  陶 器    紙    炭 素
(4)磁 器  木 材    銅    ガラス
(5)大 地  陶 器   磁 器   木 綿


問18  電気設備の絶縁抵抗を測定する目的として、正しいものは次のうちどれか。

(1)電気設備の接地の状況を知るため。
(2)電気回路の断線の有無を知るため。
(3)電気設備の接点やしゅう動面の汚れ状況を知るため。
(4)電気回路の電気抵抗値を知るため。
(5)電気設備の漏電による危険の程度を知るため。


問19  感電に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)皮膚が発汗等でぬれている場合、人体の抵抗が普通の乾燥した状態よ
  り大きくなって感電事故の危険性が小さくなる。
(2)感電による被害の程度は、人体に通ずる電流の大小に関係する。
(3)電圧が100V程度であっても、人体に通ずる電流が大きいと死亡す
  ることがある。
(4)高電圧に接触した場合であっても時間が短ければショックや火傷です
  む場合もある。
(5)感電による火傷は、高熱物による火傷より皮膚の深部まで及ぶことが
  ある。


問20  電動機等の故障の状態とその原因との組合せとして、誤っているものは次
のうちどれか。

   [故障の状態]        [原  因]
(1)電動機が全然起動しない。  停電又は著しい電圧降下
(2)電動機が振動する。     著しい周波数降下
(3)電動機がうなるだけで起動  ブレーキの未解除
  しない。
(4)電磁ブレーキのうなりが大  締付ボルトのゆるみ
  きい。
(5)電動機が逆回転する。    電源電線の配線誤り


問21 (関 係 法 令)

 デリックに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)つり上げ荷重1tのデリックを1ヶ月だけ設置して工事を行うものは、
  デリック設置報告を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
(2)定格荷重とは、構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の
  荷重をいう。
(3)定格速度とは、定格荷重に相当する荷重の荷をつって、つり上げ、旋
  回、起伏等の作動を行う場合のそれぞれの最高速度をいう。
(4)つり上げ荷重0.6tのデリックには、クレーン等安全規則が適用さ
  れない。
(5)つり上げ荷重2tのデリックを6ヶ月以上設置して作業を行うときは、
  デリック設置後ただちに、デリック設置届を所轄労働基準監督署長に提
  出しなければならない。


問22  定格荷重が250tのデリックについて、1年以内ごとに1回、定期に、
行う自主検査時の荷重試験の荷重は、次のうちどれか。

(1)つり上げ荷重の1.25倍に相当する荷重
(2)定格荷重の1.2倍に相当する荷重
(3)定格荷重+30tに相当する荷重
(4)定格荷重に相当する荷重
(5)つり上げ荷重の1.27倍に相当する荷重


問23  検査代行機関が行うことを認められているデリックの検査は、次のうちど
れか。

(1)落成検査
(2)変更検査
(3)使用検査
(4)使用再開検査
(5)性能検査


問24  デリックの運転の合図に関する次の記述のうち、法令上定めがないものは
どれか。

(1)合図者はデリック運転士免許所持者又は玉掛技能講習修了者でなけれ
  ばならない。
(2)事業者は一定の合図を定めなければならない。
(3)デリック運転者は合図に従わなければならない。
(4)合図者は事業者から指名されたものでなければならない。
(5)デリック運転士が単独で作業を行う場合は、合図者を必要としない。


問25  下文中の〔   〕内に入れる法令に定められている数値は、次のうちど
れか。

 「デリックの巻過防止装置は、フック、グラブバケット等のつり具の上面
又は当該つり具の巻上げ用シーブの上面とブームの先端のシーブその他当該
上面が接触するおそれのある物(ブームを除く。)の下面との間隔が〔 A
 〕m以上(直働式の巻過防止装置にあっては、〔 B 〕m以上)となる
よう調整しておかなければならない。」

    A      B
(1)0.30   0.04
(2)0.25   0.05
(3)0.25   0.10
(4)0.35   0.05
(5)0.25   0.15


問26  デリックの作業開始前点検の項目として、法令に定められていないものは、
次のうちどれか。

(1)ブレーキの機能
(2)コントローラの機能
(3)巻過防止装置の機能
(4)クラッチの機能
(5)ワイヤロープの素線切れの状況


問27  つり上げ荷重1tのデリックを設置した時行う荷重試験は、定格荷重の何
倍か。

(1)1.00倍
(2)1.15倍
(3)1.25倍
(4)1.27倍
(5)1.30倍


問28  ガイデリックの部分を変更しようとするとき、所轄労働基準監督署長に変
更届を提出し、変更検査を受けなければならないものは、次のうちどれか。

(1)ブ レ ー キ
(2)原 動 機
(3)マスト、ブーム
(4)つり上げ機構
(5)ワイヤロープ又はつりチェーン


問29  デリックの玉掛け用ワイヤロープとして使用してもよいものは、次のうち
どれか。

(1)ワイヤロープの1よりの間において素線(フィラ線を除く。)が11
  %切断しているもの
(2)直径が公称径の5%減少しているもの
(3)キンクしたもの
(4)著しい形くずれしたもの
(5)著しい腐食があるもの


問30  デリック運転士免許を取り消されることがある場合の要件に該当しないも
のは、次のうちどれか。

(1)デリックの運転に際して、重大な過失によりデリックの倒壊事故を発
  生させたとき
(2)デリック運転士試験の受験について不正があったとき
(3)免許証を滅失して、再交付の申請を忘れ2年経過したとき
(4)免許証を他人に貸与したとき
(5)免許証を他人に譲渡したとき


問31 (力学免除者は、次の科目は解答しないで下さい。)

(デリックの運転のために必要な力学に関する知識)

 図のようにO点に三つの力P1,P2 ,P3 が作用している場合に、こ
れらの合力は次のうちどれか。



(1)O A

(2)O B

(3)O C

(4)O D

(5)O E


問32  下文中の(   )内に入れるA,Bの用語の組合せとして正しいものは
(1)〜(5)のうちどれか。

 「デリックに荷をつって旋回させる場合、旋回速度を大きくするとそれに
応じてつり荷は作業半径よりも外側にとび出して回る。このように荷を外側
にとび出させる力を( A )という。旋回速度が大きくなると転倒の( 
B )が大きくなって転倒する危険がある。」

    A      B
(1)遠心力   モーメント
(2)遠心力   慣   性
(3)求心力   引 張 力
(4)求心力   モーメント
(5)求心力   慣   性


問33  図のような直角三角形を底面とするコンクリート製の三角錐の、おおよその質量は、次のうちどれか。
 ただし、コンクリート1m3当たりの質量は、2.3tとする。


  (1)13.4t

  (2)18.4t

  (3)30.7t

  (4)45.9t

  (5)91.8t


問34  図のような「てこ」で60kgの荷をA点で支持するために必要な力は、次
のうちどれか。ただし、「てこ」の質量は考えないものとする。


(1)118N{12kgf}

(2)147N{15kgf}

(3)196N{20kgf}

(4)235N{24kgf}

(5)294N{30kgf}

  
問35  図のようなA(20kg),B(50kg)の物体の重心をG1,G2とし、
重心間の距離を14mとしたとき、この物体を合体させたときの重心Gの、
G2からの距離Xは、次のうちどれか。


(1)2.0m
(2)2.5m
(3)3.0m
(4)3.5m
(5)4.0m

問36  下図のように静止している物体Mがある。この物体の重力の分力のうち、
斜面に平行な力が49N{5kgf}、斜面に対し直角な力が98N{10kgf}で
あるとき、物体を斜面に沿って引き上げるためには、荷重(W)の質量とし
て何kg以上必要か。
 ただし、物体と斜面との接触面における静止摩擦係数は 0.5とし、ロー
プの質量及び滑車部分の摩擦は無視するものとする。


(1) 4kg
(2) 6kg
(3) 8kg
(4)10kg
(5)12kg


問37  物体の運動に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。

(1)物体が速度を変化しながら運動する場合、変化の程度を示す量を加速
  度という。
(2)運動している物体を静止させるには、外力が必要である。
(3)等速運動をしている物体の速さは、物体の運動した距離をその移動し
  た時間の2乗で除した値である。
(4)等速直線運動を続けている物体は、負(−)の加速度を与えて停止さ
  せることができる。
(5)物体の速度は、力のように合成及び分解することができる。


問38  下文中の(   )内に入れる用語として、正しいものは次のうちどれか。

 「物体が円運動をしているとき、物体が接線方向に飛んで行かないために
は、ある力が作用していなければならない。物体に円運動させるこのような
力を(   )という。」

(1)慣 性
(2)遠心力
(3)引張力
(4)重 力
(5)求心力


問39  図のような滑車を用いて質量4tの鋼材を支えるのに必要な力Pは、次の
うちどれか。
 ただし、滑車等の荷重と摩擦は無視するものとする。



(1) 9.8kN{1.0tf}

(2)14.7kN{1.5tf}

(3)19.6kN{2.0tf}

(4)39.2kN{4.0tf}

(5)44.1kN{4.5tf}

    


問40  リベットがリベット軸に直角に作用する力により、荷重方向に平行な面で
切断するような荷重の種類として、正しいものは次のうちどれか。

(1)引張荷重
(2)曲げ荷重
(3)圧縮荷重
(4)ねじり荷重
(5)せん断荷重



(終わり)


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